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寒来光一の日替わり笑話

お笑い作家・寒来光一(さむらいこういち)が、毎日(たぶん?)、笑いのネタをお送りします。

バス(笑ートエッセイ)

2007-10-31 01:14:52 | 笑ートエッセイ
 バス停に着き、時刻表を見ると、あと10分待たなければなら
ない。家を出るタイミングが悪かったのだ。ところが、自分の不
幸を悔やむ間もなく、すぐにバスがやって来た。
「ラッキー!」
 車内も割りにすいている。ルンルン気分で、座席に着くと、運
転手のマイクの声が聞こえてきた。
「申しわけございません。ただいまこのバスは、所定の時刻より、
5分遅れで運行しています」
 そういうことだったのである。
「……お急ぎのところ、皆さまには大変ご迷惑をおかけしており
ます……」
 まだ、アナウンスは続いている。「いや、そんなに謝らなくて
も、こちらはそのおかげで間に合ったのに」と、恐縮してしまう。
遅れて迷惑した客も、確かに中にはいるだろう。しかし、バスが
遅れたために、私のように待たずにすんだ客もいるのだ。むしろ、
その利益を被った客の方が多いかもしれない。
 そんな場合には、おわびをすること自体が、かえってその客に
申しわけないような気持ちにさせてしまうことになるのだ。した
がって、運転手は、おわびをする前に、ひとことこう尋ねてみて
はどうだろうか。
「バスが遅れたために、待たずにすんだというお客さまは、拍手
をお願いします」と、問うてみるのである。そして、拍手が少な
かった場合にのみ、おわびをするのだ。
 これが、民主主義社会にふさわしい、バスのアナウンスのあり
方のように思われる。


  林家三平の名前が、再来年の春、復活するとか。懐かしい名前が、
  戻ってきますね。 
    ↓
   http://www.asahi.com/culture/update/1030/TKY200710300335.html



  
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Tシャツ(笑ートエッセイ)

2007-10-28 00:53:19 | 笑ートエッセイ
 先日、街を歩いていると、白いTシャツ姿の中年男性に出会
った。胸元に入ってる文字は、なんと、「毎日が地獄です」
 連れだっている奥さんらしき女性は、残念ながら普通の服装
だった。ここはやはり、奥さんのTシャツには、「毎日が天国
です」という文字を入れてほしかった。


  関東にお住まいの皆さん、台風は大丈夫でしたか? 

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間違い電話(笑ートエッセイ)

2007-10-25 00:55:24 | 笑ートエッセイ
 ずっと以前の話だが、ひどい間違い電話をかけたことがある。
友人宅にかけたつもりが、同姓の近所のお宅に。
 たまたま奥さんが出たこともあり(また悪いことに、同年代。
どちらの奥さんともそれほど面識がなかった)、全然気づかず
に、5分ほど話しこんでしまった。
 調子に乗って友人の悪口を言うと、どうも反応が変である。
まさかとは思いながら確かめてみると、なんと全くの人違い。
どうやら向こうも、何か様子が変だなと思っていたらしい。こ
ちらと向こうで大爆笑。
 テレビ電話でなくて本当に良かったなと思うのだった(もっ
とも顔が見えれば、こんな勘違いはなかっただろうが)。

  偽装、偽装、偽装……。今年の一文字は、「偽」に決定? 
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閉所恐怖症(笑ートエッセイ)

2007-10-22 00:36:46 | 笑ートエッセイ
 実は、高所恐怖症ならぬ閉所恐怖症である。なぜかは分からない。
 別にトイレに長くいることが不安とかそういうものでもなく、全く
自覚することもなく過ごしてきた。
 ところが、ある時、狭い飲み屋に行った時のことである。一番奥に
座って歓談していると、ふと何とも言えない不安に襲われたのだ。体
が妙に圧迫を受けてしまうような感じである。何か事故でも起きて、
避難しなければならなくなったとき、自分だけ逃げ遅れてつぶされて
しまうような(その時には、隣の友人の足にしがみついて、道連れに
してやろうと思うが)不安だ。
 それ以来、狭い店のそれも一番奥に、長く座るのはどうも苦手にな
った。
 しかし、ものは考えようである。閉所恐怖症とは反対の開所恐怖症
だったらどうだろうか。とにかく開けた所にいると不安を感じるのだ。
広大な高原、広い運動場、目の前に広がる大海原、そんなものにいち
いち不安を感じていたのではたまらない。
 そう考えると、閉所恐怖症で、本当に良かったと思うのである。

  環境イベントで、大木こだま・ひびきの漫才を見ました。何回も聞
  いたネタですが、大笑いしました。さすが実力派漫才コンビですね。
  チッチキチー! 
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豆腐(笑ートエッセイ)

2007-10-19 00:48:07 | 笑ートエッセイ
 豆腐は、どうしてあんなにも安いのだろう。普通なら、値段が
高いと腹が立つものだが、豆腐の場合だけは逆である。
 世界に誇るべき健康食品であり、あんなに栄養価が高く、あん
なにバラエティに富んだ食材は、そうは見つからない。そのうえ、
冷奴、湯豆腐、田楽、白あえ、豆腐ハンバーグ……。どれをとっ
てもうまい。味噌汁や鍋物の主役でもある。
 色、つや、形、弾力性、重量、どれをとっても一級品だ。
 それなのに、どういうことなのだ。あんなに手間ひまかけて作
られているというのに、いくらなんでもあの安さはないだろう。
 豆腐を前にするたびに、豆腐の悲痛な叫び声が聞こえてきそう
な気がする。
「人間なんか、豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ!」


  ダルビッシュが、投げ勝ちましたね。大したもんです。 
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ドア(笑ートエッセイ)

2007-10-15 00:52:54 | 笑ートエッセイ
 家の中のドアがこわれて、開かなくなった。台所と廊下を仕切る
ドアである。そのため、玄関から台所に行くためには、二つの部屋
を通らなければならない。およそ9歩の遠回りである。
 私の歩幅を70センチとすると、距離にして6・3メートル、1日
20往復したとすると、252メートル歩く計算になる。「それぐら
い何だ」と言われるかもしれないが、これを1年になおすと、何と
92キロにもなる。つまり、10年では920キロも余分に歩かなけ
ればならないことになるのだ。
 これは、北九州から静岡までの距離に匹敵するのである。いった
い何の因果で、静岡まで歩く旅に出なければならないのだろうか
(熱海温泉に入れるのなら、それもいいが)。
 いや、距離だけでの問題ならまだいい。問題は、時間である。
 私が、920キロの距離を瞬時に移動できるのなら、何も気にす
る必要はない。しかし、現実はそう甘くない。その距離を実際に歩
くには、200時間ほどを必要とするのだ。
 ただし、これは10年間だけの計算である。この家で、あと30年間
暮らすとすれば、何と600時間。つまり、25日間の人生を、家の
中をうろちょろすることに、奪われてしまうのである。ああ、何と
むなしい人生だろうか。こんな理不尽なことが許されていいのだろ
うか。いや、いいはずがない。
 かくして私は、決断し、立ち上がった。立ち上がって受話器を取
り、業者に電話した。
 翌日、業者はやって来て、ものの数分でドアを開けてくれた。そ
の結果、当然のことながら、台所と玄関をだれに妨げられることも
なく、自由に行き来することができるようになったのだ。
 こうして私は、人生の貴重な600時間を無駄にせずにすんだの
である。ただし、ドアがこわれてから修理を決断するまでに1時間、
さらに電話で依頼してから業者が修理を完了するまでに17時間、合
わせて18時間を費やした。したがって、この分を差し引くと、実質
的に582時間を失わずにすんだことになる。
 一方、このドアが再び使えることになったため、歩かなければな
らない距離がなくなったことは言うまでもない。しかし、見方を変
えれば、歩く機会という健康維持のための絶好の機会を失ったこと
にもなるのだ。
 開くようにドアを眺めながら、3回に1回は遠回りしてみようか
と、複雑な思いに駆られているところである。


  タイガースとホークス、残念ながら姿を消してしまいました。
  あ~あ……。 
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絶対に負けられない戦い(笑ートエッセイ)

2007-10-12 01:19:58 | 笑ートエッセイ
サッカーのキャンペーンで、「絶対に負けられない戦いが
そこにはある!」というキャッチフレーズを、よく耳にす
る。
「絶対に」負けられないということは、もしも負けていれ
ばどうなるんだろう? 聞くたびに、心の中でこうツッコ
んでしまう。
 ムチ打ちの罰(痛いですねー)? それとも、バンジー
ジャンプの罰(怖いですねー。中には、喜ぶ人もいるかも
しれませんが)など、想像は限りなくふくらんでいく。
 でも、もういいんじゃないだろうか。すべて勝敗だけで
ものを決するのは、ほどほどにしたいものだ。「勝ち犬」
「負け犬」。いやな響きの言葉である。きっと、犬も迷惑
がっていることだろう。
「絶対に負けられない」「絶対に負けられない」というプ
レッシャが、選手たちにのしかかっている。そして、その
プレッシャーが大きすぎるがゆえに、勝利を逃すこともあ
るのだ。
 とは言え、いくらかは期待したいというのが人情という
ものである。したがって、先ほどのスローガンも、こうし
てはどうだろうか。「できれば負けてほしくない戦いがそ
こにはある」


  チャンピオン、内藤は強かった!
  亀田選手、完敗でしたね。敗れると、一斉にバッシング
  が始まりそう(切腹しろとか)。
  でも、ヒールに徹したから、あれだけ盛り上がったとい
  うこと。まあ、最終ラウンドと試合後の態度は、確かに
  いただけませんでしたが。
  これをバネに、頑張ってほしいものです。 
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誤字(笑ートエッセイ)

2007-10-09 00:52:56 | 笑ートエッセイ
 手紙やメールを出してしまった後に、誤字を書いたことに気が
ついた時、何とも言えない気持ちになる。
 手紙なら郵便局で取り戻すこともできるが(ポストの前では取
り戻せないそうだ)、メールの場合には、相手のパソコンの前ま
で行かなければならないから、なおさらやっかいである。
 相手に、「そのメールを見ないで、返信してください」と言う
のも変だし、「前のメールには誤字がありましたので、この分を
ご覧ください」と訂正後のメールをわざわざ出すのも、かえって
前のメールをじっくり見られるような気がする。
 これも、誤字を書かないように、日ごろから、必要以上に気を
つけている副作用なのだろうか。むしろ、故意にでもちょくちょ
く誤字を書き、免疫をつけておく方が、精神的にはいいかもしれ
ない。


 古田選手、今日引退ですね。本当にご苦労さまでした。さわやかな
 笑顔が、非常に印象に残る選手でした。 
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声(笑ートエッセイ)

2007-10-06 00:51:52 | 笑ートエッセイ
 図書館にいた時のことである。
 例によって、携帯電話の着信音が館内に鳴り響いた。音の発信源とみ
られる60前後の男性が、あわてて廊下の方に出て行く。
 空気が、少しざわついた。マナーモードにしておけばいいのに。と、
そんな思いが頭の隅をかすめた。
 しかし、いつものことだ。すぐに、何事もなかったかのように、落ち
着きを取り戻すことだろう。そんな予想は、男性の大声によって、見事
に裏切られた。
「もしも~し!」
 露骨な迷惑視線が、声の方へ投げかけられた。
 電話の声の主は、気づかなかったのだろう。さらに声を大きくして、
こう話し始めたのである。
「今、図書館におるから、大きな声でしゃべられんとよねえ……」
 周りから、くすくすと忍び笑いが聞こえてきた。どうやら、男性はピ
ンチを脱したらしい。おもしろい光景を目にしたという満足感が、人々
にほほ笑みの表情をもたらしていた。

  朝の連ドラ「ちりとてちん」、始まったばかりですが、これがなかな
  かおもしろい! きめ細かにつくられていて、笑いあり、涙あり。期
  待できそうです。
   ↑NHKの関係者ではありません、念のため。前作の「どんど晴れ」は、
    「そんなアホな!」とツッコミばかり入れていました。 
  
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口の形(笑ートエッセイ)

2007-10-03 01:08:12 | 笑ートエッセイ
 写真を撮る時に口に出す言葉と言えば、一番人気はやっぱり
「チーズ」。でも、「ズ」の発音だと口がとがってしまい、実
際には不満の表情となってしまう。
 そこで、最近では、「1たす1は?」と問いかけて、「にい
ーっ」と答えさせるのが流行っているようである。「い」の段
を発音する口の形は、笑っている時と同じ表情をしているから、
これは合理的である。だが、語尾が「い」の段の言葉なら、な
んでもいいのだ。「キムチ」だろうと「刺身」だろうと「オレ
ンジ」だろうと。
 とは言っても、「鼻血」や「悲鳴」になると、あんまり好ま
しくないかもしれない。お勧めは、「ハッピー」や「ラッキー」。
気持ちが明るくなり、表情も良くなるそうだ。
 そう言えば、私の名前である「さむらい」も「こういち」も、
「い」の段で終わる。勇気のある人は、どんな表情になるかぜ
ひ試してみてほしいものだ(ひきつった笑顔になる可能性が大
だと思うが)。


  ジャイアンツの優勝ですか。クライマックスシリーズは、タイガ
  ースに奮起してもらいたいものです。 
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