昼、隣のプチ崖下の空き地の小屋の縁の下へ猫太郎の様子を見に行く。
暖かい日差しに,外に出てきていたが、こちらの足音が近づいたのが分かったのか、
私が猫太郎の姿に気づいたときは、小屋へ入って行くところだった。のぞくとにゃ~の鳴き声だけで出てくる気配はない。
私は戻るしかない。
夕暮れて暗くなった頃、洗面所を掃除する私の耳に、鳴き声が入ってきた。
帰ってきた。
慌てて玄関の扉を開けるが、いない。
扉に物を挟んで、開けておく。えさのある部屋の戸だけ開けて,他には入れないようにして、掃除しながら待つ。
しばらくしてから、とトッと猫がえさの部屋へ一目散に入っていく姿を見て、他へ出られないように扉を閉める。
雨の中、泥のところにも、穴蔵にも入ったのだから、汚い猫を自由に歩かせるわけにはいかない。
えさを食べたかなと見に行くと、本箱の上のお気に入りの寝床に上がりたいのだけれど、上がれないのか、その前の段階のところで、寝床に向かって啼いているだけ。えさは食べていない。
えさを近づけ誘って、食べさせる。何か食べていてお腹がすいていなかったから、食べなかったのか、食べるのよりも寝たかったのか・・・・。
あとから見るとえさはぺろりと平らげられて、ぐっすり寝ていた。寝ているのに、かわいそうだから、起こさないで、洗うのはあしたにしようと思って、引き下がった。
だけど、勧められて真夜中、洗ってやった。
草のにおいか何のにおいか、くさい。
しっかりと洗った。 つもりだけどタオルで拭くと、なんかタオルが黄色みを帯びる。
ストーブの前を離れずに暖まっていた。猫のコタツをつけてやる。
朝までぐっすり。朝になって、周りを動いても、今日はびくともしないで眠り込んでいた。
今までで一番の脱走時間。家の周りから離れずにいたのに、何で脱走したかねえ。