今月28日をもって、今の職場を去る私。
でも私が辞めることを、まだ一部の職員しか知らないし、ましてや放デイに来ている子ども達は誰も知らない。
4月から入った新しい女性職員オノさんが子ども達から大人気だから、別に私みたいなオバチャンが居なくなっても大丈夫だと思っていたけど、
私には子ども達との長い付き合いとたくさんの出来事、思い出がある。
昨日もそうだったが、今でもこんなオバチャンが出勤すると、喜んでくれる子ども達がいて有難い。
辞めることを言ったらどんな反応をされるんだろう。
特に、高校3年生のモエちゃん、中学2年生のミサコちゃん、小6のユウタくんの3人には言いづらい。
モエちゃんは、私がここで働き始めた頃入って来て、その時モエちゃんは5年生だった。
難病があり、自力では歩くことも立つことも出来ない。いつもウチの施設利用の日は、なんとなく担当になっていた感じの私が支えてきた。そして誰よりも私が遊びや話し相手をしてきた。
初めて会った時は私よりずっと小さかったのに、今や私に「たかぽんさん小さい」と憎まれ口を叩くほど背が伸びた。
今はだいぶ大人になってきたが、以前はワガママも多く、思い通りにならないと、私を蹴ったりすることもあった。
そんなモエちゃん。昨日、私を見つけると、興奮したように、
「たかぽんさん!この前嬉しいことがあったよー!」
と言ってきた。
聞けばなんと大好きなアイドルグループのライブチケットに当選したという!
去年も申し込んだが外れてガッカリしていたモエちゃん。今回は当選したと聞いて、私は思わずモエちゃんの手を取り、モエちゃん以上に興奮して喜んだ。
「良かったねー!良かったねー!」
「うん!」
本当に良かった(涙)
会いたい会いたい、生で見たいと言っていたアイドルのライブ、モエちゃんの夢が叶う。
ちゃんと車椅子利用者のエリアもあるそうで、お母さんに付き添ってもらって、夢の時間を過ごすことが出来るだろう。本当に嬉しい。
ライブは10月だそうだ。
感想は聞けないなあ。
そして中学2年生のミサコちゃん。
母親から虐待で、児相に2度保護されている。
でもあの母親は気持ちと行動が伴わない人なんだろうと思う。ついカッとなってしまい、手をあげてしまうんだろう。
帰りのミサコちゃんの送迎をたまにしているので、何度もあの母親に会っている。
ミサコちゃんに手をあげようとした時、私が止めたこともある。
体が大きく、というか横に大きいのだが、自分の娘にあの母親は、「デブ」「ブタ」と暴言も酷いらしい。
放デイでのミサコちゃんは、天真爛漫で、年下の子のお世話をしてあげるのが好きな子。
「家に帰りたくない。たかぽんさんの家に行く」と、帰りの送迎車の中でよく言っているのが辛かった。
それでもあの母親は、機嫌が良い時もあり、送り届けると「おかえり」とミサコちゃんを抱きしめたこともあった。
毎日母親の顔色を伺わなきゃならないミサコちゃん、
「ミサコ、早く大人になって家を出て一人暮らししたい」
と言っている。
「一人暮らしするためには今は勉強をちゃんとしなきゃならないよ」
と教えているのだが、まだひらがなも全部は書けず、数も10までしか数えられない。時計も12時と3時しか理解できないから、なんとか少しでも教え続けたかったけど…
6年生のユウタくんは、職員アイさんの息子さん。
2018年4月に「毒舌王子」とブログに書いたことがあるが、本当に口が悪く、そして乱暴なヤンチャな男の子だった。
アイさんの子どもだから職員は遠慮して誰もあまり注意出来ないが、私は結構怒りつけたなあ(笑)
でも今は私と仲良しで、いつも私に遊びを求めてくる。
2年ぐらい前に、オセロゲームを教えた。
何度も何度も私にケチョンケチョンに負けても負けても対戦を挑んで来て、今年に入ってからオセロゲームの動画を見て研究したらしい。
その成果があって、なんとなんと今や私より強くなった!
その気持ちが努力が私は嬉しくて😂
あの小さかった頃のク〇〇キが、こんなに成長するんだなあと感心している。
先日は、車椅子競技50メートル走の市内の大会に出て優勝もしている。
「たかぽんさん、優勝のお祝いに何か買って」
と言われ、つい、
「よし、わかった」
と言ってしまった私。
もうすぐお別れだから、何か買ってあげようかな。
車椅子というハンディがあっても、いろいろなことに挑戦して欲しい。
さてと、子ども達に辞めることを、何て言おう。
言えないかもしれない。
言わなきゃならないのかな。
辞めるとは言わず、しばらくお休みしますって言って、自然に私を忘れてもらおうかな。