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STOP!学校の長時間労働

2024年05月19日 | 教育・学校

教員の長時間勤務に歯止めをかけ、豊かな学校教育の実現を求める教育研究者有志の会 桜美林大学教授 中村雅子さん

「しんぶん赤旗」2024年5月19日

現場理解なき「中教審まとめ」

 学校現場が直面しているのは、6000人以上も精神疾患で休職している、過酷な教員の長時間過密労働の問題です。研究者有志は▽教員にも残業代を支給する▽学校の業務量に見合った教職員を配置する▽これらを実現すべく教育予算を増額する―という3点を要望し、18万人超の署名を提出しました。

 それなのに「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について」と題された「審議のまとめ」には教員増も残業代支給もなく、署名に託された願いを裏切るとんでもない内容です。しかも、「新しい職」などというものをすべりこませて、協働的な営みを分断しようとする。やってほしいことはやらずに、求めてもいないことを進めようとする。こんなことを教員は望んでいません。現場で困っている人たちの願いに全く応えようとしていないし、リスペクトもない。

 「おわりに」の結びには「国民の皆様からのご理解とご支援を心からお願いしたい」とありますが、現場の大変さに理解も支援もしていないのがこのまとめ案ではないでしょうか。こんな「まとめ」は絶対にダメです。

 残業代を出すしくみを求めるのは、先生たちがお金をたくさんほしいからではありません。民間企業のように、長時間労働を抑制する力になるからです。そもそも必要な仕事が勤務時間内に終わらない現状を、何とかしてほしいのです。目の前の子どもたちに、温かくて心のこもった教育ができる条件を、一日も早く保障すべきです。

 政府や文部科学省は、本当にやらなければいけないことから目をそらして、ばんそうこうを次々と貼ってごまかすような「改革」を進めてきました。その象徴が今回のまとめです。

 これでは、若い人が教員になろうという気持ちになれないでしょう。なんとか踏ん張ってきたベテランの先生たちも、怒りと深い失望でもう辞めてしまうのでは、ととても心配です。

 まとめでは、教員は高度の専門職だと認めています。そうであるなら、専門性が真に発揮できるよう、現場の願いを真正面から受け止めるべきです。そのための大きな運動が求められていると思います。(堤 由紀子)

 公立学校教員の長時間労働の解消について議論してきた中央教育審議会特別部会は13日、「審議のまとめ」を出しました。しかし、「失望した」「0点だ」など怒りが渦巻いています。関係者の願いをシリーズで紹介します。


園のようす。