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「ヘイトスピーチを加速させる恐れ」 芥川賞作家・李琴峰さんが猛反対する「永住資格取り消し制度」の問題点は

2024年05月20日 | 生活

「東京新聞」2024年5月19日

 改正入管難民法が17日の衆院法務委員会で可決され、税金や社会保険料の滞納などを理由に外国人の永住資格を取り消せるようにする制度が導入に近づいている。台湾出身で2018年に永住資格を取得した芥川賞作家の李琴峰(り・ことみ)さん(34)は、日本社会にくすぶる外国人への排外的な感情を刺激し、差別を加速させると警告する。李さんに、同制度についての考えを聞いた。(聞き手・池尾伸一)

 李琴峰(り・ことみ) 1989年台湾生まれ。2011年早稲田大に留学、13年に再来日し同大大学院で修士課程修了。18年に日本の永住資格を取得。21年『彼岸花が咲く島』で芥川賞受賞。同作では、「一つの警鐘」(李さん)として、架空の国〈ニホン〉が「外人」を全て追い出し人口が半分になるストーリーも描いた。レズビアンと公表しており、性的少数者(LGBTQ)の権利についても積極的に発言している。

 

◆「外国人だけをターゲット 不平等で差別だ」

 ―政府が導入しようとする永住資格の取り消し制度をどうみる。

 「強く反対している。税金や社会保険料を払わない人にはすでに法律で罰則がある。外国人だけをターゲットに永住権を取り上げ生活基盤まで奪ってしまうのは過剰なペナルティーであり、不平等で差別だ」

 「法案が成立すれば、『外国人は税金を納めていない者が多い』という誤ったメッセージを政府が発することになる。もともとくすぶっている日本人の排外感情を刺激し、ヘイトスピーチを加速させるおそれがある」

 ―永住者の未納率が高いという根拠はないと。

 「政府は国会で永住者全般の未納率についてデータを示さず、一部自治体が『払わない永住者がいて困る』などの声があると述べただけだ。必要性が証明できないのに、制度を無理に入れようとしている。政府が外国人労働者受け入れの新たな仕組み『育成就労制度』を導入するにあたっての排外的な保守勢力への配慮からだ。わたしたち永住者の生活基盤はこうした取引の材料にされている」

◆「成立すれば、日本の魅力は大きくそがれる」

 ―外国人への差別や排外的な感情は近年高まっているか。

 「そう感じる。わたしは、『名探偵コナン』など日本のアニメやポケモンのゲームが大好きで15歳から独学で日本語の勉強を始め、もっと勉強したくなって11年に来日した。大学で勉強し、13年には大学院に行き、その後日本語で小説も書くようになった。この間、筋金入りの保守派である安倍晋三氏(故人)が首相になったことで、普通の人たちも『ヘイト的な言説をしても許される』と思うようになったと感じる。過激な言説ほど閲覧回数が増えてお金になるSNS(交流サイト)の悪い影響もある」

 「わたし自身、芥川賞をもらった際に『外国人がもらうなんて許せない』『反日は帰れ』などと中傷を受けた。母語でない日本語で小説を書くほど日本文化が好きなわたしが『反日』のはずはないのに。今回の法案はそうした排外的感情の高まりの結果ともいえる。与党は外国人に厳しい姿勢を示すことで選挙の票をとれると踏んでいる。人手不足で年金財政も危ういなか、外国人抜きでは日本社会がもう成り立たなくなっていることを認識していない人が多過ぎるのも問題だ」

 ―法案は日本社会にどんな影響があるだろうか。

 「成立すれば、外国人に『日本はあなたを労働力としてしかみていない。あなたがいかに日本社会に貢献しようと、日本はあなたの生活基盤を奪うことができる』というメッセージを送ることになる。日本の魅力は大きくそがれ、日本以外で働ける人はほかの国に行くだろう。行ける国が多い優秀な人ほど日本を選ばなくなるのではないか」

 

 永住資格 10年以上日本に在留している外国人や、日本人と結婚した配偶者、高度な技術や知識を持つ人などに許可され、昨年6月末時点で88万人。現行制度では1年超の実刑が確定した場合に失うことがある。新制度では取り消し対象が大幅に拡大され、住居侵入など一定の罪で1年以下、執行猶予付きの懲役刑を含めて有罪判決を受けた場合や、税金や社会保険料を納めない場合、在留カードの不携帯など入管難民法に抵触する場合も剥奪(はくだつ)の対象になる。


園のようす。


ヤマリンゴ

ツツジ

白ボケ



オダマキ


雨宮処凛がゆく! 必要とされる「終活ワンストップサービス」、国の「身寄りなき老後」支援の新制度に思うこと。

2024年05月16日 | 生活

マガジン9 2024年5月15日

 マガジン9 (maga9.jp)

 「一家に一冊、というより一人に一冊」

 「老後への漠然とした不安が激減した」

 「どういう準備をし、どこに連絡をし、どんな制度を使えばいいか具体的なこ

 とがわかった」

 「これで生き延びられる」

 これらの言葉は、2月に出版した『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社新書)に寄せられた感想である。

 本書は発売2ヶ月で早くも5刷。書いた本人である私が一番驚いている。物書きになってから24年、これほどの勢いで売れているのは初めての経験だ。私の不安ってみんなと同じものだったんだ。そんな思いをひしひしと噛みしめている。

 そんな折、ある報道を目にした。

 それは5月7日の朝日新聞に掲載された「身寄りなき老後 国が支援制度 日常生活から死後対応まで 試行へ」というものだ。

 記事によると、今後増えていく「頼れる身寄りのいない高齢者」が直面する課題を解決しようと、政府が新制度の検討を始めているという。その内容は、行政手続きの代行など生きている間のことから葬儀・納骨といった死後の対応まで。

 「入院時に頼れる親族がいない」「認知症になったときのお金の管理が心配」「遺言を残したい」「葬儀や納骨をしてくれる人がいない」「死後の家財の処分はどうすれば」などなどの困りごとへの対応ということで、これってまさに『死なないノウハウ』で書いたことじゃん! と叫びそうになった。

 「お金」や「仕事」「健康」など6章からなる『死なないノウハウ』だが、反響が大きいのは親の介護や自らの終活・死について触れた章。特に「民間の終活団体」「一種の家族代行業」として注目を集めている「一般社団法人LMN」のサービスには大きな関心が寄せられている。

 LMNとは、Life(生活)、Medical(医療)、Nursing(介護)の組み合わせ。公式サイトには「医療・介護の場面はもちろん、QOL(生活の質)の維持や誰もが必ず迎える終末期の準備まで、クライアント様のあらゆるニーズに関わる方々との『つなぎ役』となることを目的としております」という言葉がある。

 そんなLMNが提供するのは、施設選びから納骨までの仲介サービス。墓じまい、実家じまいにも対応している。ちなみに依頼者の9割が、「親の介護ができない」という子ども世代。40〜50代がメインで、そうなると親は70〜80代が中心だ。親が毒親で関わりたくないということもあれば、働き盛りの現役世代ゆえ、なかなか対応できないというケースもある。

 そんな中でも歓迎されているサービスは、親が入る施設からの第一連絡先になってくれること。ちなみに施設によっては関西の施設から東京の子どもに「トイレットペーパーがなくなったから持ってきて」というような連絡が入ることもあるそうで(勘弁してほしい……)、そのような「施設ガチャ」にも詳しいからこそ、施設選びから関わるサービスを提供しているという。

 一方、本書では親や自分が口から栄養が取れなくなった場合の際の注意点にも言及している。

 このような場合、胃ろうや経鼻経管栄養、CVカテーテルなどの選択肢があるわけだが、何を選ぶかによって、今いる施設にいられなくなる可能性もあるのだという。

 それは非常に困る、という人が大半だろう。多くの場合、「看取りまで」ということで高いお金を払って入る施設だ。そこを追い出されてしまうなんてたまらないが、その理由は、夜は看護師がおらず、医療行為ができない施設が多いから。が、施設によっては「うちは胃ろうならできますよ」「CVカテーテールならOK」ということがある。そうなると、必然的に施設で対応しているものが選択肢となるわけだ。そうすれば、安心して施設にいられることになる。

 高齢者施設を選ぶ際、多くの人は何を基準にしていいのか、そこからもうわからないわけだが、必要なのはこのような「情報」ではないだろうか。「お金がないから有料サービスなど使えない」という人でも、こういう情報があれば、施設選びの参考にできる。本書には、このように知っていて損はないもろもろを盛り込んだ。

 ちなみに私は、知人の付き添いで高齢者施設についての説明を受けたことがある。知人の親が施設に入るかもということで同行したのだが、その際、情報として出てきたのは食事のメニューや「こういう楽しいイベント、レクリエーションがあります」というものばかり。それはそれで重要だが、もっと医療的なことや「いざという時」のことこそ必要だと、今になってしみじみ思う。ただ、その時の私は、「何を確認すべきか」ということさえもまったくわかっていなかった。

 さて、それではこれから制度化が目指される国の支援はどういうものなのだろう? 厚労省は、ふたつのモデル事業を始めるという。

 ひとつは市町村や社会福祉協議会などに相談窓口を設け、「コーディネーター」を配置するもの。日常の困りごとや終活、死後の遺品整理などの相談に乗る。法律相談や終活支援をする専門職、葬儀・納骨や遺品整理をできる業者などとつないで契約手続きを支援するそうだ。

 非常にいい取り組みだと思うが、もっとわかりやすい「終活ワンストップサービス」みたいなものが無料、もしくは低額で受けられたら……と思ったところ、ふたつ目が方向性としてはそれに近いようだ。

 内容はというと、市町村の委託、補助を受けた社会福祉協議会などが、介護保険の手続き代行から金銭管理、緊急連絡先としての受託、死後対応などをパッケージで提供、とのこと。またお金については「国による補助で少額でも利用できるようにする」という。

 記事によると、国に先立ち、すでに独自の事業を始めている自治体もあるそうだ。

 東京都豊島区の「終活あんしんセンター」では「任意後見」や「死後事務委任」の契約を支援。また愛知県名古屋市では、資産や所得が一定以下で、子や孫がいない独居の65歳以上に、見守り・安否確認、葬儀や納骨、家財処分などのサービスを提供しているという。

 ちなみに私は単身・子なしゆえ、「この先」の不安から取材を重ねて『死なないノウハウ』を書き上げたわけだが、単身世帯は今や4割近くで2.5世帯に一人。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、65歳以上の単身世帯は20年には738万世帯だが、30年には887万世帯に、そして2050年には1084万世帯と1000万を超える予定。65歳以上の「独居率」は50年には男性で26.1%、女性で29.3%に達する見込みだという。

 2050年、私は75歳。ということは、ロスジェネがとうとう後期高齢者になるわけだ。

 その時までに、無料もしくは安く使える「終活ワンストップサービス」が充実していてくれれば、みんなどれほど安心して老後を迎えられるだろう。

 そんな制度づくりの参考になるのは、民間の有料サービスだ。なぜならそれは、お金を払ってでも必要とされる、現場の切実なニーズから生まれたものだからだ。

 『死なないノウハウ』にて、民間の有料サービスについてはLMNだけでなく、「相談室ぱどる」も紹介した。私自身がさまざまなトラブルに見舞われたり、既存の公的制度では対応できないケースの相談を受けた際、またどう考えても警察沙汰なのに警察が動いてくれない時などにお世話になってきた相談室である。

 行政書士、精神保健福祉士、社会福祉士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士などなどの資格を持つ原昌平さんが立ち上げた「ぱどる」のパンフレットには、以下のような言葉がある。

 「生きていく安心から、相続・死後の備えまで」

 「社会保障+福祉+法律+医療+お金+住宅」。

 「総合的に相談に乗り、生活の設計と支援をおこないます。公的機関で対応しづらいサービスを有料で提供します。国家資格をもつ専門職が、家族の代わりになります」

 このようなサービスが生まれたきっかけは、この国の「縦割り行政」の中で制度の狭間に落ちるようにしてセーフティネットから漏れてしまう人が生み出されるのを見てきたからだという。

 例えば、福祉職の人は福祉に詳しくても、法律や税金についてはわからない。一方、弁護士や司法書士は福祉や社会保障制度のことをあまり知らない。行政の人は、自分の窓口のことはわかっても、違う分野のことは知らない。また、困りごとがある時、私たちはそもそもどこに行けばいいのかわからないことが多々ある。市役所なのか、保健所なのか、労基署なのか、ハローワークなのか、年金事務所なのか。だからこそ、ナビゲート役が必要ということで開設されたのが「ぱどる」だ。

 そんな「ぱどる」が得意とするのは、社会保障をフル活用するノウハウや暮らしのサポート、相続、遺言、終活サポートなどなど。中には「継続的な生活支援サービス」もあり、「緊急時連絡カードの作成」や「カギの預かり」、また「パソコン・スマホ・通信の設定補助(基本的なもの)」というのもある。今すぐ高齢の親戚なんかに勧めたいし、なんなら私も使いたい。

 と、少し触れただけでも「国の支援」が新しく作られるなら、ぜひ参考にしてほしいことが盛りだくさんではないだろうか。

 一方、身寄りのない高齢者への新制度が充実したものになれば、高齢者が亡くなった後に放置される空き家問題や、増え続ける孤独死などにも対応できるだろう。「終活ワンストップ」という横串を刺すことで、解決できる問題はたくさんある。そもそも老後2000万とかほとんどの人にとっては不可能なんだから、安心できる制度をみんなで知恵を絞って作って生き延びるしかないのだ。

 ということで、この新制度、どんなものになるのか見守っていきたいし、自分のために、さらに情報を集めてきたいと思っている。

 最後に。『死なないノウハウ』をまだ読んでない人はぜひ、立ち読みでもしてほしい。「ラーメン一杯の値段(990円)で無敵になれた」という嬉しい声も多数頂いている。


園のようす。


憲法施行77周年にあたって

2024年05月03日 | 生活

日本共産党幹部会委員長 田村智子

「しんぶん赤旗」2024年5月3日

 一、私たちは、今年の憲法記念日を、憲法を蹂躙(じゅうりん)する「戦争国家」づくりの暴走と、平和と人権を求め「憲法を守り生かそう」という国民的世論とが、激しくぶつかり合うもとで迎えています。

 集団的自衛権行使、安保法制を具体化する「安保3文書」の閣議決定から2年、岸田政権は、敵基地攻撃能力の保有、軍事費倍増、殺傷兵器の輸出解禁など、歴代自民党政権が憲法にもとづく「平和国家の理念」としてきたものをことごとく投げ捨てる暴挙を重ねています。

 4月の日米首脳会談では、米軍と自衛隊の指揮統制のかつてない連携強化に踏み切りました。この道を進めば、自衛隊は、情報・装備とも圧倒的に優位な米軍の事実上の指揮統制のもとに置かれることになります。とくに、米軍は、「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の基本方針に「同盟国とのシームレスな統合」を明記し、米軍の公式文書では、そのために「主権の一部を切り離させる」ことまで明記しています。これは、日米軍事同盟の歴史的な大変質であり、日本国憲法を根本から蹂躙し、「日本を守る」どころか、日本の主権も国民の命と安全も脅かす危険極まりない道と言わなければなりません。

 憲法の平和原則を根底から覆す歴史的暴挙を断じて許すことはできません。立場の違いをこえて、「憲法壊すな・憲法守れ」の国民的な共同をひろげることを心からよびかけます。

 一、いま日本に求められるのは、軍事ブロックによる対抗と果てしない軍拡競争で戦争の危険を増大させることではなく、憲法9条を生かした粘り強い外交によって、東アジアを戦争の心配のない地域へと変えていくことです。

 日本共産党は、(1)ASEANと協力して東アジア規模での平和の地域協力の枠組みを発展させる、(2)北東アジアの諸問題の外交的解決をはかり、東アジア平和共同体をめざす、(3)ガザ危機とウクライナ侵略は国連憲章・国際法にもとづく解決を求める――という「東アジアの平和構築への提言――ASEANと協力して」を発表し、東アジアの平和構築という大事業をすすめるために、各国政府、政党、市民社会が共同したとりくみをよびかけています。

 平和を希求する国内外のみなさんと手を携えて、日本と東アジアの平和構築のために奮闘する決意です。

 一、岸田政権がすすめる大軍拡は、社会保障や教育など暮らしの予算を抑え込み、幸福追求権(13条)、生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)などを脅かしています。また、安全保障上の脅威をあおり、経済活動や学術研究への統制・監視を強めることは、思想信条の自由(19条)、学問の自由(23条)を踏みにじるものです。選択的夫婦別姓や同性婚、ジェンダー平等の実現に背を向ける政治は、法の下の平等(14条)や両性の本質的平等(24条)へと日本社会が進むことを阻んでいます。沖縄・米軍辺野古新基地建設は、繰り返し示された民意を無視し、憲法の大原則である地方自治を踏みにじっています。

 こうした憲法を蹂躙する政治は、平和もくらしも脅かし、日本経済の持続可能な発展を妨げ、多くの人が生きづらさを抱える社会の要因ともなっています。

 いま自民党政治への怒りは、裏金事件を契機として全国で沸騰し、新しい政治を求める声となっています。立憲主義を土台とする市民と野党の共闘で、自民党政治を終わらせ、憲法を生かした希望ある政治へと変えるため、日本共産党は全力をつくします。


今日は「花見」を敢行。
強い風に桜が吹き飛んでゆく様を眺めながら・・・
ジンギスカン鍋に舌鼓。
外で、自然の中で食べるのはまた格別。
畑から長ネギ、シイタケ。
野からはクレソン、ヤチブキ、行者ニンニク。

園のようす。

ベニバナイチヤクソウが蕾を持ちました。


国保料値上げ自治体 6割超

2024年04月30日 | 生活

6月までに決定 反対運動急務

2024年「しんぶん赤旗」4月29日

 国民健康保険を運営する全国1736自治体(東京23区や広域連合を含む)のうち、28日までに2024年度の保険料・税の改定状況が分かった580自治体を集計し、4人家族のモデル世帯で計算した結果、6割を超える362自治体が値上げしたことが判明しました。保険料率を据え置きとしたのは196自治体、値下げはわずか22自治体で、値上げが圧倒的です。(関連2面)

 保険料は全国で6月ごろまでに決まりますが、すでに3月議会で条例改定されるなどしています。その改定状況を日本共産党政策委員会が調べ、年収400万円の4人世帯のモデルで計算しました。

 昨年同時期の集計で値上げ自治体は200程度だったため、今年度は昨年度を大きく上回る恐れがあります。値上げ幅も大きく、昨年度比で10万円以上の値上げになる自治体も出ています。図のように、未集計・未決定の自治体をすべて「据え置き」と仮定した場合でも、全自治体の保険料の単純平均値はこれまで以上の急激な値上げになっています。

 値上げのテコとなっているのが、全都道府県が自治体に示した「標準保険料率」です。

 実際の保険料率を標準保険料率どおりに改定した場合、4人世帯のモデルでは全体の85・8%にあたる1490自治体で値上げとなることも今回の調査で分かりました。

 自公政権が国保の「都道府県化」を実施し標準保険料率の仕組みを始めた18年度以降、標準保険料率どおりだと値上げとなる自治体数が1400を超えたのは初めてで、過去最多となっています。

 この試算では、「統一保険料」を実施する大阪府をはじめ、埼玉、愛知、京都など大都市を中心にした14府県で全自治体が値上げとなります。東京都も、島部の町村を除けば100%値上げです。値上げ自治体が90%以上を占めるのは26都府県で、都道府県の過半を占めています。

 6月議会での条例改定を予定するなど、多くの自治体の保険料率の決定はこれからです。物価高騰で暮らしが圧迫されるなか、追い打ちをかける国保料値上げを許さない運動が重要になっています。

24年度国保 強まる値上げ攻勢

7年目に入った「都道府県化」

 24年度の国民健康保険料・税が急激な値上げになっている背景には、自公政権が進める国保の「都道府県化」が7年目に入り、都道府県で新たな「国保運営方針」が実施されることがあります。

 都道府県化は、以前は市町村が単独で所管していた国民健康保険財政を都道府県と市町村が共同で運営する仕組みに変えました。加入者から保険料を集めるのは今まで通り市町村ですが、市町村は保険料を「納付金」として都道府県に納め、医療機関などへの支払いは都道府県が行うことになりました。

値上げのテコに

 都道府県は、各市町村が分担すべき納付金の計算とともに、納付金を集めるために必要な保険料の水準として「標準保険料率」を計算し、市町村に示します。標準保険料率はあくまでも「参考値」であり、市町村が法的に縛られているわけではありませんが、納付金を納めること自体は義務であるため、標準保険料率が保険料値上げのテコの役割を果たす結果になっています。

 都道府県化された制度のもとでは、都道府県がおおむね6年を期間とした国保運営方針を策定し、国保財政の安定や保険料水準の平準化を進めることになっています。昨年度まででこの6年間の期間が過ぎ、24年度からは新たな「運営方針」が実施されます。

 都道府県化には「県内の保険料の平準化」の意味合いもあるため、6年間の当初は、もともと高かった自治体が値下げとなる事例も多くありました。

    また、政府は制度推進のための“アメ”として若干の国庫支出を増やしました。これまでの6年間は、こうした国庫支出や国保財政の剰余金などを活用し、値上げを緩和する措置が行われてきました。さらに、新型コロナの流行期には、他の病気の受診抑制で医療費の支出が抑えられたこともあり、値上げが緩やかになりました。

軽減措置縮小へ

 7年目の新たな「運営方針」の期間に入ったことで、多くの都道府県がこれまで実施してきた負担軽減措置を縮小する方向です。この結果、値上げが急ピッチになっています。

 特に、大阪府や奈良県では、24年度から全市町村の保険料率を同一にする「統一保険料」を実施します。この結果、大阪では全市町村が値上げとなり、4人世帯の場合、昨年度に比べて10万円以上もの値上げになる自治体も出ています。(日本共産党政策委員会・垣内亮)


今日も寒い一日。
最高気温13℃。
明日は15℃の予報だが、陽射しがありそうなので体感的にはもっと上がるでしょう。
道内は桜のピークを迎えたようです。

園のようす。


共同親権 その前に 公認心理師臨床心理士 信田さよ子さん

2024年04月28日 | 生活

「しんぶん赤旗」2024年4月27日・28日

DV加害規制は急務

 両親の真摯(しんし)な合意がなくても裁判所が離婚後の「共同親権」を命令できる民法改定

案―。政府・与党は22万筆を超える反対署名や「DV(配偶者らの暴力)から逃げられなくなる」との被害者の訴えを無視して法案の衆院採決を強行しました。DV被害者のカウンセリングに長年取り組んできた公認心理師・臨床心理士の信田さよ子さんは「共同親権の前にすべきことがある」と法案に反対を表明し、DV対策の抜本的見直しを求めています。(日隈広志)

 ―支援の側から見た法案の問題点は何でしょう?

 法案では「共同親権」を申請しても「急迫な場合」は裁判所が認めないとしています。政府は「急迫」にDVや虐待を含むとし、裁判所が適切に判断するといいますが、暴力の実態を理解したものとは思えません。

家庭内支配が本質

 DVの本質は家庭内の支配です。DVには犯罪行為もあり、▽「殴る、蹴る」の身体的DV▽子どもを傷つけるぞと脅す、人間関係を孤立させる精神的DV▽生活費を渡さず、経済的自立を阻む経済的DV▽性行為を強要する、避妊に協力しない性的DV―などの種類があります。加害者は外部に気づかれないようDVを巧みに使い分け、被害者を従属させていきます。

 子どもの前でふるう面前DVは虐待でもあります。強い従属のもとでDV被害者が子どもを虐待する加害者になる危険もあります。

 しかし政府のDV対策は被害者の「避難」と、学校などへの「啓蒙(けいもう)」にとどまります。DVの相談件数は2002年以来、右肩上がりで現行の対策だけで状況は改善しません。「共同親権」導入の前に、大幅な予算増額などDV対策を根本的に改めるべきです。加害に対する抑止・規制を導入することが不可欠です。

「プログラム」必要

 ―加害を抑止・規制すべき理由は?

 暴力をエスカレートさせないためです。

 カウンセリングを受けに来る被害者の多くは女性です。一般的には、妻が反抗、逃亡して夫が「夫婦間の問題」に気付くケースが多い。しかし自らの加害を認識しない夫が、妻の反抗を「非がないのに攻撃された」と捉えて被害者意識から妻を攻撃したり、子連れで逃げた(子連れ別居の)妻を「実子誘拐」のように捉えるケースがあります。離婚になれば「妻が家庭を壊した」という考えから復讐(ふくしゅう)心も生まれます。離婚後に元妻や子どもを殺害した事件も起きています。

 カナダや欧州など加害者規制が進む国では、「加害者プログラム」を徹底しています。カウンセリングを通じて自身の支配性に向き合わせ、暴力に至る習慣を改め更生させるのです。そこに共通しているのは「女性や子どもを守る」という姿勢です。裁判所が夫にプログラム参加を命じて中断や拒絶には罰則を科しています。実際に成果を上げており、適切な強制力は暴力の歯止めになっています。日本でもこうした加害者プログラムの導入が急がれています。

国家の“DV”やめよ

 ―離婚後の「共同親権」を導入する前に取り組むべき課題は他に何がありますか?

 離婚した元親が子どもを監護する親に養育費を支払わない問題です。政府の2021年度の調査によれば、養育費を受け取った親は28・1%。支払った場合も2~3年の短期間で終わるなど、非常に少額です。離婚後の親権者の9割は女性です。社会問題になっているシングルマザーの経済的困窮は、養育費の不払いが一因です。今回の民法改定法案では養育のための必要最低限の金額などを定めますが、支払い義務はありません。法律で義務化すべきです。

ジェンダーの問題

 また、政府は「高校授業料無償化」などの支援制度で判定基準になる親の所得について、「共同親権」になった場合には元親の所得も合算して判定するとしました。ひとり親の収入が支援基準を満たしても、元親の収入次第で切られる危険があります。法案は、シングルマザーをさらに追い込む、国家による“DV”のようです。

 ―DVはジェンダーの問題でもあります。

 「男らしさ」の分析から男性のDV被害に焦点が当てられるなど、ジェンダーの視点を抜きにDVを考えることはできません。

 そもそも「DV」という言葉が日本で広がったのは1990年代。それ以前も多くの女性がカウンセリングで夫の加害を訴えていました。支援側では、妻の被害をケアする一方、夫の加害については「アルコール依存症」の症状や人格の問題とみなして治療に任せる傾向がありました。社会的に、夫婦間の暴力は国や社会が積極的に介入する問題とみなされていなかった影響もあります。

「家父長制」の名残

 95年の第4回世界女性会議(北京会議)が転換点です。参加した女性たちは夫の加害に「DV」という名が付いたことを歓迎しました。支援者が見聞きしてきた夫の加害は、女性の人権を侵害する「女性に対する暴力」であり、「やはり規制が必要だった」と。「DV」という言葉は、瞬く間に全国の支援現場に広がりました。

 ―北京会議から超党派によるDV防止法の制定(2001年)につながりました。

 私たちは当時から加害の抑止・規制を求めました。拒んだのは自民党の男性議員です。「『暴力』とは大げさだ」「妻をたたくなんて男じゃない」としてDVを「特殊な家庭」の問題に矮小(わいしょう)化するか、否認しました。DV対策は被害者保護の対策に限定されてきました。

 DVが示す家庭内の支配関係は、明治憲法由来の家父長制を体現しています。夫の力と支配を肯定する家族の価値観はそれほど変わっていませんし、その人たちは、その家族観のどこが悪いのかと思うでしょう。その人たちには支配をなくし、対等・平等の実現を目指すDVの議論は邪魔なだけです。

 DV対策が進まない背景には、ジェンダー差別を利用する日本の政治のゆがみがあります。このゆがみを正さずに「共同親権」を導入すれば、女性や子ども、弱い立場への暴力は強まるばかりです。ジェンダー平等を求める政治の姿勢は不可欠です。


寒いです。
ニュースでは北海道だけ寒く、他の地域は一段と暑さが進んでいるようです。
寒いのでハウス内の2重のトンネルをしっかり閉めて帰ってきました。
しかも夜中から晴れる予報で、朝は寝坊できません。

園のようす。


「あんたらのATMじゃねーぞ」自民党「氷代」廃止するはずが100万円アップの500万円バラマキ…政党交付金160億円がムダすぎる

2024年04月27日 | 生活

SmartFLASH 4/27(土)

 政治資金パーティーの裏金事件を契機に、岸田文雄首相が本部長となって発足した自民党の「政治刷新本部」。2024年1月25日に「中間取りまとめ」が出され、そこでは派閥が所属議員に配る、いわゆる「氷代」や「もち代」の廃止が盛り込まれていた。

「氷代」や「もち代」は、自民党が選挙区支部長に支給している年間1200万円(年6回の分割支給)の活動資金で、その夏分を一般に「氷代」と呼んでいる。ところが、この「氷代」が、今夏も継続されただけでなく、さらに増額されることがわかった。

 4月26日の朝日新聞はこの通達文書を公開し、《4月分を通常の200万円から300万円に増やすほか、従来は7月末だった次の支給時期を6月に前倒しした上で500万円に増額する。内訳は定期の支給分200万円と、従来の200万円から300万円に増額された「夏の活動費」》としている。

「7月以降の増額は未定だということですが、背景には議員の懐事情の悪化があります。議員が派閥に所属する理由のひとつは『氷代』と『もち代』の支給です。派閥により金額は異なりますが、それぞれ50万円から100万円と言われています。その “当て” がなくなってしまったのですから議員は深刻でしょう。

 岸田首相としては『私が主導して派閥を解消したのだから』という意味合いもあっての増額だと思われます」(政治担当記者)

 自民党はまるで「お手盛り」のように増額しているが、こうした政治活動費は国民1人あたり250円にあたる政党交付金、つまり税金も使われている。2024年度の政党交付金は総額約315億円、自民党には約160億円が支給される。

 こうした「反省の色なし」とも思える自民党に、ニュースサイトのコメント欄には、

《無駄遣いがすぎる こっちはあんたらのATMじゃねーぞ》

《国民の給料は、増えないのに自民活動資金は100万も増えるのは国民を馬鹿にしてる》

《自分達の手当の決定は凄いスピードで決まりますね。これが自民党》

 など激憤があふれていた。《なんだか自民党の為に、汗水垂らして税金納めてるみたい》との声も――「いつの間にかシレっと」が自民党のお家芸とはいえ、いくらなんでも政党交付金160億円はムダすぎないか。


まったく、その通りです。

今日は24℃を超える暑さ。
周りの桜も一斉に咲きだしましたがわが園の桜はイマイチです。
明日は10℃も下がる予報です。

室内で育苗していたもの半分をハウスに移動。
明日残りを全部移動させます。
朝の最低予想気温、晴れるのか曇りなのかによって、また帰宅の時間も晴れていれば閉めるわけにもいかず遅くなってしまいます。
まだ最低気温が2℃3℃の世界ですのでハウス内にさらに2重のトンネルです。
日が当たればあっという間に60℃超えです。

園のようす。
福寿草からスイセンへ。

カタクリ

これから夕食を(作ります)・・・

行者ニンニクとシイタケの卵とじ。

 

 


現行保険証廃止 責任転嫁せず撤回せよ

2024年04月25日 | 生活

「東京新聞」社説 2024年4月25日

 武見敬三厚生労働相が、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用率に関係なく、閣議決定通り、現行の健康保険証を12月に廃止すると言明した。

 マイナ保険証の利用率は3月も5・47%と低迷している。

 背景にはマイナカードへの国民の疑問や不安があり、誠実に対応しないまま現行保険証を廃止すれば、混乱は避けられまい。政府には廃止方針の撤回を求めたい。

 政府は、マイナ保険証の利用率低迷を「現行保険証を前提とした(医療機関の)対応」(武見氏)のためと分析。5~7月を利用促進集中取り組み月間に定め、利用者を増やした病院に最大20万円、診療所や薬局にも同じく10万円の一時金を支給するという。

 河野太郎デジタル相=写真(右)=も自民党の国会議員に、支援者らがマイナ保険証の使えない医療機関を見つけた際、政府窓口へ連絡するよう求める文書を配った。

 しかし、利用率低迷の原因は不安を顧みずマイナカードの普及を強引に進める政府にある。医療機関への責任転嫁は筋違いだ。

 昨年、約1万6千件もの「ひも付け」ミスや負担割合の誤表示が発覚したが、政府は「不安払拭のための措置」を講じることを前提に現行保険証の廃止を決めた。

 しかし、システムの不具合はいまだ解消されていない。千葉県保険医協会は昨年12月の調査に応じた医療機関のうち53%でトラブルがあったと発表。沖縄県や島根県の国民健康保険組合も2月、マイナポータルで医療費情報が閲覧できないトラブルを公表した。

 現行保険証を維持すれば、暗証番号のないマイナ保険証や保険証に代わる資格確認書も不要だ。

 政府が現行保険証の廃止に固執する背景には、医療分野の個人情報を集積し、活用したいという経済界の要請があるが、人命に優先する経済政策などあり得ない。

 河野氏らは保険証を「人質」に任意であるマイナカード取得を事実上強制。「密告」を奨励して医療機関に圧力を強めるが、こうした手法こそがマイナカード不信を増幅させたと気付くべきだ。


 最近では薬局などで「おもちですか?」と問われることが多い。
増やせば「裏金」が入る仕組みだ。
 サントリーの「不買運動」が始まった。
経済同友会の代表幹事サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏は、マイナ保険証普及に向けた現行の保険証廃止について、廃止時期の24年秋を「納期」と表し、「納期を守るのは日本の大変重要な文化」と発言。
 「納期」は守るべきであろうが、その前にその「商品」の適格性が守らねばならないのは当然の「物づくり大国」ニッポンの矜持ではないのか?そんなサントリーの製品をボイコットするのは理にかなったものである。
 人の話を聞かない、上から目線で国民に「悪政」を押し付けてくる。
そのような企業に対する国民の小さな抵抗であるが思い知らせるべきである。

 


食料・農業・農村基本法改正案は飢餓輸出を招く

2024年04月19日 | 生活

  食・農業の憲法と言われる食料・農業・農村基本法改正案が昨日衆議院通過。なぜ、農業が限界状況迎えているのに、政府は抜本的な手を打たないか、要するに日本という国が米国へのコバンザメ国家で、米系多国籍企業へのコバンザメ企業が政治を仕切っているから。
  日本で地域の自立した食のシステムを作ることは米国の食料戦略に抵触するからやらない。またそんなシステムを作っても大企業は儲からないからやらない。だから農家の支援政策は打ち出されない。海外で安く作ってもってくる、日本で食料自給するよりも日本の農産物を海外で高く売った方が企業にとっては儲かるのだ。農家は支援せず、飢える人や栄養不良な人がいても無視して、海外に食品を輸出する。
 
 このような貿易のことを「飢餓輸出」と呼ぶ。南の国の多くは外貨を稼ぐために、国内に飢餓があっても、食料輸出を強化し続ける。食料はあるのに国内の飢餓者には食べさせず、国の借金を払うために海外に輸出する。
 
 今回の基本法の改正案の議論でも政府は「農業を発展させるためには輸出しかない」と繰り返す。日本はこのままでは本当の「飢餓輸出国」になる。政府を変えない限り。
 
 そして、これは米軍の考える世界秩序にそれは好都合。日本の大企業もすんなりその方針に従う。でも、今後はそれでは十分な食が確保できなくなることが予想されるのに政府は手を打たない。いや、食はもう確保できなくなってきていて、日本は5%未満の栄養不良者の存在する飢餓国としてFAOにも認定されている。
 学校給食の質も下がり、コンビニの弁当にもその影響は現れている。これは一部の貧困者だけの問題ではなく、日本列島の住民全員の問題であり、すでに日本の栄養状態は悪化し続けている。
 
 こういう問題が多い法案の場合は修正案が出ざるをえない。ほとんどの党が修正案を出すが、自民党と日本維新の会が提出した修正案が採択された。日本維新の会は今後ますます自民党に寄り添っていくつもりのようだ。この修正案には口当たりいいことが並ぶが、肝心の日本の食の危機に有効な施策は見当たらない¹。
 
 メディアはどれだけこの危機を報道するだろうか?


数年前「おにぎりが食べたい」と言って餓死した人のニュースを耳にした時、信じられない思いがあったが、今や状態化してしまった感じである。
今やインバウンドで日本の食が注目されている。
多様性のある和食を守り、お米の需要拡大を目指すべきではないのか。

毎日違う花が咲きだします。


能登復興に「コスト削減」を持ち出した財務省に被災地は憤慨

2024年04月17日 | 生活

 そこまで節約したいなら、万博が先では?

2024年「東京新聞」4月17日

こちら特報部

 能登半島地震から3カ月余り。断水の解消などの復旧が遅れる中、財務省は「維持管理コストを念頭に置き、集約的なまちづくりを」と提言を出した。「コスト削減ありき」がにじむこの姿勢。「過疎地の切り捨て」の危惧も。そんなにカネがないならやはり、万博絡みのインフラ整備などの巨額事業を見直し、復興に予算を割くべきじゃないのか。(宮畑譲、岸本拓也)

◆「維持管理コストを念頭に置き」

 「冷や水をバケツでぶっかけられた気持ちだ。上から目線でものを言われているようで大変気分が悪い」

 石川県の馳浩知事は11日の会見で不快感をあらわにした。

 不満の矛先は財務省の提言。9日の財政制度等審議会の分科会で「今後の復旧・復興にあたっては、維持管理コストを念頭に置き、住民の方々の意向を踏まえつつ、集約的なまちづくりやインフラ整備の在り方も含めて、十分な検討が必要」と打ち出した。

◆「霞が関からすれば端っこなんだろう」

 能登の被災地は復旧すら程遠い。16日現在、石川県内の1次避難所に2895人が避難している。断水も約5240戸で続く。住宅被害は一部損壊も含めると7万6930棟に上る。

 そんな中で示されたのが「コスト念頭」「集約型の復興を」という提言だ。

 「東京・霞が関の住人からすれば、能登は日本の端っこなんだろう。だから、公共投資はしないのかと愚痴りたくもなる」。憤りを隠さないのは元珠洲市議の北野進氏。「元々インフラが手薄で、復旧が進まない原因にもなっていると言える。地方の集落をさらに切り捨てるような感覚だ」

◆「非効率」だからこその地域の価値が

 さらに「海岸線や山の中など、さまざまな地域で生業を営む人が住むから、能登の自然、文化を守ることができる。財務省の提言のような形で進むのなら、能登のよさが一気になくならないか心配だ」と漏らす。

 能登の里山里海は2011年、次世代へ継承すべき伝統的な農業や生物多様性などを有する「世界農業遺産」として国連食糧農業機関(FAO)に認定された。国内で初の例だった。

 輪島塗、棚田、塩田、四季折々の祭—。地域に根差した人が長年、手をかけ守り続けてきた。能登の「遺産」は非効率さと引き換えに残されてきたと言える。

◆「統廃合を多数決で決めるの?」

 農村の景観を活かし、観光誘客に成功した例として挙げられるのが、能登町の農家民宿群「春蘭(しゅんらん)の里」。震災前は約50軒に年間約1万人の観光客を集めた。

 事務局長の多田喜一郎氏は「古民家をつぶしたら売りがなくなる。誰が観光に来るのよ。各集落が一緒になるなんて不可能や。行政的には同じうちの地域でも祭の日は別々」と語り「集約的なまちづくり」の実現可能性はないと断じる。

 「『限界集落』と言われるけど、1人でも残れば『存続集落』。日本の田舎はどこも同じ。統廃合するとして多数決で決めるの? 誰も従いません。無理にやったら暴動が起きる」

◆「住民の意向を踏まえる」と言うが…

 輪島市に実家がある元公務員の60代男性は「コスト意識が必要なのは確かだけど」と口ごもりつつ、「国がどんなイメージで進めようとしているのか分からない」と語り、「自分の生まれ育った土地に残りたい人は多い。国の案に不安な思いを抱く人も多いだろう」と推し量る。

 被災地の声に財務省はどう応えるのか。同省主計局の担当者は取材に「復旧・復興が予算の制約で躊躇(ちゅうちょ)することがないように政府を挙げて取り組むことは大前提。今後のまちづくりは住民の方の意向を踏まえて進める」と釈明した。

 財務省が示した集約型のまちづくりは、かねて「コンパクトシティー構想」として全国各地で試みられてきた。

◆「コンパクトシティー」成功例は一部だけ

 元々は欧州を中心にした都市政策で、日本では1998年に中心市街地活性化法を含む「まちづくり3法」の制定を機に推進されてきた。地方の人口減や高齢化に対応するために、都市機能や居住地域を市街地に集め、持続可能な都市を目指したが、成功例は富山市など一部に限られる。

 龍谷大の富野暉一郎名誉教授(地方自治)は「行政側からみると、集約化は合理的で魅力的に映るが、住民にとっては住む場所も集められて、生活も一変するんじゃないかという抵抗感が根強い。地域での熟議なしに、行政が要請しても、うまくいかなかった」と解説した上で「ましてや、災害を機に集約せよと上から押しつけられても、反発を招くだけでは」とみる。

 財務省は「集約的なまちづくり」を推す理由に、東日本大震災での「無駄遣い」を挙げる。国は6562億円を投じて岩手、宮城、福島の3県で地盤のかさ上げなど計1009ヘクタールを整備した。しかし、活用されたのは74%に当たる745ヘクタールにとどまり、中でも集団移転先として、高台に造成した住宅用地などは活用率は低かったという。

◆「東日本」の無駄はトップダウンが原因

 その「反省」から、人口減が見込まれる能登の被災地は集約して効率化せよ、という主張のようだが、大阪経済大の遠州尋美・元教授(地域政策)は反論を口にする。

 「東日本大震災で集団移転したのが、対象世帯の3分の2にとどまったのは、被災者が復興のあり方を主体的に熟議を尽くす条件が整わないうちに、国からトップダウンで復興像を押しつけられたからだ」

◆地域の声が反映されないスキームに

 遠州氏によると、東日本大震災のときには、巨大な防潮堤や高台などを整備する方針が、被災自治体の意向とは無関係に進められていったという。

 前出の富野氏は「復興の方向性を出していくには、被災者や自治体が地域の生活や歴史文化などを踏まえて議論していくことが一番求められている。国や県の役割は、そのための支援メニューや選択肢を提示することだ」とボトムアップの復興手順が重要と説く。

 しかし、能登の復興では既にトップダウンの絵図が描かれるとして、4月に研究者ら有志が懸念を表明する緊急アピールを出した。それによると、3月に国土交通省が示した能登の復興支援の枠組みでは「復興ビジョン」を策定する前に、地域の意向を調査する手順がないと指摘。「被災者一人一人の意向の把握とその集約を行う」よう求めた。

大阪・関西万博の会場建設が進む大阪湾の人工島・夢洲。木造の大屋根(リング)は万博のシンボルとなる=3月4日

大阪・関西万博の会場建設が進む大阪湾の人工島・夢洲。木造の大屋根(リング)は万博のシンボルとなる=3月4日

 呼びかけ人の一人である遠州氏は「被災のダメージのもとで日々暮らし、生命をつないでいる被災者の声は反映されないスキームになっている」と疑問を呈し「避難が長期化する中、被災者の当面の暮らしを保障し、同時に地域のあり方について、被災者同士が主体的に議論できる条件を整えることに覚悟と資源を費やすべきだ」と話す。

◆「万博やミサイルより地域経済再生」

 財務省が支出を抑えたいなら、「既存事業の無駄」を見直してはどうか。

 淑徳大の金子勝客員教授(財政学)は「地震被害をそっちのけで万博を優先し、ミサイルを買って防衛費を増やすことを、国民は無駄だと分かっている」と指摘し、地域経済を再生する視点で復興に向き合うべきだと説く。

 「日本の産業競争力が衰えて貿易赤字に転じた今、輸入に頼っていたエネルギーや食料を地方で作ってもらって自給するしかない。そうした視点で、能登の復興や地方に大きな投資が必要ではないか」

◆デスクメモ

 被災した人たちは不遇にも困難な立場に置かれた。だからこそ手厚く支えたい。ただ「今後どうする」の選択は人により違う。心の整理をつけ、今後を考えるまで時間を要する人も。必要なのは一人一人の選択を支える視点であり、トップダウンでコストカットをにじませる提言ではない。(榊)


国民の生活安定無く、何が「国防」!
軍事費増大をやめよ!
武器爆買いをやめよ!

家の中では苗の鉢上げ作業が本格化。
ハウスのビニールかけを明日に予定して準備作業。

園のようす。

 


「共同親権」 虐待・DV懸念のなか可決

2024年04月13日 | 生活

衆院法務委 自公立維が修正案賛成

「しんぶん赤旗」2024年4月13日

共産党は反対

 離婚後も父母双方が子どもの親権者となる「共同親権」を導入する民法改定案が、自民、公明、立民、維新4党が共同提出した修正を加え、12日の衆院法務委員会で賛成多数で可決されました。日本共産党は原案、修正案ともに反対しました。

 日本共産党の本村伸子議員は反対討論(要旨4面)で、離婚後「共同親権」の導入をめぐり、さまざまな意見があり、委員会審議では重大な懸念が浮き彫りになったと指摘。4党修正について、立民が「修正項目(案)」として提示していた「父母の双方の合意がない場合には共同親権を認めない」などが盛り込まれていないと批判し、採決に厳しく抗議しました。

 本村氏は、法案に反対する理由として、「親の子に対する権利」という認識が色濃く残る「親権」の用語のまま「共同親権」を導入することや、子どもの意見表明権が明記されていないことを指摘。裁判所によって当事者に不本意な「共同親権」が強制され、一方の親と子どもの利益が害される懸念があるなどの重大問題が解決されていないと批判しました。

 家庭裁判所の人的物的体制の増強や、養育費立替払い制度の創設など総合的な施策を本気で取り組むよう求めました。

 同改定案は、虐待やDV(配偶者などからの暴力)が継続するなどの懸念が相次いでおり、廃止を求めるオンライン署名は約15万人分(12日、午後7時時点)を超えるなど、世論が急速に広がっています。

 

「共同親権」 命脅かす危険残ったまま

DV虐待継続・加速も

 離婚後に「共同親権」を導入する民法改定案が12日の衆院法務委員会で、自民、立憲民主、日本維新の会、公明の4党の合意に基づく修正が加えられ、可決されました。審議を通じ、離婚後「共同親権」の導入がDV(配偶者などからの暴力)や虐待の継続・加速につながりかねないなど重大な懸念が浮き彫りになりました。ところが4党の修正は、こうした懸念に応えるものにはならず、命や安全を脅かす危険が残されたままです。

 立民は当初、離婚時に「父母の双方の合意がない場合には共同親権を認めない」と明記し、裁判所による「共同親権」の強制を防ぐ規定を盛り込んだ修正項目(案)を提案。離婚後に父母双方が親権者となった場合も、子の教育や居所指定を単独でできる「監護者」に父母の一方を定めることを義務付け、事実上「単独親権」に近づける仕組みも入っていました。DVや虐待などへの歯止めとなりえるもので、当事者らの懸念に一定程度応える内容でした。

 一方、日本共産党は9日、立民の修正項目を積極的に評価し▽「親権」との文言の見直し規定の追加▽あらゆる場面での「子どもの意思または心情の尊重」の明記▽家庭裁判所の体制増強の明記―などを提案しました。

 ところが、4党が11日に合意した修正案には、立民が提起した、歯止めとなりえる規定は盛り込まれず、「監護」に関する定めの重要性の広報などの規定を付則に盛り込むにとどまりました。5年をめどにした見直しや、親権者の定めが父母の真意によるかを確認する措置の検討の規定も付則に入りましたが、懸念に応えるにはあまりに不十分です。日本共産党の提案も反映されませんでした。

 日本共産党の本村伸子議員は12日の質疑で、立民の修正項目が4党の修正案に盛り込まれなかったのはなぜかとただしました。修正案提出者の立民の米山隆一議員は「わが党の要望を全てかなえるものではない」と答弁。立民の道下大樹議員も採決にあたっての討論で「立民が求めた11の修正項目案を反映したものとはいえない」と述べ、修正項目が盛り込まれなかったことを認めています

 法務委の参考人質疑では、DV被害から子どもとともに逃れて暮らす当事者が「法案には子どもたち、私たちの命がかかっている」と慎重の上にも慎重を重ねた審議を求めました。

 しかし改定案は、2日に委員会質疑が始まってから10日で採決されました。多くの懸念が残されたままであり、審議は全く不十分です。廃止を求めるオンライン署名は約15万人分(12日午後7時時点)を超え急速に広がっています。こうした声や当事者の深刻な懸念に応える徹底した審議こそ必要です。 (伊藤幸)


立民の立ち位置が理解できない。
修正項目が盛り込まれていない法案になぜ賛成するのか?
こんなことをやっているから国民の信頼を得られないのは当然のことだ。
腹が立つ・・・

20℃まであとわずか、明日は超えるかな?
沼の氷も全て溶けました。

 


経済秘密保護法案 衆院通過

2024年04月10日 | 生活

兵器共同開発へ「秘密」拡大 

共産党反対「平和主義投げ捨て」

「しんぶん赤旗」2024年4月10日

 「秘密の範囲」を経済分野に拡大する経済秘密保護法案(重要経済安保情報法案)等が9日の衆院本会議で、自民、公明、立民、維新、国民などの賛成で可決されました。日本共産党、れいわは反対しました。日本共産党の塩川鉄也議員は反対討論で、「法案は米国などの同盟国・同志国と兵器の共同開発を推進するものだ」と告発し、「憲法の平和主義を投げ捨てる暴挙に断固抗議する」と厳しく批判しました。

 塩川氏は、米国の「国家防衛産業戦略」が、多国間連携による兵器の共同開発・共同生産や維持・整備網の構築を掲げていると指摘。同法案の狙いは、岸田政権が日英伊の次期戦闘機「GCAP」、日米の極超音速兵器を迎撃する滑空段階迎撃用誘導弾「GPI」、米英豪の「AUKUS(オーカス)」との兵器の共同開発を進めようとする中で、秘密保護法の範囲外にまで「秘密の範囲」を広げ、同盟国・同志国と同等の秘密保全法制を整備することにあると告発。駐日英大使が「機密技術の共同開発には、セキュリティー・クリアランス制度が欠かせない」と述べている通りだと強調しました。

 日本の財界も、「国防省関係のビジネスで、さらなる業務獲得・円滑化のためには、クリアランスが必要」と推進しているとして、「米国などの同盟国・同志国と財界の要求に応えて兵器の共同開発・輸出を進め、日本を『死の商人国家』にしようというものだ。断じて許すわけにはいかない」と批判。米国のキャンベル国務副長官は10日の日米首脳会談で、「極めて重要な防衛装備品の共同開発・共同生産を協議する」と述べていると指摘し、「首脳会談の手土産にするために衆院を通過させようとしているのは明らかだ」と主張。「本法案に断固反対」と強調し、廃案にすることを強く求めました。

 

経済秘密保護法案 「適性評価」

広がる国民監視 公然化の恐れ

 9日の衆院本会議で採決が強行された経済秘密保護法案に、日本が「警察国家」になるとの懸念が高まっています。安全保障を口実に幅広い民間人を調査の対象にすることで、これまで秘密裏に行われてきた警察による国民監視、思想調査が公然化する恐れがあります。(佐久間亮)

調査機関を一元化

 同法案は、国の安全保障にかかわる経済情報を「重要経済安保情報」に指定し、その情報に接触できる人間のプライバシーを調べ上げて、政治信条、犯罪・懲戒歴、精神疾患、薬物使用、飲酒、借金の有無などを基準に「適性評価」して選別するもの。調査は家族や親族にまで及びます。

 政府は適性評価の対象になる民間人の規模を示していないものの、主に公務員を対象とした秘密保護法(2013年成立)だけですでに約13万人が適性評価の有資格者となっています。日本がモデルとする米国では400万人が有資格者となっており、そのうち100万人超が民間人です。

 今回の法案は適性評価の対象を企業や研究機関の労働者や研究者に拡大。経済安全保障法(22年成立)上の「特定重要物資」や「基幹インフラ事業」、5千億円の基金による「経済安全保障重要技術育成プログラム」にかかわる民間人が対象になっていくとみられています。

領域際限なく拡大

 経済安保といいさえすれば領域は際限なく拡大できるため、日本でも数万~数十万人の民間人が対象になる可能性があります。

 秘密保護法では調査と評価は対象者が所属する行政機関ごとに実施しています。今回の法案は調査権限を内閣府に原則一元化。各行政機関は、内閣府の調査結果をもとに評価だけする仕組みです。政府内では、評価後も調査結果を廃棄せず、内閣府でデータベース化することも検討していました。

権力者による悪用

 法案には、重要経済安保情報を漏えいした場合の拘禁刑や罰金刑が明記される一方、調査結果を目的外使用した場合の罰則はなく、ときの権力者による悪用を防ぐ仕組みもありません。

 本紙の取材に内閣官房の担当者は、調査は内閣府の経済安全保障推進室が担当することになると回答。現在の同室の職員数や出向元については回答を拒みましたが、22年の発足時には約50人体制で、防衛省職員も出向していたことが明らかになっています。

 

差別人事を合法化

兵器共同開発狙う

 経済界は幅広い民間人を対象とした適性評価制度がないことがデュアルユース(軍民両用)技術の国際共同開発に日本企業が参入するうえでの障壁になっていると主張します。経済秘密保護法案は、岸田文雄政権が「国策」として進める、米国を中心とした兵器の国際共同開発に向けた条件整備の柱に位置付けられているのです。

 法案が成立すると国民にどのような事態が降りかかるのか。重要な危険性の一つを示唆する先例があります。核燃料サイクル構想を担う旧動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)が茨城県東海村を舞台に起こした「旧動燃不当差別事件」です。

 国策を担う旧動燃と国と警察が一体となり、重大事故を繰り返す旧動燃の安全軽視体質を批判する労働者を監視し差別してきたことが、3月14日の水戸地裁判決で組織的な差別と認定されました。

 裁判の大きな争点となり、水戸地裁判決が「動燃において作成」されたと認めた「敵性判定表」には、監視情報の提供者が「凡例」として示されています。そこには経営側の同調者を示す「良識派」、茨城県警所轄署の「勝田署」(現ひたちなか署)、法務省の外局の「公安調査庁」、茨城県警を指す「県警」の文字が並びます。

 原告弁護団の平井哲史弁護士は「経済秘密保護法案が成立すれば、労働者に対する思想調査と差別が合法化されかねない」と指摘します。労働者の同意なく思想調査し差別したことが違法と断罪された旧動燃事件と違い、経済秘密保護法案は対象者の同意を得て調査を実施する建前になっているからです。

 「同意を拒んだ労働者を枢要業務から外しても裁量権の乱用とは言いづらくなるし、人事評価が低くなる可能性も十分あります。その不当性を裁判で争うことも難しくなるでしょう」

 適性評価のための調査には、本人が回答する「質問票」のほか、会社の上司などが回答する「調査票」があり、関係する行政機関への照会も行われます。内閣官房は本紙の取材に警察も照会先から排除されないと答えました。

面倒な社員を排除

 「旧動燃の事件を見れば、会社の『良識派』が警察に労働者の情報を渡すこともあり得るし、逆に警察が企業に情報を提供して『調査票』に書き込ませることもあるでしょう。法案の目的は秘密情報の保護でも、実際は企業にとって面倒な社員を排除するために使われることになるのではないか」(平井弁護士)

 岸田政権が軍事費2倍化にひた走り、米国を中心とした兵器の国際共同開発や武器輸出を日本の軍事産業の商機と捉える空気が充満するなか、経済秘密保護法案はモノをいう労働者や軍拡に反対する市民を抑え付ける装置として機能することになります。

 

警察権力暗躍する社会に

監視社会の問題に詳しいジャーナリストの斎藤貴男さんの話

 第2次安倍晋三政権以降、内閣官房副長官や内閣人事局長を務めた杉田和博氏、国家安全保障局長を務めた北村滋氏ら公安畑出身の警察官僚が官邸内で権力を振るってきました。経済秘密保護法案が成立すればそういう警察官僚がいっそう幅を利かせるようになる。警察権力は間違いなく肥大化します。

 法案では適性評価調査は内閣府が実施することになっていますが、内閣府にはそういう調査能力はないので、公安警察や内閣情報調査室、公安調査庁などが実務を担うことになるでしょう。

 昔から企業、特に労働組合の強い企業の労務対策には公安警察がたくさん天下っていますし、地域では交番のお巡りさんが「巡回連絡カード」を持って家庭を訪問し情報を集めています。カードの記入を拒否した人については、警察が不動産屋や新聞販売店に行って家族構成や思想傾向を調べます。

 今回の法案が通れば、これまでこそこそとやってきたことを堂々とやるようになるでしょうし、市民の中にもそれを当たり前と感じる社会的雰囲気がつくられていくでしょう。政府や企業は採用段階から適性評価に合格しそうな人間を選ぶようになる。一種のインナーサークルが世の中を支配していくことにもなるのではないかと危惧します。


いや~!
恐ろしい国になります。
今求められているのは「国民監視」ではなく、裏金議員の監視です。

良い天気になりましたが気温は10℃に届かず、冷たい風が吹きつける。
畑の雪も消えました。


つながる広がる 地域の食 農のある町 価値生む空間 市民参加で守る

2024年04月08日 | 生活

「東京新聞」2024年4月5日 

 年々縮小している都市部の生産緑地は、食べ物を生産するだけでなく、災害時の避難場所や温暖化防止、農業体験学習など、その役割が見直されている。減少を食い止めるには、農家の力だけでは難しく、市民の参加が鍵という。

 東京都日野市のJR豊田駅から徒歩10分、住宅のすぐ隣の生産緑地に、コミュニティガーデン「東平山ハチドリ農園」が開園したのは一昨年。ネギやノラボウナなどの野菜、カモミールなどのハーブ、イチゴなどさまざまな作物が植えられ、作業日の日曜午後には、会員の親子連れらが自転車で次々と訪れていた。

 農家と一緒に作物を育てて収穫するのはもちろん、生ごみを発酵させて堆肥も作る。ハーブで化粧水を作るワークショップや野菜の種の交換会も開いて楽しんでいる。この日は持ち寄った材料で豚汁を作り、おしゃべりがはずんでいた。

 「もう、ここがない暮らしは考えられません」と代表の上田綾子さん(40)は顔をほころばせた。

 ハチドリ農園は、生産緑地を守ろうと生まれた。1998年に農業基本条例を制定するなど都市農業で先駆的な同市でも生産緑地は年々減り、30年前の約8割に。農地を保全しようと2018年、農家だけでなく自然保護団体や研究者を交え市民らが協議会を発足させ、約3年がかりで「農のある暮らしづくり計画」をまとめた。計画を実行する一般社団法人も設立した。

 計画は「自然を損なわずに暮らす、知恵と営みの総体」を「農」と位置付けた。生産緑地や空き地をコミュニティガーデンとして活用し、農のある空間を増やすことも盛り込んだ。

 モデルにしたのは市内で16年前から続く「せせらぎ農園」。多い時は200世帯の生ごみを堆肥化するなどリサイクル活動に取り組む同市の佐藤美千代さん(62)らが始めた。「みんなで作り、分け合い、居場所を楽しむ地域の自治の仕組みがコミュニティガーデン」と佐藤さんは語る。

 計画策定に携わった市職員、氏家健太郎さん(38)は「ごみ減量や生物多様性、防災、コミュニティ…、農園はさまざまな価値を創出してきた」と指摘。「手付かずの生産緑地を市民と一緒に利用する選択肢を増やしたい」と話す。

◆アイデア持ち寄って

 ベジ(=ベジタブル、野菜)をハブ(=車輪の軸)にして、市民と農をつなごう-。東京都町田市では21年、「まちだベジハブ」と名付けた活動が始まった。柱は四つで、地元農産物の地域内流通と人材育成、農体験、農地の貸借。その具体的なアイデアが生まれるのが、年に数度、市民で開く意見交換会だ。

 3月初旬、会場の市役所に20人ほどが集まり、活動報告をしていた。農家や農協のほか、農家をサポートする「援農」に20年以上取り組むNPO法人、飲食店や大学生など参加者は多様だ。この意見交換会を機に、駅前でのマルシェ(市場)開催などを実現させてきた。農家の河合紀彦さん(67)も「横のつながりができた」と喜ぶ。

 農業体験をどう援農につなげるか、「ベジハブ」の今後の展開は-。生産緑地の減少速度に追いつこうと、課題に取り組んでいく。 (鈴木久美子)

<生産緑地> 市街化区域の中で、30年間保全すると決められた農地と森林。固定資産税などが宅地より安い。都市圏を中心に1992年から指定。農家の高齢化や相続税の負担などで減少している。

 2015年に都市農業振興基本法ができ、農地は宅地化すべきものから都市にあるべきものへと、大きく転換。指定終了後の宅地化が危ぶまれ、18年に貸借や10年の延長が可能に。22年が期限の9237ヘクタールのうち89%が延長した。


わたしも今借りている土地を将来も都会の人たちの「里の家」となって活用されることを望んでいる。
茨城県常陸太田市にあるという「かがくの里」のような形態が理想だが、若い力が欲しい。


今日の最高気温19℃。

いっきに桜が咲くような氣温となり、融雪は急ピッチ。

沼にはカモが初飛来。


レギュラー買ってラージ注いだ…

2024年04月07日 | 生活

コンビニコーヒー「窃盗」で懲戒免職の元公務員「犯罪者を出さない仕組みにならないか」

弁護士ドットコム 2024年04月06日

  塚田賢慎 

セルフ式のコーヒーが導入されたコンビニで、客がレギュラーサイズを購入したのに、あえてラージサイズなどを注いで逮捕される事件がこれまでに何度も報じられている。

一度の被害金額こそ数十円から100円程度だが、店側からすれば許せない行為であり、れっきとした犯罪である。

ただ、窃盗罪などに問われ、職場から懲戒処分を受けるなど、代償となるペナルティは決して小さいものではない。

九州地方の元公務員の男性も3年前に同様の行為に及び、窃盗罪で逮捕され、もっとも重い懲戒免職処分を受けた。

仕事を失い、悔やみ続けながら引きこもる生活を送ってきたが「犯罪者を出さない仕組みにならないか」と複雑な思いを取材に語った。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)

 

  • 各地で逮捕者や懲戒免職処分、小学校の校長まで

セルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額より高価なコーヒーなどのドリンクを自ら注ぎ、警察に逮捕されるような事件は近年でも各地で発生している。

福岡県のコンビニでSサイズのコーヒー(100円)を注文して、Mサイズ(150円)を注いだとして、70代の男性が窃盗の疑いで、福岡県警に現行犯逮捕された。複数回繰り返したことから店は警察に相談していた。(2022年4月)

https://www.bengo4.com/c_1009/n_14390/

兵庫県内の市立中学校長が懲戒免職処分に。コンビニでレギュラーサイズ(110円)を注文して、ラージサイズ(180円)を注ぐ行為を7回繰り返したとして、窃盗の疑いで書類送検された。教育委員会は懲戒免職処分とした。合計490円の被害で懲戒免職処分は重すぎるのではないかとして、X(エックス)でもトレンドになった。(2024年1月)

https://www.bengo4.com/c_1009/n_17132/

高い倫理観が求められる学校関係者でもやるのかと驚かれた。

  • 「冗談話がきっかけで」通勤前に立ち寄ったコンビニで現行犯逮捕された

弁護士ドットコムニュースの取材に応じたのは、熊本県内に住む・小出信哉さん(60代・仮名)だ。

役所の非常勤職員として働いていた2021年1月、出勤前に立ち寄った大手コンビニチェーンの店舗で、レギュラーサイズの料金(100円)で買ったコーヒーのカップに、ラージサイズのカフェラテ(200円)を注ぎ、現行犯逮捕された。

ガラス張りの店で、セルフのマシンは外からも目に入る。「常習者がいる」と通報を受けた警察が外で張り込んでいたのだった。

「少なくとも4〜5回やったと思います。カップに注ぎ入れ終えた時点で、店に入ってきた警察から『カフェラテを入れましたよね。これは窃盗の現行犯になります』と手錠をすぐかけられました。

犯罪とは無縁の人生だった自分がまさかと驚いた小出さんだが、差額にして100円分の「窃盗」行為への罪の意識はあった。

小出さんがこの「窃盗」を始めたのは、2020年の11月頃だという。知人が冗談混じりに「小さなカップでも、カフェラテのラージはちょうど入るらしい」と話しているのを聞いたのがきっかけと話す。

「いつも行くコンビニで試したら本当だった。それで癖になった」

  • 仕事と友人を失う…「実名報道」でネットにデジタルタトゥーも

事件の1年前に早期退職して非常勤に切り替えた。金銭的に困っているわけではない。

実名報道されたことで、知人からも連絡があり、「どうして?」と聞かれたが、明確な答えを返すのは難しかった。

10年以上前から診断されたうつ病の症状が当時ひどかったことも背景にあるかもしれない。「気の緩みかもしれない」ともいう。

さて、小出さんは店から連れて行かれた警察署で5時間ほど聴取を受け、自宅に帰った。「20回くらいやった」という逮捕時の供述が報じられているが「そこまでやっていない」と首を振る。

役所はその日から出勤停止となり、検察の不起訴処分を待たないうちに、懲戒免職処分となった。

この際も「あまりに重い処分ではないか」という意見がSNS上で目立ち、本サイトでも弁護士の見解を紹介している。

小出さんが警察の聞き取りを受けている間、家族はコンビニを訪れ、店が用意していた示談書にサインをして、15万円を支払った。

事件が原因で、離れていってしまった友人もいるという。何より仕事を無くして、インターネットには名前も残った。

家に引きこもり、愚かなことをしたと悔やみ、家族への申し訳なさを感じながら、ずっと心の中でモヤモヤを抱えているという。

  • 「やってしまった立場で厚かましいけど」それでも言いたいこと

店にもよるが、客がセルフコーヒーのマシンで押したボタンは、店側は把握できるようになっている。

「やってしまった立場で言うのは大変厚かましいが、店は私の過ちに気づいたときに注意してほしかった。そしたら不足分の金額を払っていたし、二度とやらなかった」

サイズや種類が多岐にわたる飲み物の中から、自分が買ったものではない商品まで選択できてしまう仕組みは、客の良心をベースに作られているとも言える。

「買ったもの以外は注げないような仕組みにしたり、そもそも店員さんが注いでくれるような形であれば、間違いは起きない。コンビニや経営者には、犯罪者を出さないような努力をしてもらえないかと思っている」

事件を起こす1年ほど前にも隣の福岡県で同じような事件が報道されていたが、知らなかったそうだ。

「記事を読んで、犯罪だと明確にわかっていれば、私はやらなかった」

最近でも同様の事件が定期的に報じられ続けているのを見て、いてもたってもいられなくなったという。

「しっかり考えて、後から後悔しないように、小さいことと思っても後から大変なことになる」

「これからずっと先、私は『悪い先祖』として一族の間で知られていくのではないかな」と不安な気持ちになることもあるそうだ。

  • 「惨めな思いをして生きていくのではなく社会に恩返し」仕事復帰が叶った

この春から、小出さんは就労支援センターを通じて仕事を始めた。元同僚が声をかけてくれたという。1日数時間、週3日から始めて、心身に負担にならないようにする。

「こんな変なことをして、惨めな思いして生きていって良いのかと思って、社会に恩返ししたくなった」

「家で飲むのとそんなに味は変わらない」と話す

小出さんは取材をきっかけに、敬遠していたコンビニのセルフコーヒーを久しぶりに飲んだ。「家で飲むのとそんなに味は変わらない」。この3年でコーヒーのレギュラーが20円、カフェラテのラージは50円値上げされていることに驚いていた。


昨日の記事「排除」もそうだが、「人間」小さくなったもんだ!
「つい、うっかり」ということもあるので、知っているのと知らなかったのでは違うだろう。
踏切前に隠れて「一旦停止」違反を取り締まるポリスみたいだ。

それにしても自民党裏金事件とは雲泥の差であることは確かだ。


“孫育て休暇”祖父母が家事育児を応援するための制度が増加中!

2024年04月05日 | 生活

「女性自身」2024/04/05 

  荻原博子

「女性自身」2024年4月9日号

いち早く制度化したのは宮城県です。2023年1月から、孫の誕生から2週間の間に「出産補助休暇」として2日間、1歳までに「育児参加休暇」として5日間、有給で休めます。

もともとは父親である男性職員向けの制度を、対象を祖父母に広げ「孫休暇」としました。 2023年2月から導入したのは福島県郡山市です。孫の誕生から3週間の間に3日間、1歳までに5日間取得できます。制度開始から1年間で45人が取得し「娘家族をサポートできた」などと喜ぶ声があったといいます。

2024年4月からは、神奈川県や岡山市でも導入が決まっています。岡山市では、誕生前後の3日間や1歳までの5日間に加え、孫の病気看護のため6歳までに年5日間、有給で休めます。さらに遠方で暮らすケースなど、3歳まで通算で6カ月間、無給ですが長期休暇が取れるなど、支援を拡大しました。

自治体で孫育て休暇が増えるのは、定年年齢の引き上げが一因です。公務員は2023年度から2年ごとに定年年齢を1歳ずつ遅らせて、10年後の2032年度には65歳定年になります。65歳まで勤めると、在職中に孫の誕生を迎える方が増えるでしょう。

岡山市の大森雅夫市長は導入の理由を「孫の育児支援のため離職する職員もいた。育児環境の整備とともに、優秀な職員を引き留めるため」と語っています。

北斗晶さんも「おばあちゃん休暇」としてタレント活動休止 いっぽう、民間企業ではもっと早く、2006年に「孫誕生休暇」を第一生命保険が導入しました。孫誕生の際に3日間特別有給休暇が取得でき、通常の有休や土日を含めて9日間連続で休める制度は、当時画期的でした。

その後、2015年4月から東邦銀行の「イクまご休暇」、2016年4月から精米機器メーカー、サタケの「イクじい・イクばあ休暇」など、さまざまな形で広がっています。

また、2023年7月から、元女子プロレスラーの北斗晶さんが1カ月半「おばあちゃん休暇=おば休」と称してタレント活動を休んだことも話題になりました。孫の育児支援のための休業が浸透するきっかけになると思います。

保育所に入れない待機児童は2千680人(2023年4月時点、こども家庭庁)。国は、ピーク時の10分の1に減少したと胸を張ります。

ですが、希望する園には入れず自宅から遠い園に通っている、きょうだいが別々の園に通っているなど、育児世代にガマンを強いる実情はまだ残っています。

ヘルスケア関連企業、カラダノートによる2023年5月の調査では、日々の家事育児を「ワンオペ」と答えた母親がなんと94%

父親の家事や育児参加はもちろん重要ですが、“子どもは社会の宝”。祖父母も、もっといえば近隣住民としても、支援したい。 孫育て休暇が広がって利用者が増え、“社会で育児”が当たり前の国になってほしいと思います。

「女性自身」2024年4月9日号


まずは公務員や大手企業などからだろうが、全体に広がってほしい制度だと思う。私も親父には保育園に迎えに行ってもらったり、熱を出したときに預かってもらったりと、色々とやってもらって今も感謝している。
わたしの孫は遠く離れているのであまり役に立ってはいない。
せいぜい心ばかしの「合格祝い」を渡し、焼き肉をともにするぐらいしかできていない。その分娘がよく頑張ったと思う。