全面、PC画面だけで展開する新感覚スリラー。
これまでホラーではあったけど、全てがPC画面のみを見せながら進むというストーリー展開は
なかなか画期的で、サンダンス映画祭などで観客賞受賞
北米では当初、たったの9館での上映。
そこから小規模上映ながらスマッシュヒットを記録、一気に全米に拡大公開され、Rotten Tomatoesでは90%超の支持
突然いなくなった娘の行方を捜し解明すべく、インスタ、ツイッター、Facebook、FaceTime、Redditなどのあらゆるサービスや
SNSを父親自らが駆使し、警察と連動しながら犯人を見つけ出そうとする。
PCをずっと映すのみでどうやって話を展開していくのかが興味深く、犯人は誰という
純粋なミステリーとして惹きつけられる102分
父親、デヴィッドには「スタートレック」シリーズなどの韓国人俳優、ジョン・チョー。
画面を見てるシーンは常にこんな顔で、ちょっと可哀想だけど 笑
監督&脚本は、インド系アメリカ人、27歳の新鋭アニーシュ・チャガンティ。
もともと、同じくインド系のシャマラン(Mナイトシャマラン)監督に憧れて
学生時代から短編を撮っていて、グーグル社に入ったあと、退社。やりたかった映画製作の世界に飛び込んだという。
共同で脚本に、「フルートベール駅で」でプロデュースに携わったセヴ・オハニアン。
妻に先立たれ、女子高生の娘マーゴットと2人暮らしのデビッド。ある日、勉強会に行ったはずのマーゴットが行方不明なことに気づく。警察に失踪届を出したデビッドは、担当刑事のヴィックとともに、マーゴットのパソコンにログインし、彼女の手がかりを求めてSNSを探り始める。するとそこには、デビッドの知らないもう一人のマーゴットの姿があった。動揺しつつも、さらにマーゴットのSNSを探っていくデビッドだったが….。
マーゴットは家出なのか?誘拐なのか?
何か特別な理由で姿を消したのか?
8/10(80点)
斬新な手法で魅せる、新しいスリラー。
何でもネットで調べられる便利な時代。
それによって、個人情報が晒される危険や間違った情報が溢れかえっていたり、
個々が発信する様々な意見や交流の足跡、あらゆるものが錯綜していて選択にも困ってしまう。
ストーリーはシンプルながらも、次々とPC上に現れる様々なサーチ法。
SNSやあらゆるところにアクセスし、まさにサーチ(調べ)ながら突き止めようと必死の父親。
テンポも良く、インターネットやSNSを日々使いこなすわたしたちでも「あるある」と思えるような場面があったり
それにしても、PCで映像が全て進行するから見るからに低予算でお金かかってなさそうでアイディア勝負で撮ってるのかな
なんて思いきや、みているとすごく細かく動画を撮ってupしてたり、細かい画面の短い映像なんかも必要なんだな
と分かるほどに実は大変そうで
実際に監督はインタビューで、
PC画面はこんなに情報があるのかと驚きました。実はこの映画の脚本は、一般の映画の20倍くらいの分量なんです。物語の進行、人物の台詞や行動の他、カーソルの動きの指定やSNSのステータス、メールの件名やファイル名、右上の時刻やアプリの通知など、全て書き込んだらそれぐらいの量になってしまったんです。映画に映る全ての情報をゼロから映画のために作成したんです。現代人の日常で触れる情報量はあまりにも膨大ですね。
と語っている。
劇中、犯人がわかったかな、と思わせながら二転三転するっていうのは王道だけどなんだか久々に観た気がしたな。
え?こいつが犯人?だったらちょっと、、、、って思いながら
いやまて、まだ先がー。という感じでグイグイ引っ張っていく感じ。
犯人は意外すぎた 笑
そしてラストショットまで完璧なPCの画面上だけで話がきっちり完結するというセンス&スリラー映画としての秀逸さに
エンドロールの最後までしっかりと見届けたくなるような作品(エンドロール後にオマケあるわけじゃないけどね)
SEARCHING 2018年 アメリカ 102min
10月26日より、ロードショー