郷が杜備忘録

旅行や読書と日々の行動の記録。
日常のできごとや思い出の写真が中心。 たまに旅行の記事も投稿します!

八州廻り桑山十兵衛(佐藤雅美著)

2020-09-27 | 読書・佐藤雅美著

好きな作家、佐藤雅美(まさよし)さんの作品である。

この作者のシリーズものを読むのは初めてだったが、読み始めて引き込まれた。

「八州廻り」というのは、正式には「関東取締役出役(しゅつやく)」といい、関八州の悪党者を取り締まる

役人の通称である。

主人公「桑山十兵衛」は男やもめで、事件を追って諸国奔走の日々を送る。

これまでの時代物の主人公は、奉行や同心など江戸市中の役人が多かったし、舞台も江戸の町の周辺というのが

おおよそであったが、この主人公は関八州が舞台なので、上州、野州、常州、武州、下総などを回って悪党者を

とらえるのが仕事である。江戸にもどると勘定奉行の配下となる。

 

この小説を読んでいて、江戸時代の諸国の領地の管理や今で言う警察権や裁判権についての話が、よくわかったので

その辺にも興味が持てた。

なかでも悪党者が有宿か無宿かでその取扱いが違う。よく時代劇で「無宿」とか「無宿人○○」ということがそれである。

江戸時代、事件が起きると犯人の人別帳が村にあると名主や親兄弟、親戚、村役人なども責めや咎を受ける。人別帳の

下に札をつけると「札付き」となる。これは要注意人物ということである。この人別帳の帳外になると「無宿」になる。

当時は、親兄弟、親戚、村役人が難儀をかけられるのを厭い、悪事を働きそうなものを先手を打って「無宿」にする

ことがあったという。「無宿」は江戸に送られ、江戸で調べを受けるという。

 

この巻は、確か7巻あるうちの始まりなので、桑山十兵衛の身の内や仕事の内容の説明などが多い。

今回の8話のうち、最後の話「霜柱の立つ朝」では、娘の八重を生んだ連れ合いの瑞江の密通相手を探して、

とんだ失敗をしてしまうという話もあった。

八州巡りの関八州巡回の旅の様子や地方の庶民や悪党者の様子など、現代とも通じる部分もあるので、これからも

続きを楽しんで読んでいきたい。

 

 

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「名著講義」(藤原正彦著)を読む②

2020-09-24 | 読書

先の6作品の続きである。

7.内村鑑三「代表的日本人」(明治27年)

8.無着成恭編「山びこ学校」(昭和26年)

9.宮本常一「忘れられた日本人」(昭和35年)

10.キャサリン‣サンソム「東京に暮す」(昭和12年)

11.福沢諭吉「福翁自伝」(明治32年)

12.藤原正彦「若き数学者のアメリカ」から「孤愁」へ

 

これら6編のうち、内村鑑三の「代表的日本人」は、童門冬二さんの本で読んでいた。

そして、無着成恭編「山びこ学校」も宮本常一さんの作品も、福沢諭吉「福翁自伝」も知ってはいた。

キャサリン・サンソムさんの作品は初めて知ったので、読んでみたい。

ただこの作品は岩波文庫から探すのも難しそうである。

 

以上のうち、無着成恭編「山びこ学校」は綴り方教室の本で、作文の書き方を教えた本と思っていただけで、

子供たちが書いた内容やその子供たちの境遇などはとんと頭になかった。

まして、その舞台となった場所が上山(かみのやま)であることもしらなかった。

上山は何度か温泉にも城跡にも周辺の観光地にも行ったことがあった。

最近では以前の職場の友人の出身が上山で、よく当地の柿やぶどうをごちそうにもなっていた。

説明の中にもあったが、生活綴方運動を推進した方々がマルクス主義者であったことが、読書界では若干嫌われたようではあるが、

身近な生活の中から、物事をとらえ、考えを深めることはいいことではないかと、私には思われた。

それにしても、当時の村の生活は大変だったと思う。それに比べれば現在はすばらしい生活環境であると思うのだが、

それでもいろんな不幸があることは、日々のニュースなどを見ても悲しいことである。

 

最後の、藤原氏の著作についての自身での説明を読むと、父新田次郎、母藤原ていとの小さな時の生活や、

父や母からのことばかけやその生涯から藤原氏はいろいろ学びながら、数学の研究や文学の執筆など

幅広い活動と、海外での留学生活などをしており、父や母、友人や親せきなどいろんな方の応援があって、

今に至っていると思うとうらやましいばかりであった。

私自身も子供や孫のために何か役に立つことをしてあげたいと思った次第である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「あたらしもみじ」を食べました。

2020-09-23 | 日記

先の連休のとき、息子が広島から帰ってきた。奥さんの実家にいる赤ちゃんに会いに来た。

お土産に「あたらしもみじ」というお菓子を持ってきてくれた。

広島と言えば「もみじ饅頭」が有名であるが、もちろん何度も食べたことがあるし、おいしいお菓子である。

この「あたらしもみじ」は、もみじ饅頭のにしき堂とベーカリーのアンデルセンがコラボして作った商品の

ようである。

かたちはもみじ饅頭のようであるが、なかに入っている餡が、あんこではなく、

瀬戸内のおいしい素材がいろいろ入っている。

種類は、「瀬戸の藻塩ショコラ」、「瀬戸の柑橘フロマージュ」、「大崎上島のレモン」の3種類があった。

もう一つのフロマージュは食べてしまって写真がない。

 

あんこ入りとは一味違ったおいしさがあった。

若い人向けには、いい商品だと思った。

また食べたくなったので、次も買ってきてもらおう。

 

 

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ジパング倶楽部7月号

2020-09-22 | 雑誌

「ジパング倶楽部」という冊子は、JR東日本の大人の休日倶楽部・ジパングの会員誌である。

7月号の記事に、「ジパング倶楽部会員が選ぶ日本の観光地ランキング20」というのがあった。

会員証はあるがまだ使っていない。

9月には「大人の休日パス」というお得なきっぷがあるのに、これも使っていない。

新型コロナウイルス感染症が発生したために、広域移動を自粛しているためである。

仕方がないので、自宅で冊子を見て昔を懐かしんでいた。

 

ランキングは、6カテゴリーに分かれて集計してあった。

「絶景」「温泉」「町」「食(グルメ)」「鉄道路線」「神社仏閣」であった。

 

「絶景ランキング」では、1位富士山、2位立山・黒部、3位上高地であった。

私は仕事柄いろんなところに出かけていたので、おおよそのところは行ったことがある。

ただ富士山は、いろんな方向から眺めるが登ったことはない。登山は好きであったが、

富士山にはあまり登ろうという気が起こらなかった。独立峰で、急傾斜で怖いイメージばかりがあった。

私には富士山は眺めるほうが好きなところである。今後行けたら西伊豆方面から、温泉に入りながら

眺められたらいいなというのが憧れである。

 

立山・黒部には、いい思い出がある。

定年退職した記念に、夫婦で立山黒部アルペンルートを、富山から長野へ抜けたことがあった。

天気も良くいい旅行ができた。

 

上高地は、独身時代に槍ヶ岳に登った帰りに寄った。富山側から登り、上高地に降りたのである。

梓川のつり橋のところで、途中で一緒になった九州からの方々と撮った写真が懐かしい。

妻に話すと連れて行ってほしいと言われているので、これも今後の旅行候補地である。

 

以下、ランキングは北海道、松島、東尋坊、函館、日本アルプス、奥入瀬、瀬戸内と続く。

6位に東尋坊が単独で入っているのが、わたくし的には不思議な感じがする。

福井県というと東尋坊になるのだろうか。

確かに、宮城県では松島が単独で選ばれているが、これは日本三景であるからもあるだろう。

この後のランクに、天橋立や宮島があるからそれは納得がいくような気がする。

 

東尋坊には学生時代に、金沢、永平寺に行った時に寄ってきた。

当時,「らっきょうの花」というテレビドラマがあり、酒井和歌子さん憧れていたからである。

 

今一番行ってみたいのは、瀬戸内である。

瀬戸内も広いが、広島県の鞆の浦、尾道、竹原、しまなみ海道方面である。

息子が広島に転勤したので、これを機会に旅行を計画したいと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「名著講義」(藤原正彦著)を読む①

2020-09-15 | 読書

文春文庫、藤原正彦氏著の「名著講義」を読んでいる。

この本はお茶の水女子大学ででの読書ゼミの講義録ということである。

講師が選んだ文庫本を読ませて、ディスカッションするというものである。

 

その内容の内訳は、

1.新渡戸稲造「武士道」(明治32年)

2.内村鑑三「余は如何にして基督信徒となりし乎」(明治28年)

3.福沢諭吉「学問のすゝめ」(明治5年)

4.日本戦没学生記念会編「新版 きけわだつみのこえ」(昭和24年)

5.渡辺京二「逝きし世の面影」(平成10年)

6.山川菊栄「武家の女性」(昭和18年)

この後に6作品がある。それは次に譲るとして、

上記のうち、最初の3作品は全部は読んでいないが、本は買ってある。

4、5番目の作品は、名前は知っていたが、読んだことはなかった。

6番目の作品は、山川菊栄さんの名前は聞いたことがあったが、このような作品があることを知らなかった。

 

藤原氏の講義では、女子学生の感想を聞き、先生が説明してくれる。

平成の世の女子学生にこれらの作品が理解できるのかと思ってしまうが、皆さんよく読んできて、

それなりに現代と比べながら話し合いをしており、よい経験をしただろうと思う。

私も今までこのような著作を読むことが少なかったので、参考になった。

それで、昨日古本屋に行った時、覚えていて「武家の女性」を買ってきたわけである。

「逝きし世の面影」も買って読んでみたい。

 

7作目以降については、次の機会に書いていく。

 

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