経済界、森会長辞任「やむなし」 五輪スポンサー企業から批判やまず
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の辞任報道を受け、経済界には「やむを得ない」といった雰囲気が広がっている。スポンサー企業からは森氏の女性蔑視ともとれる発言に批判や苦言が相次いでいたからだ。消費者や国際世論の厳しい反応がこれ以上に拡大すれば、企業イメージの低下につながりかねない。日増しに強まっていった企業の批判的な姿勢が、辞任に少なからず影響した可能性がある。
スポンサーに名を連ねるトヨタ自動車は10日、森氏の発言に対し「トヨタが大切にしてきた価値観と異なり、誠に遺憾だ」との豊田章男社長のコメントを発表していた。
豊田氏は「スポーツを通じた平和で差別のない社会」や「全ての人が参加できる社会」の実現という五輪の精神に共感してスポンサーになったと説明。森氏の発言はそれらに反していると指摘した。
そのほか、ENEOSホールディングスの田中聡一郎常務執行役員も同日の決算会見で「当社グループの行動基準に定めている人権尊重の観点からも極めて遺憾で、残念」と苦言を呈していた。JR東日本の深沢祐二社長は9日の記者会見で、「非常に不適切と考えている」と強調した。