この日夕、菅義偉首相は田村憲久厚生労働相や西村康稔経済再生担当相ら関係閣僚を官邸に呼び、急きょ協議を持った。終了後、記者団の取材に応じ「デルタ株の割合も急速に増加しており、(25日までの)4連休の人出も含めて分析していくことにした」。警戒感を強調したものの、特段新たな対策の打ち出しはなく、国民向けのメッセージも従来の域を出なかった。
(4連休中の)検査結果が上乗せされ、実態以上の数字になっただけ」「無料のPCR検査を受けた人が膨れ上がった結果だ」… 専門家が警告していた「五輪期間中に3千人もあり得る」の予測が眼前に立ち現れつつある事態にも、政府、与党内は必死に平静を装う。首相も周囲に「(感染者が2万人台の)英国に比べたら、日本はましだ」と強気な姿勢を崩していないという。五輪の成功に向け、国内の動揺を抑えたい思惑が透ける。
それでも、「第5波」の勢いは過去の「波」とは様相が全く違う。 東京都でワクチンを2回接種した65歳以上は20日時点で60・7%に上り、27日の新規感染者2848人のうち、重症化や死亡のリスクが高いとされる70歳以上の割合は2%にとどまる。感染症の専門家は「ワクチンの一定の進展など防疫のプラス条件を簡単に覆してしまうほどの急拡大」に危機感を隠さない。都の重症者用の病床使用率は上昇し、26日時点で6割に迫っている。 6月21日からまん延防止等重点措置を適用し、今月12日には先手を打って緊急事態宣言に切り替えていたはずの東京をさいなんでいるのは、デルタ株の存在だ。都によると、12~18日の新規感染者に占めるデルタ株の割合は33・7%で、既に6割に達したと解析する専門家もいる。
首相は27日、「重症化リスクを7割減らす(とされる)新たな治療薬について、これから徹底して使用していく」と話し、安全安心の醸成に努めたが、現実には八方ふさがりと言える。酒類の提供停止要請を巡る一連の不手際で政治の信用も傷つき、リスクコミュニケーションもままならない状況だ。 無観客となった五輪を自宅でテレビ観戦する人々が増えている影響なのか、都内の駅や繁華街の人出はやや減少しているようにも見える。ただ、五輪の盛り上がりに加えて夏休みシーズンも本格化し、人の流れを抑制できるかは予断を許さない。8月初旬に「第5波」のピークが来ると予測していた専門家の間では「東京から感染が染み出していく地方も含め、もう一段強い措置を早めに打たないと手遅れになる」が共通認識になっている。 (河合仁志、前田倫之)
新型コロナウイルスの感染で、札幌市が28日発表する新規感染者数は、140人前後の見通しです。
感染傾向の一つの目安となる前週同曜日(21日水曜日77人)と比較すると、60人以上増える見通しです。
札幌五輪日程 (大丈夫か?)
8月5日(木曜日) | 競歩20km男子 | NHK総合 | 16時20分から18時00分 |
8月6日(金曜日) | 競歩50km男子 |
テレビ朝日・BS朝日 NHKBS1 |
5時30分から10時00分 5時25分から9時50分 |
8月6日(金曜日) | 競歩20km女子 | NHKBS1 | 16時25分から18時10分 |
8月7日(土曜日) | マラソン女子 | 日本テレビ | 6時30分から10時15分 |
8月8日(日曜日) | マラソン男子 | NHK総合 | 6時45分から9時30分 |