「日本だけだ。抽象的精神力というものを重視するのは。物量や発明も精神力であることに気づかずに。蘇峰の如き議論がドン・キホーテの最たるもの。彼は全く科学的考え方はない。」 清沢洌『暗黒日記』45年1月12日
(参考)(管理人)
徳富蘇峰は、単なるお話に過ぎない「建国神話」を、頭から歴史的事実として信じていたので、戦後、考えを変えた人たちのことを、客観的にとらえることができなかったのではないかと想像します。
ただ、彼の主張が重要なのは、”米英撃滅”や”古事記一点張り”や”戦争一本建て”の思想を持って、”最も年齢の若き者、最も地位の低き者を 十二分に、若くは十五分に煽り立て、死地に就かしめ”た戦争の指導者たちが、自らの問題になると簡単に考えを変え、”豹変”したという事実を語っていることです
「社会が平和的な方向に向かうとすれば、女性がイニシアティブを握るしかないだろうと思っています。女性がもっと力をもって社会の動きそのものの方向性を決めるようになると、今とはまったく違う社会になるのではないかと思います」 http://mizu.gr.jp/images/main/fudoki/people/058_furuich/058-furuichi.pdf
①この8年で、国会は国権の最高機関という名目とは裏腹に、嘘まみれの自民党政権のやりたい放題の場に成り下がった。本来ならば、与野党の壁を越え、国会が自らの調査権限を行使して行政府の襟を正し、犯罪が疑われる事実は司法の問題に帰着させる。それが政治腐敗を防ぐための国会のあるべき姿。
②このため、憲法62条は、衆参両院に国政調査権を認めており、証人喚問だけでなく、関係省庁への書類提出要求や説明聴取等が可能。しかし、委員会で過半数の賛同を得る必要があり、そうなると野党が国政調査権を行使することはまず不可能。このことが、政府の答弁を無責任なものにしている。
③そこで、これを補完する意味合いでできたのが、衆議院の「予備的調査」。40人以上の議員の要請により委員会を通じて官公庁に対して資料提出など必要な協力を求めることができる仕組み。最近では、これがうまく活用され、森友学園問題の公文書改ざん問題に関する調査を実施、一定の成果を上げている。
④だが、この予備的調査にも限界がある。国政調査権は、証人の出頭、書類提出義務等強制力を伴う様々な手法が用意されている。一方、予備的調査の資料提出要請、関係者からの事情聴取等は、相手方の任意の協力に期待するという範囲のもの。実際に政府の協力が得られないケースもあった。
⑤したがって、この予備的調査の権能の強化が不可欠。現在の40人以上の議員の要請という枠組みについて、議員数のハードルを高くしてでも、官公庁に対し資料提出等を強制できるようにし、違反に対する罰則も設ける必要がある。そうすれば、閣僚や官僚の虚偽答弁や資料の隠蔽・改ざんも防げるはず。
⑥とにかく国会で安易に嘘をつけない土壌をつくることが大事。虚偽答弁ばかりで、嘘がばれたら「記憶違いでした」でおしまいはダメ。これでは国会がますます形骸化、やがて、「意味がないから国会なんて開く必要はない」となり、議会制民主主義は崩壊する。国会による行政監視の制度拡充は時代的要請。
⑦国会による行政監視の実質化とともに、国会審議の実質化もまた重要。国会論戦を実りあるものにするために、政治家同士が、大所高所から政策を議論することを基本とすべき。まず、政府参考人に頼った答弁は禁止する。政策論議を堂々と行い、細かな数字などは後日省庁に確認すればよいだけ。
⑧そして、有名無実となってしまった党首討論、クエスチョンタイムの復活も必要である。イギリスでは、1週間に1回、党首討論が行われ、生中継されている。政治家同士による自由闊達な骨太の政策論議が行われれば、立法府に対する国民の理解関心も深まり、選挙の投票率も上がると考えられる。
⑨小選挙区制度による衆院総選挙が実施されてから4半世紀、国会開設を謳った自由民権運動からもうすぐ150年を迎えようとしている。この間、世界の政治情勢も大きく変わり、民主主義に対する「揺らぎ」が散見される。一強多弱政治が続く日本でも、国会の在り方について改めて考える時が来ている。