烏賀陽1)何度でも繰り返し強調しますが海洋排水される「ALPS水」を「トリチウム水」とイコールだと考えてはなりません。絶対に騙されないでください。 セシウム、ストロンチウム、コバルトなど核種は様々残存しています。政府は「飲んでも大丈夫」と言っている。「環境に放出しても大丈夫」ではありません。
烏賀陽2)プロパガンダの第一の法則は、人類を「われわれ」と「彼ら」に二分することです。そして「われわれ」を「被害者」と定義づけます。
「風評被害」は「被害」というくらいですから「加害者」がいるという前提です。
ALPS水の場合は政府の決定に意義を唱える者、疑問を挟む者、都合の悪い事実を提示する者は「風評を加害する者」という「被害・加害」の構図に持ち込みます。 この前提にあるのは「政府の基準や決定は正しい」であることは言を待ちません。
烏賀陽3)気の毒なことに、1990年代半ば以降、日本の企業は海外への派遣留学生や駐在員を大幅に削減した(私は自費留学だが)。それ以来約30年、つまり現在の50歳ぐらいまでの世代、特に記者など言論人は異文化でもまれた経験がほとんどない。だから発想が日本ムラ内部で終わってしまう。国際感覚がないのだ。
烏賀陽4)
「トリチウムは生物濃縮しない」も典型的な日本政府のディスインフォメーションです。 トリチウム水(HTO)は挙動は水(H2O)とまったく同じですから、オシッコとして排泄されるに決まっています。 海洋放出が危険なのは、トリチウムが環境中で何と結合してどんな化合物に変化するのかわからないからなのです。これは環境ホルモンが先例として有名です。 だから「予防原則」が生まれたのです。 https://fukushima-updates.reconstruction.go.jp/faq/fk_300.html
環境ホルモンについて知らない人はこれを読んでください。環境ホルモンが怖いのは「人間や動物に有害であるという結果はわかっているが、環境に放出された物質がどういう作用でそんな物質に変化したのかよくわからない」点なのです。 https://naro.affrc.go.jp/archive/niaes/topics/envchemi/edc.html…
環境(海洋、大気、地中含め)は人間にとっては巨大なブラックボックスで、未知の部分のほうが多いのです。CO₂や環境ホルモンで巨大な被害を受け教訓を学んだからこそ、安全の保証できない物質を放出してはならないという予防原則が生まれた。ALPS水排水はこれに逆行しています。
✖「中国による輸入禁止措置が佐渡のあの水産物にも大きな影響を与えています」
〇「東電による汚染水海洋廃棄が佐渡のあの水産物にも大きな影響を与えています」 佐渡のナマコ取引がすべてストップ 約2億匹の先行きは 中国の輸入禁止で影響広がる 《新潟》
"議論再燃。「処理水海洋放出」は何がまずいのか? 科学的ファクトに基づき論点を整理する | ハーバー・ビジネス・オンライン | ページ 2" https://hbol.jp/pc/202689/2/