【AFP=時事】デンマーク王室は28日、女王マルグレーテ2世(82)が4人の孫から王子、王女の称号を剥奪すると発表した。マルグレーテ2世は欧州の存命の君主では在位期間が最長で唯一の女王。8人の孫がいる。
王室は理由として、女王の次男で王位継承順位第6位のヨアキム王子(53)の4人の子が普通の生活を送れるようにすること、欧州の他の国に倣った王室のスリム化を挙げている。
王室は「ヨアキム王子の子孫は2023年1月1日以降、モンペザ伯爵およびモンペザ伯爵夫人の称号のみ使用を許され、デンマーク王子および王女の称号はなくなる」としている。
さらに今回の決定について「女王は、4人の孫がデンマーク王室に正式に所属することに伴う特別な配慮や義務に縛られることなく、自己形成していくためのより広範な枠組みを設けたいと考えている」として、「近年、他国の王室がさまざまな方法で進めている同様の方針変更に倣ったもの」だと付け加えている。
ヨアキム王子には最初の妻、アレクサンドラ伯爵夫人との間にもうけたニコライ王子、フェリックス王子、現在の妻との間にもうけたヘンリック王子、アテナ王女の4人の子がおり、上は23歳から下は10歳までとなっている。
アレクサンドラ伯爵夫人は現地紙BTに対し、今回の決定に「ショックを受けた」とコメント。「青天のへきれきだ。子どもたちは疎外感を抱いている。なぜ自分のアイデンティティーが奪われるのかを理解できていない」とした。
女王の長男、フレデリック皇太子(54)の4人の子どもは王子、王女の称号を保持するが、2016年の決定で、成年になってから領地を得るのは将来国王となるクリスチャン王子のみとなっている。(c)AFP
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