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国際ニュース ガザ停戦発効  イスラエル ガザ レバノン (シリア)  2025/1/22

2025年01月22日 21時19分44秒 | 中東
ガザ中部で、戦争で破壊された家屋や建物のがれきのそばを歩く人々。左膝から下を失い、松葉づえを使って歩く子供もいる

画像提供,Reuters

画像説明,ガザ中部で、戦争で破壊された家屋や建物のがれきのそばを歩く人々。左膝から下を失い、松葉づえを使って歩く子供の姿もある
(管理人:個人的記録のために全文コピペさせていただいております)

ジョエル・ガンター(エルサレム)

パレスチナ・ガザ地区で、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意が発効して丸1日が過ぎた20日、救助隊や市民は、破壊規模の大きさに直面していた。

ハマスが運営する、ガザの主要な緊急対応サービスである民間防衛隊によると、広範囲におよぶがれきの下に、1万人以上の遺体が埋まったままになっている恐れがある。

民間防衛隊のマフムード・バサル報道官はBBCに対し、100日以内に遺体を収容したいと考えているものの、ブルドーザーやそのほかの不可欠な機材が不足しているため、それよりも時間がかかる可能性が高いと語った。

 

19日の停戦開始後に撮影されたガザの複数の画像は、特にガザ北部の、15カ月におよぶイスラエルの攻撃で破壊された光景を映し出していた。

国連は先に、ガザ全域で建造物の60%が損傷また破壊されていると推定していた。

19日に停戦が始まると、ガザで聞こえていた爆撃音は停戦を祝う声へと変わった。それでも、ガザ各地で人々が直面している現実が、絶望的なものであることに変わりはない。

国連の世界食糧計画(WFP)によると、この戦争で200万人以上のガザ市民が家を失い、収入もなく、生き延びるために食料援助に完全に依存している。

停戦直後から、ガザへの援助物資の搬入が始まった。国連は、19日中にガザへ入ったトラックは少なくとも630台に上るとしている。1日あたりの台数としては、2023年10月の開戦以降で最多だった。

ガザ南部ハンユニスの破壊状況を捉えた画像。イスラエル軍撤退後に撮影

画像提供,EPA

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国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のサム・ローズ所長代理は、こうした援助物資の供給は、ガザを復活させるという挑戦の始まりに過ぎないと述べた。

「我々はただ、食料や衣料、建物、道路、インフラの話をしているのではない。再建を必要とする個人や家族、コミュニティーがいるんだ」

「彼らはトラウマや苦しみ、喪失、悲しみ、屈辱を経験し、この16カ月間、残酷なものに耐えてきた。これからの道のりは非常に、非常に長いものになるだろう」

人質の家族、全員の返還を訴え

イスラエル・テルアヴィヴでは20日夜、ハマスとの最初の交換で解放された人質3人の家族が記者会見を開いた。イスラエルとイギリスの二重国籍を持つエミリー・ダマリさん(28)の母マンディ・ダマリさんは、2023年10月7日のハマスの攻撃でエミリーさんが指2本を失ったものの、娘は「元気」で「回復に向かっている」と述べた。

ロミ・ゴーネン(24)さんの母メイラヴ・レシェム・ゴーネンさんは、「私たちはロミを取り戻しました。ですが、生存していたとしても、死亡していたとしても、すべての(人質の)家族が、同じ結果(人質の返還)を受けるに値します。私たちの思いは、ほかの家族と共にあります」と述べた。

記者会見に先立ち、イスラエル当局は、ハマスの人質だったダマリさん、ゴーネンさん、ドロン・スタインブレチャーさん(31)が、19日にガザから連れ出された直後に、母親たちと涙ながらに再会した際の映像を公開した。

停戦合意の第1段階が維持されれば、今後40日間でさらに30人の人質がガザから解放される。その見返りとして、約1800人のパレスチナ人が、イスラエルの刑務所から釈放される。

停戦後も救助要請続く

ガザ南部ラファを歩く国内避難民のパレスチナ人(20日)

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パレスチナの保健当局は、15カ月以上続く戦争で、ガザでは4万6900人以上が殺害され、11万700人以上が負傷したと推定している。これらの人数は、民間人と戦闘員を区別していないが、死者の大半は女性と子供だとしている。国連もこの主張を支持している。

イギリスの研究チームが主導したこの調査は、ガザ保健省のデータが、実際の死者数より41%少ない可能性を示唆している。

ガザの民間防衛隊は20日の声明で、この紛争で同隊のメンバーの48%が死亡か負傷、あるいは拘束され、車両の85%と、21施設のうち17施設が損傷または破壊されたとした。

停戦により、空爆のリスクはなくなったものの、現地に残る民間防衛隊にとっては過酷な仕事が続いている。20日に、ガザ北部で活動する同隊のメンバーがBBCに公開した複数画像には、死亡した赤ちゃんや、状態の悪い遺体の収容など、悲惨な作業を行う様子が写っていた。

「あらゆる通りに遺体が横たわっています。あらゆる地区で、建物の下敷きになっている人たちがいます」と、ガザ市で活動する、民間防衛隊のメンバー、アブドゥラ・アル・マジダラウィさん(24)は語った。

「停戦になっても、『自分の家族ががれきの下敷きになっているので来てほしい』という連絡がたくさん来ます」

ガザ市から避難しているマラーク・カサブさん(23)は20日、自分の家族もほかの人たちと同様に、まだ救出されていないと、BBCに語った。カサブさんは大学を卒業したばかりだという。

「私たちは大勢の家族を失いました。家族の何人かは今も、破壊された建物の下に取り残されています」と、カサブさんは述べた。「がれきの下にはたくさんの人がいます。このことを誰もが知っています」。

アパートの一室にあるカサブさんの実家は、完全に破壊されたわけではないが、本当にひどい被害を受けたと、カサブさんは話した。「ドアも窓も、水も電気も、何もありません。火を起こすためのまきさえない。とても住める状況ではありません」。

イスラエル軍が撤退開始も、市民の移動は困難

イスラエル軍はガザの人口密集地からの撤退を始めたばかりで、ガザの避難民が移動するには依然として危険な状況だ。

イスラエル国防軍(IDF)は、IDFの兵士や施設に近づいたり、ガザの境界や、ガザを南北に二分するネツァリム回廊の周辺に設けた緩衝地帯に入らないよう警告している。

それでも多くの住民は、イスラエル側が助言した時期よりも早く、自宅の状況を確認したがっていた。ガザ市で、工場の監督者を務めていたというハテム・エリワさん(42)は、南部ハンユニスの避難所から徒歩で自宅を目指すつもりだという。

「私たちはこの停戦を、まるで天国に行くのを待ちわびるかのように待ち望んでいました」と、エリワさんは述べた。「私はきょうだい2人と、その家族を失いました。いとこやおじたちも失いました。私が今も望んでいるのは、家に帰ることだけです」。

イスラエルとハマスの双方は、6週間続く予定の第1段階の終了を前に、停戦合意が破綻してしまうのではないかという大きな懸念を抱いている。イスラエル側は、ガザでの軍事行動をいつでも再開する権利を留保していると強調している。

20日の国連安全保障理事会で、アントニオ・グテーレス事務総長は、ガザでの停戦合意を「希望の光」だと歓迎しつつ、その義務は果たされなければならないと述べた。

2023年10月7日のハマスによるイスラエル襲撃以降、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区では、イスラエル人入植者による、パレスチナ人が暮らす村への攻撃が増加している。グテーレス氏は、ヨルダン川西岸地区の状況が悪化していると警告した。

「イスラエルの高官たちは、今後数カ月のうちに、ヨルダン川西岸地区の全域または一部を正式に併合すると、公然と表明している」とグテーレス氏は述べ、「そのような併合は、国際法に対する最も深刻な違反となる」と付け加えた。

(取材協力:ムアス・アル=カティブ)

(英語記事 'In every street there are dead': Gaza rescuers reckon with scale of destruction

イスラエル、ヨルダン川西岸で大規模軍事作戦 子ども含む10人死亡

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