突然の騒動に通行人も足を止めて興味津々。警察も大挙出動し、ホテルに近づくデモ隊を制止すると、腹を立ててデモ隊から「バッハのせいで日本の国益が損なわれているんだ!」と怒号が飛び交った。抗議に参加した一般女性は「この状況で広島に行くなんてどうかしている。これからも単独で抗議を続けます」と話した。
バッハ会長は8日に来日し、羽田空港から宿泊先のホテルまでパトカーが先導する厳重な警備の中で移動。ホテルに到着し、車から笑顔で手を振ったシーンがさらに国民の反感を買っていた。今後は11日までの隔離期間をホテルで過ごし、「オリンピック休戦決議」が始まる16日に広島を訪問する予定だ。
五輪 残る有観客は約3・5% 宮城、茨城、静岡が維持 組織委「意向は確認」
東京五輪・パラリンピック組織委員会は10日、福島あづま球場で開催される予定だった野球・ソフトボールについて、無観客にすることを発表した。残る有観客の自治体は宮城、茨城(学校連携観戦のみ)、静岡で、サッカー、自転車などの合計26セッション。組織委は「宮城県、茨城県(学校連携観戦のみ)、静岡県については有観客に変わりはありません」とし、この日改めて各自治体の「意向は確認した」という。
組織委は五輪期間中の新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言発出を受け、8日のIOCなどとの5者協議で東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の1都3県の無観客を決定。福島、北海道、宮城、茨城、静岡については有観客とすることを決めた。しかし、9日になり、北海道が観客の首都圏との往来を懸念し、急転、札幌ドームでのサッカーの無観客を決定。組織委は有観客で「収容人員の50%、1万人まで」を超える会場について、10日未明にチケット再抽選の結果を発表。福島での21日のソフトボール開幕戦、28日の野球の開幕戦も再抽選が行われたばかりだった。
組織委の高谷スポークスパーソンは「本当に楽しみにしてくださっていた1番のファンの皆さまの期待に応えられず、非常に残念。チケット再抽選直後にこのような連絡となってしまったことは大変申し訳なく思います」と、謝罪した。
これで大会全体の750セッションのうち、無観客は724セッションで、有観客は3・5%にあたる、わずか26セッションとなった。