食器泥棒から税金泥棒へ 小池百合子の「血も涙もない」人生【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第67回
小池百合子が圧倒的な勝利で都知事3選を決めた。
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■ああ無情
過去最多の56人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子が、3回目の当選を果たした。291万8015票。創価学会などの組織票、反日カルトとつながる自民党の支援、さらには大手メディアの掌握……。圧勝は予測通りだった。
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一方で、小池に対する不満を爆発させている人も多かった。私は投票日前日に行われた池袋の街頭演説を見に行ったが、「やめろ」「カネ返せ」「嘘つき」「泥棒」と怒号の嵐だった。天候も荒れに荒れ、小池の演説は30分延期。SNSでは天もお怒りのようだとの書き込みもあった。そもそも小池は都知事選に出馬していいような人物ではない。
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昔、ホテルのビュッフェでパンをバッグに詰め込むおばあさんを見かけたことがある。京都の料理屋で猫の形の箸置きを盗み、店主に見つかると「別にいいじゃない」と逆切れしたおばさんもいた。しかし、ヒルトンから銀食器などを盗み続けたという小池のエピソードは尋常ではない。
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最近も文春がネット記事で報道していたが、小池がカイロにいたときの同居人が証言している。これは『女帝 小池百合子』(石井妙子)に書いてある小池がエジプトのカイロに留学していた時代のエピソード。父親の小池勇二郎はしばしば日本からカイロにやってきた。彼はいつもナイル・ヒルトンホテルに宿泊し、小池は父親に会いに行っていた。そこでルームサービスを取り、食器をテーブルクロスごと包んで、持ち帰っていたという。コーヒーカップ、皿、ナイフ、フォーク、シュガーポット……。小池は普通の人間ではない。小池は以前、「私はAI」と言ったが、たしかに人間らしい心がない。嘘をついても、良心の呵責を覚えない。「血も涙もない」という言葉があるが、小池にはモラルや常識が介在する余地はない。
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SNSでは、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』と重ね合わせて、主人公ジャン・バルジャンが、銀の食器と銀のスプーンを盗んだ話を持ち出す人もいた。しかし、ジャン・バルジャンは改心している。小池の暴走は止まらない。
私は中勘助の『銀の匙』を思い出した。銀の匙をきっかけに過去のエピソードが蘇ってくる。SNSでは。「小池が窃盗を行っていたのは昔の話だ。もう時効なんだから蒸し返すな」という趣旨の小池を擁護(?)する輩も現れたが、その窃盗癖が、今の小池の立ち居振る舞いに如実に現れているのだ。自分の利益のためなら、社会に迷惑をかけても、なにも感じない。
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前々回のこの連載でも述べたが、小池の人格を示す有名なエピソードがある。拉致被害者家族連絡会元事務局長の蓮池透氏のツイートである。
《2002年9月17日、涙の記者会見をしている横田さんご夫妻の真後ろに立っていたのは小池百合子氏。終了後、一度出て行った小池氏、戻って来て一言。「あったあ!バッグ」「私のバッグ、拉致されたかと思った」
あれ以来彼女のことは信用していない》
嘘とデマでのしあがり、刑事訴訟を3件も抱えているような人物が、都庁を牛耳っていること自体が異常。食器泥棒が税金泥棒になったというオチ。窃盗癖があるので、自分のバッグも「盗まれた」と思ってしまうのだろう。
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自民党では元泥棒が国会対策委員長にまで出世したが、社会のルールを守れない人は政治家になるべきではない