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「私たちの給料は遅れてもいい」 難局の人道支援、中村哲の思い継ぐアフガン人が見せた気概 11/28(日) 10:30配信   西日本新聞

2021年11月28日 11時41分17秒 | 国際ニュース

「私たちの給料は遅れてもいい」 難局の人道支援、中村哲の思い継ぐアフガン人が見せた気概

配信   西日本新聞

アフガニスタンで用水路建設や医療活動を続けた中村哲医師(享年73)の銃撃事件から間もなく2年。福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」が引き継いだ事業は、難局に直面している。イスラム主義組織タリバンの復権後、国際社会の対応の影響もあって現地経済が混乱しているためだ。困窮する人々のために生涯をささげた中村さんの最大の願いが事業の継続。「われわれはアフガニスタンを見捨てない」。27日に開いた追悼の会で、村上優会長は改めて誓った。

【写真】作業現場でカメラを構える中村哲医師 護衛が常に付き添っている=2014年、アフガニスタン  

「ハバラニシタ(問題ない)。11月分の給料も遅れていいから、早く重機をレンタルしよう」。17日、福岡市の同会事務所と現地をつないだオンライン会議。ひげ面のアフガン人たちが繰り返した。  11月の支払いが滞れば、現地スタッフの給料遅配は10月と合わせて2カ月分になる。8、9月分の支払いも10月下旬まで遅れた。生活は苦しいはずだが、工事優先を訴えるスタッフに、同会の藤田千代子理事は何度もうなずいた。「ようやく本格的な工事を始められる」

 8月にタリバンが政権を掌握したことを受け、同会と現地のNGO「PMS」(平和医療団)は事業を一時中断。安全を確かめた上で、10月上旬までに診療所や農業など全ての事業を順次再開した。課題となったのが、用水路建設のための多額の資金確保。アフガンの在外資産が凍結された影響などで、銀行からの引き出しが大幅に制限されていることが理由だ。

 現在、取り組んでいるのは、バルカシコートと呼ばれる地域の堰(せき)の建設。大量の巨石を採石し、川の中に積み上げる本格的な工事には、重機十数台をレンタルする必要がある。雪解け水が減って水位が下がる冬場にしか作業はできず、早急に資金を調達しなければならない。

 同会とPMSは今秋に収穫した農産物の売却益なども充てて資金を工面。開拓した農場で採れたレモンやサトウキビ、コメなどを出荷した。売り上げは昨年比約7割増で過去最大の1千万円。24日までに重機は確保できた。ただ「今は何とか息をついている状態。経済混乱が収まらないと、安定した事業継続は見通せない」(同会)という。

 アフガンの人々を苦しめているのは経済不安だけではない。8月に政権が変わる前から起きていた干ばつの影響が、全土にわたって深刻化。栄養失調で多くの子どもが命を落としている。世界食糧計画(WFP)によると、11月から来年3月にかけ、2280万人が深刻な食料不安に陥る見通しだ。

 27日に開いた追悼の会。村上会長は「今は大変な試練の時」と述べた上で、旧タリバン政権が国際的な批判を浴びていた2001年当時の中村さんの言葉を読み上げ、決意を新たにした。「平和が日本の国是である。少なくともペシャワール会=PMSは、建設的な人道的支援を、忍耐を以(もっ)て継続する」 (中原興平)

 


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