トランプ次期米大統領は16日、南部フロリダ州で記者会見を開き、2025年1月20日の就任前に石破茂首相と会談することに前向きな姿勢を示した。「日本の首相には敬意を払っている。首相が望むなら会談したい」と述べた。15日に面会した故安倍晋三元首相の妻昭恵さんを通じて、石破首相に書籍を贈ったことも明らかにした。
次期駐日大使の候補に挙がっていると報じられた実業家のジョージ・グラス元駐ポルトガル大使については「非常に尊敬されている人物で、以前大使としてすばらしい仕事をしていた。日本のことは非常に重要だと考えている」と述べた。
一方、昭恵さんとの面会については「妻のメラニアと非常に親しい。連絡をくれて、夕食をともにできるかと尋ねてきた」と説明。1期目に親交が深かった安倍氏は「すばらしい人物だった」と改めて称賛した。【ワシントン秋山信一】
トランプ次期大統領
石破首相との会談を断ったトランプ氏、安倍夫人と先に会った
中央日報(注;韓国 の 朝鮮語 の日刊 新聞) 12/17
故安倍晋三元首相夫人の昭恵さんがトランプ次期米大統領夫妻と15日(現地時間)、夕食を共にした。
日本政府が進めた石破茂首相とトランプ氏の早期会談が不発となった状況で、元首相夫人がトランプ氏と先に会うという異例の状況が演出された。
メラニア夫人はこの日、X(旧ツイッター)に昭恵さんと共に3人がフロリダ州マー・ア・ラゴのトランプ氏の自宅で撮ったとみられる写真を載せた。メラニア夫人は昭恵さんについて「またお迎えできたのは光栄」とし「亡くなられた安倍元首相をしのび、その素晴らしい功績をたたえた」と伝えた。
かつてトランプ氏は「シンゾーに会いたい」と話すほど安倍前首相に対する愛情が格別だった。2016年の大統領選挙でトランプ氏の当選が確定すると、安倍首相はトランプタワーを訪れて会談し、本間ゴルフのクラブを贈った。その後2人は計51回も会談するほど親しい関係を維持し、トランプ氏は頻繁な会談で親しくなった安倍氏の通訳を「小さな首相」と呼ぶほどだったという。この日、昭恵さんと夕食会をしたマー・ア・ラゴの自宅は過去にトランプ夫妻が安倍夫妻と共に過ごしたところでもある。
フジニュースネットワーク(FNN)は昭恵さんに対してトランプ夫妻が強い好感を持っていると伝えた。特に、過去に夫婦同伴の夕食会で昭恵さんがお酒に強く活発に対話をする姿を見てトランプ氏が気に入ったという。またトランプ氏は2022年7月に安倍元首相がテロで亡くなった後に直接電話をかけ、慰めの言葉を伝えた。
日本メディアは今回の夕食会がトランプ政権2期目の日米関係と日本国内の政治に及ぼす影響に注目している。日本国内ではすでに昭恵さんが両国をつなぐ「パイプ」になるという見方が出ている。トランプ氏と直接の意思疎通が可能な昭恵さんが石破政権である種の役割をするということだ。
しかし過去の安倍元首相との悪縁を勘案すると、石破首相には悪材料になるという見方もある。石破首相は「安倍の政敵」と呼ばれたほど自民党内で野党の役割をしながら安倍元首相と対立していた。
毎日新聞によると、橋下徹元大阪府知事はこの日、ある放送に出演し、「安倍さんは石破さんのことをあまりよく思っていなかった。そういう話がもうトランプサイドに伝わっているようだ」とし「石破さんのことをよく言っていなければ、トランプさんとしては石破さんに対しては当然距離を置いてしまう」と話した。
実際、石破首相はトランプ氏の当選後に外交ラインを動員してトランプ氏との会談を進めたが、実現しなかった。トランプ氏側は石破首相の早期会談要請を断りながら「正式に就任する前には会うことはできない」と明らかにした。
日本外務省としても困惑するしかない。正式な外交ルートを通して不発になった会談を昭恵さんは電話1本で実現させたと伝えられたからだ。今回の昭恵さんの訪米には政府関係者の同行はもちろん経費支援もなかったことが確認された。
一方、ソフトバンクグループの孫正義会長は16日、マー・ア・ラゴでトランプ氏と会談し、1000億ドル(約15兆円)規模の対米投資計画を発表した。孫会長は人工知能およびインフラ構築関連の雇用創出計画も明らかにした。
林官房長官は17日午前の記者会見でアメリカのトランプ次期大統領が就任式前にも石破首相と会談することもあり得るなど日本を重視する発言をしたことについて「歓迎する」と述べた。
林長官は「トランプ次期米国大統領の日本を重視する旨の前向きな発言を歓迎する。トランプ次期大統領との会談につきましては、トランプ氏の陣営側と意思疎通を継続してきているが、その詳細をつまびらかにすることは先方との関係もあり差し控える。先方とのやりとりを通じる中で、双方の都合の良い時期に会談を行いじっくりと意見を交わし、人間関係を構築することができればいいと考えている。引き続き次期政権側との意思疎通を行っていきたい」と述べた。