大阪府は7日、新型コロナウイルスの感染者が新たに117人確認されたと発表した。1日当たりの新規感染者数が200人以下となるのは2日連続。また、新たに7人の死亡が確認された。

 府内の7日現在の直近1週間の新規感染者数の1日平均は193人で、6日連続で300人以下になった。8日もこの傾向が続いて7日連続となれば、政府に緊急事態宣言の解除を要請する府の独自基準を満たすことになる。【石川将来】

 

先月以降、新型コロナウイルスの感染者の数は減少傾向となる一方、亡くなった人は今月3日には過去最多の120人となるなど最多の水準が続いています。この背景として、厚生労働省の専門家会合は、医療機関や福祉施設でのクラスターの発生が全国的に相次ぎ、重症化しやすい高齢者の感染が多い状況が続いているためだと分析しています。

死者6000人超 増加ペース上がる

新型コロナウイルスに感染し亡くなった人の数は去年11月から増加傾向が続き、今月3日には全国で120人と過去最多となり、累計で6000人を超えました。

亡くなる人は、去年2月13日に初めて報告されたあと、
▽1000人となったのは5か月余りあとの7月下旬で、
▽2000人となったのはそれから4か月後の11月下旬でしたが、
▽先月23日に5000人を超えてから6000人になるまでに要したのは11日で、
感染者が減る傾向が見えてきたにもかかわらず、亡くなる人が増加するペースが上がっています。

一方、重症者の数は、去年夏から10月ごろまでは全国で150人前後で推移していましたが、その後、増え続け、先月27日には過去最多となる1043人に達しました。

今月に入ってからは徐々に減る傾向が見られますが、6日時点で815人と多い状態が続いています。
亡くなる人の過去最多の水準が続き、重症者がなかなか減らない背景には、重症化するリスクの高い高齢者の感染が増えていることがあり、60代以上で感染した人は東京都のデータでは、
▽去年12月には3339人で全体のおよそ17%、
▽先月には8153人で全体のおよそ21%、
▽今月は6日までで1061人と全体のおよそ30%を占め、
全国でも高齢者の感染が増える傾向が見られています。

さらに、このところ多くなっているのが高齢者が多くいる施設などでの感染で、内閣官房が先月27日までの10日間に全国で確認された220件のクラスターについてまとめたところ、高齢者施設や福祉施設での発生が109件とほぼ半数を占めていました

厚生労働省によりますと、去年6月から8月にかけて感染した人のうち、重症化した人は、
▽50代以下では0.3%だったのに対して、
▽60代以上は8.5%、
亡くなった人は、
▽50代以下では0.06%でしたが、
▽60代以上では5.7%で、
高齢になればなるほど重症や死亡に至る割合が高いことが分かっています。

厚生労働省の専門家会合は、医療機関や福祉施設でのクラスターの発生が全国で相次いでいて、重症化するリスクが高い高齢者の感染が多い状況が続いているとして、今後についても「重症者や亡くなる人が増加する可能性がある」と指摘しています。

また、政府の分科会は「高齢者施設での感染は直接、重症者や亡くなる人の増加につながる」として、施設の職員に対する定期的な検査の実施や、国に対策チームを設置することなど、施設での感染対策を強化するよう求めています。

感染者ピークは先月4日ごろ(専門家会議の分出来です。省略)