山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
ワクチンはどれくらい有効でしょうか?
日本で接種が始まったファイザー社製ワクチンについて、有効性を報告した査読付きの論文は3つあります。
一つ目は、臨床試験の結果の報告です。
Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine | NEJM
この報告によると、ファイザー社製ワクチンを2回接種して1週間以降に新型コロナウイルス感染症を発症したのは、18198名中8名であったのに対して、ワクチン非接種群においては、17511名中162名でした。ワクチン2回接種により、発症した人の数は20分の1に減少しました。すなわち、有効率は95%でした。
2つ目と3つ目の論文は、世界で最もワクチン接種が進んでいるイスラエルからの報告です。
2つ目は2月19日にLancet誌に報告された論文です。
Early rate reductions of SARS-CoV-2 infection and COVID-19 in BNT162b2 vaccine recipients - The Lancet
ワクチン接種を行った病院職員約7000名の追跡調査から、1回のみの接種であっても、新型コロナウイルス陽性者の数が85%減少したと報告しています。
3つ目は2月24日にNew England Journal of Medicine誌に報告された論文です。
BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting | NEJM
イスラエルの最大の医療保険グループであるClalit Health Servicesは、国民の53%にあたる470万人が加入しています。加入者のうちファイザー社製のワクチン2回接種を完了した約60万人の一人一人について、年齢、性別、人種、居住地などをマッチさせた非接種者をコントロールとして選び、新型コロナウイルスの陽性者、発症者、入院数、重症者数、死亡者数を比較しました。2回接種後7日目以降の比較では、陽性者数、発症者数、入院者数、重症者数が、ワクチン接種群ではコントロール群に比べて、それぞれ92、94、87、92%低下しています。また1回目接種後14から21日目において、死者数は72%低下しています。
3つの査読後論文で有効性が支持されていますので、ファイザー社製ワクチンが新型コロナウイルスに対して有効である可能性は高いと考えられます。
一方で、これら2つの論文では、被験者全員のPCR検査を行っていませんので、無症候の感染は見逃している可能性があります
被験者全員に対してPCR検査を2週間に一度、行った調査としては、査読前の報告ではありますが、イギリス公衆衛生局からの報告があります。
SIREN Study
この報告によると、1回接種の21日後において、ファイザー社製ワクチンの有効率は72%、2回接種の7日後においては86%であったとしています。
査読前の報告であり、さらなる検証が必要ですが、1回接種でも、感染を70%以上抑制できる可能性が示されています。
入院数に対する効果に関しては、スコットランドから査読前の論文が公表されています。
scotland_firstvaccinedata_preprint.pdf
これによると、ファイザー社製のワクチンを1回接種した場合、ワクチン接種後28から34日目において、新型コロナウイルス感染症での入院が85%減少したと報告されています。
アストラゼネガ社のワクチンでは94%の減少効果があったとのことです。
査読前の論文ですので、さらなる検証が必要です。
一つ目は、臨床試験の結果の報告です。
Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine | NEJM
この報告によると、ファイザー社製ワクチンを2回接種して1週間以降に新型コロナウイルス感染症を発症したのは、18198名中8名であったのに対して、ワクチン非接種群においては、17511名中162名でした。ワクチン2回接種により、発症した人の数は20分の1に減少しました。すなわち、有効率は95%でした。
2つ目と3つ目の論文は、世界で最もワクチン接種が進んでいるイスラエルからの報告です。
2つ目は2月19日にLancet誌に報告された論文です。
Early rate reductions of SARS-CoV-2 infection and COVID-19 in BNT162b2 vaccine recipients - The Lancet
ワクチン接種を行った病院職員約7000名の追跡調査から、1回のみの接種であっても、新型コロナウイルス陽性者の数が85%減少したと報告しています。
3つ目は2月24日にNew England Journal of Medicine誌に報告された論文です。
BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting | NEJM
イスラエルの最大の医療保険グループであるClalit Health Servicesは、国民の53%にあたる470万人が加入しています。加入者のうちファイザー社製のワクチン2回接種を完了した約60万人の一人一人について、年齢、性別、人種、居住地などをマッチさせた非接種者をコントロールとして選び、新型コロナウイルスの陽性者、発症者、入院数、重症者数、死亡者数を比較しました。2回接種後7日目以降の比較では、陽性者数、発症者数、入院者数、重症者数が、ワクチン接種群ではコントロール群に比べて、それぞれ92、94、87、92%低下しています。また1回目接種後14から21日目において、死者数は72%低下しています。
3つの査読後論文で有効性が支持されていますので、ファイザー社製ワクチンが新型コロナウイルスに対して有効である可能性は高いと考えられます。
一方で、これら2つの論文では、被験者全員のPCR検査を行っていませんので、無症候の感染は見逃している可能性があります
被験者全員に対してPCR検査を2週間に一度、行った調査としては、査読前の報告ではありますが、イギリス公衆衛生局からの報告があります。
SIREN Study
この報告によると、1回接種の21日後において、ファイザー社製ワクチンの有効率は72%、2回接種の7日後においては86%であったとしています。
査読前の報告であり、さらなる検証が必要ですが、1回接種でも、感染を70%以上抑制できる可能性が示されています。
入院数に対する効果に関しては、スコットランドから査読前の論文が公表されています。
scotland_firstvaccinedata_preprint.pdf
これによると、ファイザー社製のワクチンを1回接種した場合、ワクチン接種後28から34日目において、新型コロナウイルス感染症での入院が85%減少したと報告されています。
アストラゼネガ社のワクチンでは94%の減少効果があったとのことです。
査読前の論文ですので、さらなる検証が必要です。
(付録:上昌弘先生が日ごろ目を通している権威ある医学誌「空を飛ぶカバ」)
by『日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか』上昌弘著 P194
ー日ごろいくつ(の医学誌を)フォローしていますか?
上昌弘:「ニューイングランド・ジャーナル」、「ランセット」、米医師会誌、英医師会誌、「サイエンス」、「ネイチャー」と、標準的には6誌です。いずれも週刊ですから分量は多く、タイトルの斜め読みも多いです。各社の編集長がエディトーリアル(社説)に何を書くかが一番気になります。
P195
新聞でいえば、英国のFT(フィナンシャルタイムズ)、米国のWSJ(ウオール・ストリート・ジャーナル)みたいなものです。彼らの目的は正確な情報と分析を世界に向けていち早く届けることですが、当然のことながら部数を増やして経営基盤を強化することも重要です。最近は紙ではなく、電子版が主体なので、購読者が採算分岐点を超えると、まるまる真水で増収になります。そしてアジアでは特に中国に読者が圧倒的に多い。中国のことを取り上げると部数が増えますね。従って、アングロサクソンが中国の読者を意識して作っている、という面があるのが実態です。