ドイツの連邦議会選挙の投票が日本時間の26日午後から始まりました。
今回の選挙は、16年にわたってドイツを率い多国間の協調を重視するヨーロッパの指導者として存在感を示してきたメルケル首相の後任を決めるもので、国際社会からも高い関心が寄せられています。
有権者「変化が必要」「今すぐに気候変動の対策を」
このうち、首都ベルリン中心部に設けられた投票所では、受け付け開始と同時に有権者が続々と訪れ、記載台で支持する党名にチェックを入れるなどして、票を投じていました。
投票を終えた60歳の女性は「メルケル首相は愛されてきたが、いまは変化が必要だ。特に気候変動と社会保障で対策を取ってほしい」と話していました。
72歳の男性は「今すぐに気候変動の対策が必要だ。無意味な会議を開いている余裕などない」と話し、有権者も気候変動に高い関心を持っていることがうかがえました。
また、30歳の男性は「最低賃金や住宅家賃の抑制などに取り組む社会民主党に投票しました。メルケル首相は改革を後回しにしてきた。キリスト教民主同盟は野党にくだる時だ」と話し、政権が刷新されることに期待を示していました。
投票は日本時間の27日午前1時に締め切られる
事前の世論調査では、現在の連立政権を担う二大政党の
▽中道左派の社会民主党と
▽メルケル首相が所属する中道右派のキリスト教民主・社会同盟の接戦となっていて、
これを
▽環境保護を掲げる野党「緑の党」が追う展開となっています。
ただ、いずれの政党も単独では過半数の議席を獲得できない見通しで、選挙結果を受けて政党間で連立政権の枠組みを決める交渉が行われ、次の首相が決まる見通しです。
今回の選挙は、16年にわたってドイツを率い民主主義の理念や多国間の協調を重視するヨーロッパの指導者として存在感を示してきたメルケル首相の後任を決めるものだけに、各党の首相候補のリーダーとしての資質や能力も厳しく問われていて、選挙の行方に国際社会からも高い関心が寄せられています。
投票は日本時間の27日午前1時に締め切られ、即日開票されますが、新型コロナウイルスの影響で郵便投票がこれまでより大幅に増え、大勢が判明するまでに時間がかかることも予想されます。
ドイツ総選挙、投票始まる メルケル氏後継決定へ
投票は日本時間26日午後3時に始まり、同27日午前1時に締め切られる。最新の世論調査では、中道左派・社会民主党(SPD)のオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)副首相兼財務相の支持率が、メルケル氏の所属する中道右派与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のアルミン・ラシェット(Armin Laschet)党首を僅差で上回っている。
2005年11月22日に初めて首相に就任したメルケル氏は、CDUが地方選挙で敗北を喫した直後の2018年10月、4期目を最後に政界を引退すると発表した。ドイツで現職の首相が立候補しない選挙は、1949年以来となる。
在任期間は16年に及び、戦後ドイツ最長の故ヘルムート・コール(Helmut Kohl)氏(5869日)と肩を並べる。メルケル氏の指導力の下、ドイツは欧州の安定を指す代名詞とみなされてきた。
だが、総選挙後は状況が変わる可能性が高い。政権獲得には3党の連立が必要になる見通しだ。最新の世論調査では、CDUとバイエルン州の姉妹政党キリスト教社会同盟(CSU)の連立与党の支持率は約22%で、戦後ドイツの選挙では最低となっている。
どの政党が政権を担うかによって、ドイツの外交政策も様変わりするとみられる。(c)AFP
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2021/9/26