寄稿]パレスチナを支持できないというあなたへ
キム・ジョン・ヒウォン|米アリゾナ州立大学教授
残酷なニュースが続いたある夜遅く、親しい活動家からメッセージが届いた。かなり緊急のようだった。イスラエルの植民地支配に反対し、パレスチナの苦しみを知らないわけではないが、民間人虐殺を行ったハマスのせいでパレスチナを支持できないという人々に、何と言えばいいのかという質問だった。「イスラエルも悪いが、パレスチナも悪い」という両非論に向き合うのは初めてではなかった。平和と人権という価値の前では、どちらも間違っているということだ。
このすべての事態がきれいな真空管の中で起きているなら、そのような意見にも一理あるかもしれない。イスラエルが殺害した民間人の数がはるかに多いという事実を伝えたいわけではない。マスコミの接近が難しく、フェイクニュースが飛び交っているから、ハマスの残酷行為が事実かどうかは分からないと主張したいわけでもない。なおさら、抑圧された民族を代弁して植民権力に対抗するハマスの暴力は無条件に正当だと叫ぶつもりは毛頭ない。むしろその逆だ。ハマスの民間人虐殺は正当ではない。そして、新しいハマスの出現を阻止する唯一の道は、まさにパレスチナの解放である。私たちは、一刻の猶予もなく、まさに今、パレスチナを支持すると言わなければならない。
1948年、土地を奪われ強制移住されて以来、ガザ地区の人々はどのような生活を送ってきたのか。先日、ガザ地区への電気供給が途絶え、手術を控えた患者が命の危険にさらされているという報道があった。とりあえず病院は非常発電機を稼働することはできるが、その燃料も数日後には底をつくという。ガザ地区全体が暗黒に陥り、今はすべての民間人の生存が脅かされているという。どうしてこんなことが可能なのかと、私たちはなぜ聞かないのか。戦時状況に水、ガス、電気がないのは当然だからか。戦争中に発電所を回すことは不可能だからか。
地上戦が展開される前に発電所が止まる理由は何か。それはそもそも燃料の供給も電気の供給もイスラエルの手にかかっているからだ。電気供給の3分の2はイスラエルが統制しており、残りの3分の1を担当するガザ地区の唯一の発電所は周期的にイスラエルの爆撃を受けている。そのため、ガザ地区の人々には24時間電気を使える日がなかった。国連の発表によると、2018年は1日平均7時間、2019年には1日平均12時間電気を使うことができた。それでも今年は戦争前まで1日13時間も電気が供給されたのだから、幸いだと言えるだろうか。もちろんイスラエルは発電所で使用する燃料を含め、他の物資の供給も意のままに統制できる。
だから、ガザ地区ではすべてが足りない。最小限の衣食住も、移動の自由も、言語と文化を守る自由も、職業選択の自由も、そして故郷に帰る自由も。あなたはこんな暮らしに数十年間耐え続けることができるか。今日生まれた自分の子どもが、いつ終わるかも分からずこのような人生を送らなければならないとしたら、怒らずにいられるだろうか。生存に必要なすべてのものが植民統治者の気まぐれと報復に左右される人生がどんなものか考えてみてほしい。ガザ地区のパレスチナ人たちは非常事態の中で生まれ、一生非常事態の中で暮らし、そのように非常事態の中で死んでいく。このように地獄を日常と化し、危機を永遠に引き延ばすのには何が必要だろうか。強い者の側に立つ者たちの共謀、それだけで十分だ。
私たちにも、奪われた野にも春は来るのかと聞かざるを得なかった時代があった。春が訪れるように、自然に解放が訪れるわけもなく、植民権力が善意で計画を変えるはずもない。世界の権力者と結託したイスラエルなら、なおさらだ。だからこそ、パレスチナはイスラエルに立ち向かい戦わなければならず、私たちは皆の尊厳と自由のために共に戦うことを示さなければならない。この果てしない暴力を終わらせ、世界世論の地形図を変えられるのは、我々の連帯だけだ。
死んだも同然の状態で生きているのだから、パレスチナは抵抗せざるを得ない。交渉のテーブルに座ることもできず、平和の名で不当な強要を受けるよりは、むしろ被支配者の座から立ち上がり、力を振り絞って支配者と戦うこと、それがまさに自分たちの人間性をとり戻す道であるからだ。この切迫した闘争の根本原因が何かを考えているなら、ハマスを口実にパレスチナとの連帯を避けることはやめよう。非暴力はパレスチナに強要すべきものではなく、我々が引き出すものだ。そして非暴力の世界をより早く実現するために必要なのは、抑圧される人々の解放だ。だから、これから一緒に叫ぼう。パレスチナに自由を!
訳H.J