とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信:次々に変異する新型コロナウイルス、日本COVID-19対策ECMOnetによるCOVID-19 重症患者状況の集計

2021年05月04日 09時18分22秒 | 感染症

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

ウイルスの変異

次々に変異する新型コロナウイルス    2021/4/28

ウイルスが増殖するときも、私たちの体の細胞が分裂する時も、遺伝子が設計図となり同じウイルスや細胞が作られます。しかし自然も完璧ではありません。ウイルスが増殖するたびに、そして私たちの体の細胞が分裂するたびに、少しづつ間違い、すなわち遺伝子の変異が起こります。ほとんどの変異はウイルスや細胞の機能に影響を及ぼしません。しかしごくまれに、機能が変わることがあります。私たちの体でこれが起こると、様々な病気につながることがあります。典型例が癌です。新型コロナウイルスが出現して1年以上たちましたが、当初のウイルスと比べて、感染力や病原性が増加していると思われるウイルス株が複数、誕生しています。よく知られているものとして、イギリス型変異(B.1.1.7)、南アフリカ型変異(B.1.351)、ブラジル型変異(P1)、そしてインド型変異(B.1.617)があります。
インフルエンザウイルスやコロナウイルスの遺伝子解析を行うGISAID - Initiativeは、これらの変異型ウイルスの世界的な動向を常時公表しています(図1、2)。これによると、全世界で最も猛威を振るっているのはイギリス型変異ウイルスです。南アフリカ型はアフリカが中心ですが、アジアやオセアニアでも増加傾向にあります。ブラジル型は南米で猛威を振るっています。一方、感染者が爆発的に増えているインド型の変異は、アジアに加えて、オセアニアやイギリスでも増加しており、世界全体で見ても無視できない割合になっています。

イギリス型および南アフリカ型変異の世界分布
ブラジル型およびインド型変異の世界分布

日本COVID-19対策ECMOnetによるCOVID-19 重症患者状況の集計

2021/5/01
日本COVID-19対策ECMOnetが、人工呼吸やECMOを必要とする重症患者の状況を集計・公開されています。忙しい診療の合間にデータを入力されており敬意を表します。4月28日からは、人工呼吸受け入れ可能ベッド数も公表されました。これらは、各病院からの直接の申告を集計したものです。

大阪府において人工呼吸器装着者数が第3波の2倍を超え、ピークさえ見えない状況です(図1)。各病院の努力で受け入れ可能ベッド数は急増していますが、実施件数も同じように増加しており余裕が全くありません。大阪では、新型コロナウイルス感染症で重症化しても入院が難しい状況です。交通事故や心筋梗塞などの救急搬送にも時間がかかり、助かる命を助けることが出来ません。癌などに対する先進医療も影響を受けています。京都も人工呼吸の実施件数が急増しており、ひっ迫しています(図2)。兵庫も厳しい状況が続いています(図3)。同じ緊急事態宣言下でも、関西と東京(図4)では、まったく状況が違います。関西、特に大阪は本当に危機的状況です。
図1 大阪府における人工呼吸受け入れ可能ベッド数と人工呼吸装着者数
図2 京都府における人工呼吸受け入れ可能ベッド数と人工呼吸装着者数
図3 兵庫県における人工呼吸受け入れ可能ベッド数と人工呼吸装着者数
図4 東京都における人工呼吸受け入れ可能ベッド数と人工呼吸装着者数

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