イスラエル軍、ヨルダン川西岸を攻撃 難民キャンプから数百人避難
【1月24日 AFP】パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でイスラエル軍が新たな軍事作戦を進めている。西岸のジェニンでは23日、数百人が難民キャンプを離れ、避難した。パレスチナ当局が発表した。
先週、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの間では停戦合意が発効したが、イスラエル軍は21日にヨルダン川西岸ジェニンへの攻撃を開始した。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、作戦名は「鉄の壁」で、目的は「この地域のテロを根絶すること」だと述べた。
ネタニヤフ氏はこの作戦を、ハマスを含む中東全域の武装勢力を支援するイランに対抗する広範な戦略の一環と位置付けている。イスラエルは、自国の占領下にあるヨルダン川西岸の武装勢力にイランが武器や資金を送ろうとしているとして非難している。
ジェニンの当局者は「イスラエル軍がドローンや軍用車両の拡声器を使って難民キャンプに避難を命じた後、数百人が退去を始めた」とAFPに語った。
一方のイスラエル軍は23日夜、キャンプの住民に避難を呼びかけていないととしてこ宇した主張を否定。
イスラエル軍から届いた声明には「住民の安全を確保するためにイスラエル国防軍(IDF)は、地域から退去を希望する住民が安全かつ組織的なルートを通じて退去できるようにしている」と書かれていた。
パレスチナ保健当局は、ジェニンで始まったこの軍事作戦で、周辺では少なくとも12人のパレスチナ人が死亡し、さらに40人が負傷したと発表した。
イスラエル軍はその他、パレスチナ人数人を拘束。白いジャンプスーツ姿の目隠しをされた男性たちが、ヨルダン川西岸から連行される様子をAFPのフォトグラファーが確認している。(c)AFP