とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『はじめからわかる現代社会』学研 青年期のとらえかた

2013年07月08日 06時03分08秒 | ことば・こころ・文学・演劇

  今日も暑くなりそうですね。いよいよ残り時間が少なくなってまいりました。試験まであと2か月弱なので急いでおります。

『はじめからわかる現代社会』は3部構成になっており、第1部 現代社会をテーマ別に攻略しよう。第2部 経済分野を攻略しよう。第3部 政治分野を攻略しよう、となっております。

第一部「現代社会」は、1.現代社会の特質 2.社会保障制度 3.青年期のとらえ方 4.欲求の分析 5.科学と声明倫理 6.環境問題(1) 7.環境問題(2) であります。

今回は、もともと児童文学に興味のあるわたしとしては、3番目の課題を考えてみたいと思います。

3.青年期のとらえかた

(1)マージナルマン(境界人)

①心理学者レヴィン(ドイツ)の言葉。青年期は「大人と子どもの中間」大人と子どもにはさまれたマージナル・マン(境界人)と考えられた。準拠する集団が定まらないため精神的に不安定になることが多い。しかしこの時期を経て、人間は精神的に成熟していく。     

                                                                                                

②青年期のない民族は、通過儀礼をへることで大人として認められる。大人になる前になんらかの困難を経験する。困難を乗り越えることによって、大人としての実感を持たせるためや、周りの人間が大人として認めるためになんらかの試練が必要だと考えられている。(日本の通過儀礼としては七五三、成人式、結婚式など人生の節目に行われる式が考えられる。                   

                                

(2)「第二の誕生」の時期・・・・ルソーの『エミール』

 『エミール』は18世紀のフランスの哲学者ルソーの青年期のとらえかた。エミールって架空の少年の名前。この少年の教育のために書かれた本。(注:私これでも岩波文庫で4冊ぐらいだったかなあ。『エミール』読んだんだけど、全部忘れてしまった。笑)

「人は二度生まれる。一度は存在するために、二度目は生きるために」という有名な一節がある。

第二の誕生って、自我が芽生えてきて「自分の内側にあるもう一人の自分」を意識するようになることから始まる。                                

(3)アイデンディティを確立する時期

 ①エリクソン(アメリカ)の提唱した概念

「アイデンティティの確立する時期である。」英語のidentityという概念を日本人の思考に置き換えるのは難しいが、 これは、自己同一性と訳され、「自分」と「自分に対する認識」が一致しているということとなっている。が理解しずらい部分もある。だけどこの言葉はいろんなところで使われている。たとえばIDカード。これは、identity cardの頭文字をとっている。「自分の身分を証明するためのカード」という意味。 

 

(4)モラトリアム・・・・大人になるための猶予期間。自己のアイデンティティを確立するまでの試行錯誤の期間をエリクソンは「モラトリアム」という概念も提唱した。最近はこの猶予期間が長期化することが社会問題になっている。(注:これにはいろんな原因、問題があるよね。我が家をはじめとして、周りにうまくいかない親子、たくさんいる。)

(5)心理的離乳の時期 

①心理学者ホリングワース(アメリカ)の言葉。

②青年期は親への依存から自立に踏み出す時期だ。この精神的な自立のことを心理的離乳という。子どもが親の管理からの解放を望み、自立を試みることを意味している。もちろん、すぐに心理的離乳ができるわけではない。親や教師への反抗や衝突をくりかえしながら」、親との関係に最適な距離を見出して、親とは異なる価値観や、理想を身につけていく。

この時期には、友人の支えが非常に大きな意味を持っている。(はじめからわかる「現代社会」学研 24ページ~29ページの要約)

 

さて、ここで一番劇的なのは、なんといっても「親への依存から自立に踏み出す時期」ですよね。

わたしとしては、この時期を表す絵本として大好きなものを2冊あげたい。

                              キスなんてだいきらい (世界の傑作絵本B)文・絵 トミー アンゲラー(フランス)

                         ある日主人公のネコの少年は、お母さんの子ども扱いしたべたべたした世話がだいきらいになる。

       あこがれの星をめざして (評論社の児童図書館・絵本の部屋)文 ラッセル・ホーバン(アメリカ)、絵 パトリック・ベンソン(イギリス)

親鳥からはなれて浜辺にひとり流れ着いたウミドリのひなは、こわくてなかなか荒海に飛びたてない。カニが心配してくれる。こわがるヒナは石を積んで隠れ家をつくり、こもっている。そして穴から外を見ている。けれど徐々に隠れ家からでてきて、あっ、助走をつけて走りはじめた!そして大きく翼を広げ、飛んだのだ!感動の一瞬であります。飛べ、あこがれの星をめざして。

 

 「アイデンティティの確立」を表現した歌として学研の本は、SMAPの「世界に一つだけの花」をほめていましたよ。

曰く、「この歌の歌詞のメッセジーは、世界にたった一つの自分の特性というものを認識することが大切なんだよ、ということ(27ページ) (注:競争は苦しくも楽しいゲームだとつくづく思う。自分を磨くためにも自分を知るためにも必要だと思う。うまく利用できるといいね。ただ日本は基礎の段階で偏差値などというあやしいモノサシで競争させて人格否定するようなことをするからダメなんだ。基礎段階では、ただ努力したかどうかを問われるだけでいい。能力が問われるのは基礎段階(学校教育)を終えてからだよ。それからは、多様な価値観を認められ、それぞれ自由に花咲くことが励みになるような社会になるといいね.世の中はおとぎばなしではない。絶望することもあるけれど、そんな時こそ、冷静になり支柱にする大事なことは何かを考えてみたいね。)

 

 

世界に一つだけの花 - SMAP

                            

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