プーチン氏、アサド政権崩壊はロシアの「敗北」ではない
【12月20日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、シリアのバッシャール・アサド政権崩壊はロシアにとっての「敗北」ではないと述べ、自国はシリアでの目標を達成したと主張した。
アサド氏は今月、反政府勢力の攻勢を受けてモスクワに逃れた。
ロシアはアサド氏の主要な支援者で、2015年には同氏を支援するためシリア内戦に介入し、戦局を変えた。
プーチン氏は年末恒例の記者会見で米国人記者にアサド政権崩壊について問われると、「シリアで起きていることをロシアの敗北として描きたいのだろう」と述べ、「そうではないと断言する」と返答。
「われわれはアフガニスタンのようにシリアにテロリストの拠点が作られないようにするため、10年前にシリアに来た。全体として、われわれは目標を達成した」と述べた。
プーチン氏はまた、モスクワでアサド氏とまだ面会していないが、近いうちに会う予定だと明らかにした。
アサド氏の退陣以来、プーチン氏がシリア情勢について公に言及したのはこれが初めて。(c)AFP
ウラジーミル・プーチン大統領;画像はネットから借用
ロシア、シリアからリビアに武器移送か 次の「戦場」になる恐れ
ドベイバ氏は記者会見で、「リビアに国際紛争が飛び火し、国家間の戦場になるのではないかと懸念している」と述べた。
石油資源が豊富なリビアは、2011年に北大西洋条約機構(NATO)が支援した蜂起によって、40年以上続いたムアマル・カダフィ大佐による独裁政権が崩壊して以降、混迷が続いている。
今も、西部にある首都トリポリを拠点とし、国連(UN)の承認を受けた制憲議会と、東部を拠点とする代表議会がそれぞれ政権を選出し、二つの政府が併存する国家分裂状態となっている。東部を拠点とする政府は、軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハリファ・ハフタル司令官の支援を受けている。
ハフタル司令官は2019年、ロシアの支援を受けて首都トリポリ制圧を目指して進軍したが、失敗に終わった。以来、ロシアはリビア東部の政権と緊密な関係を維持している。
ここ数日、ロシア軍がシリアのタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地から、リビア東部に軍装備品を移動させていると報じられている。
ドベイバ氏は「外国勢力がやって来て、祖国と国民にその覇権と権威を押し付けることを、愛国心を持つ者は望んでいない」と主張。
外国勢力の存在は、「訓練や指導、装備に関する国家間の合意の枠組み内」でのみ容認されるものであり、リビア国民の意思に反して力ずくで侵入することは「完全に拒否する」と続けた。
ドベイバ氏はロシアによる武器の移送を確認しなかった。
だが、イタリアのグイド・クロセット国防相は18日、同国の全国紙レプブリカに対し、「ロシアがシリア・タルトゥースの基地からリビアに物資を移している」「良いことではない」と述べた。
「地中海においてロシアの艦船と潜水艦は常に懸念材料だ。わが国から1000キロ以上離れているのではなく、目と鼻の先にいるのならなおさらだ」と続けた。
シリアのタルトゥース海軍基地とフメイミム空軍基地は、アフリカと中東におけるロシア軍の活動拠点となってきた。だが、今月アサド政権が崩壊したことで、両基地の今後の行方は不透明となっている。(c)AFP
シリアのタルトゥース海軍基地;画像はwikipedeiaから借用
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