パンジーの季節

　季節が変わってきましたね。

　「いいパンジーがすでにどんどん競りに出てきています。今買わないとなくなります。仕入れてきましたから見に来てください」
と、焦って花屋さんから携帯に催促の連絡がはいる。

パンジーは早く植えすぎると徒長するので、11月中旬に植え替えようと話していたのだが.....

市場の状況は、目をつけていた良い生産者がどっとパンジーを出してきているとのこと。

　「これを逃すと、あとは良い品物がなくなりますよ」

新しいものに目ざとい彼女は、どこかが開発した「虹色パンジー」とかいう商品にこだわっている。確かに株は詰まっているし、色もきれいなのだが、仕入れ値が高いので、小売値も一株350円でしか売れないとの事。
5月まで咲くそうで、毎年この品が出てくるのを待っているお客さんがいるそうだ。

普通のパンジーで彼女が目をつけている生産者は２軒なのだが、１軒はさすがに色に透明感があって鮮やか。もう１軒は凝り性の生産者で、いつもユニークなパンジーをだしてくる。
今年もお見事。

良心的な２軒の生産者は商品を高く出さないので、つまった良い株なのだが、どちらも100円で小売りができると言う。

　「この２軒の商品はとても良い。でも、どっちも高く出さないからあまり儲かっていないけれどね。私のお店も良い株なんだけど、安く売るから儲かっていないけれどね」
彼女は笑って言う。　　

う～むとうなって、パンジーを睨む。なにしろ私は100株必要なんだから。

春までもたせて、夏の花ときりかえるには11月中旬～下旬が一番いいのだけけれど、キチガイ天気相手なので、こだわるのはやめた。

　「よし！決行いたしましょう。ただし虹色パンジーは確かに色はいいけれど、貧者の私が100株買うのは、神さまがお許しにはならないでしょう（笑い）」