政党が「政策活動費」などとして国会議員に支出し、使途を報告する必要がない金が2022年の1年間で計約16億4千万円に上ったことが朝日新聞の集計でわかった。自民党が最も多く14億1630万円だった。自民では政治刷新本部が立ち上がって政治資金規正法改正に向けた議論が始まったが、透明性の低い政策活動費のあり方について改善を求める声も高まっている。(東郷隆、編集委員・伊藤嘉孝)
自民党から7210万円の「政策活動費」を受け取ったとする二階俊博元幹事長の領収書のコピー
政治団体の収支は政治資金収支報告書に記載することになっているが、政党から議員個人に支出される「政策活動費」は、使途の公表義務がない。政治資金規正法が「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにする」ことを目的とするなか、「抜け穴」の一つと指摘されてきた。
受取額が最多だったのは、自民の茂木敏充幹事長で、24回にわけて党側から計9億7150万円を1年で受け取っていた。1日で計1億7850万円を受け取ったこともあった。党幹事長室は取材に「党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うために、党役職者の職責に応じて支出している」と文書で回答した。
ここ数年で見ても、最も多くを受け取っているのは毎年、自民の幹事長で、在任期間が長かった二階俊博氏は幹事長時代(16年8月~21年9月)に160回にわけて計約47億7千万円を受け取った。受け取った後、何にどう使われたかは公開されていない。
兵庫県明石市の前市長・泉房穂氏(60)が14日までに自身のSNSを更新。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件について言及した。
今回の裏金事件を受け、自民党が党内に新設した政治刷新本部のメンバーに就いた複数の安倍派議員が、同派からパーティー収入の一部の還流を受け政治資金収支報告書に記載せず裏金にしていた可能性があることが判明。岸田文雄首相(党総裁)は不記載だった議員の交代を否定している。
岸田首相は官邸で記者団に、刷新本部の人選について党執行部を中心に中堅、若手の意見も反映させるという観点から選んだとし「特定の派閥がどうこうというのではない」と説明。当該議員を交代させるかどうか問われ「党が一致結束して信頼回復のための議論を行うに当たって、特定の人間を排除するのは適切ではない」と述べた。
自民党の派閥の政治資金を巡る事件で、東京地検特捜部が安倍派の幹部らの立件を見送る方向で検討しているとみられることがわかりました。
安倍派では、パーティー券の販売ノルマを超えた収入が所属議員側にキックバックされ、派閥の収支報告書に記載されていない疑いがあります。
その後の関係者への取材で、特捜部が安倍派の幹部らの立件を見送る方向で検討しているとみられることがわかりました。幹部らは任意聴取に対し、キックバックの不記載について「派閥の会長と会計責任者で決めていた」と説明し、自らの関与を否定していたということです。
特捜部は会計責任者について、在宅での立件に向けて詰めの捜査をしているとみられます。(ANNニュース)