川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

ガバナンスは50年100年のスパン コンプライアンス・内部統制は30年のスパン

2021年10月19日 | 桐蔭学園(の栄枯盛衰)
このブログの人気記事に,我が母校「桐蔭学園の衰退の原因」という記事がある。学校法人のガバナンス体制を問題視したもの。

マンモス校桐蔭学園は卒業生だけでたしか3万人? 5万人?もいる。親兄弟を含めた利害関係者だともう数十万人の関係者がいらっしゃる。今後もヒットする記事になるでしょう。

この「学校法人のガバナンス」を改めて考えると,カリスマ校長が学校を反映させることができても,それは一時的なもの。30年くらい。

カリスマ校長がいなくなっても学校の名声・業績を維持できるか。それは(校長を縛る)ガバナンスの問題。端的には学校法人の理事会の問題。だからガバナンスの方が,スパンが長い話。

桐蔭学園は鵜川昇というある意味カリスマ?的な校長が一時的な繁栄を演出した。立地や時代背景(高度経済成長は体育会系体質にマッチした)に恵まれた部分もあった。

しかし昭和→平成の転換期に中高6年間を桐蔭学園で過ごした私は,「昭和の桐蔭」(強かった体育会系的体質)が,平成の時代に,時代との調和に戸惑っているように思えた(体罰を行う教師をどう扱うか,等)。まあ体罰はだいぶ残っていた。デコピンとかケツバットとか。

平成前期は,昭和の勢いを借りて成績は伸びていたけど,平成後期には見事に失速した。鵜川昇校長は実はカリスマではなかった。時代の変換になすすべはなかった。ガバナンスも効いてなかった。鵜川昇校長自身が理事長だったから,制度的にガバナンスの利かせようがなかった。

校長(や社長)が司るのはガバナンスではなくコンプライアンスないしは内部統制。コンプライアンスや内部統制が,一人のカリスマトップにより賄われることができるとしても,せいぜいその人が死ぬまでの30年くらい。

一方,校長や社長を縛るのがガバナンス。ガバナンスは,コンプライアンスや内部統制よりも,息が長い話し。その学校法人の理念や,会社の社是とか企業理念というものを,50年100年のスパンで,見守っていく。伝統を継いでいく。

それがあるべきガバナンスなんだろう。今流行りのMVVとかパーパス経営とかにつながってきますね。

人の寿命という属人的な要素に依存しない長いスパンが,学校法人のガバナンス。やっぱりコンプライアンスよりもガバナンスの方が大事といえますねえ,長期的視点だと。

まあ,中学高校を選ぶときには,自分(子ども)が過ごす数年さえよければいいと考えると,学校法人のガバナンスまでは,進学や受験(進路選択)において考慮要素にはならないんでしょうけど…。






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