川塵録

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古典から学ぶ美しさ

2025年03月04日 | 古典・漢籍
【執筆原稿から抜粋】

古典から学ぶ美しさ・カッコよさ

古典から学ぶ価値観の一つが、美しさやカッコよさです。

これまで紹介してきた漢籍から、「なんだかカッコいいな」と感じていただければ嬉しいですが、そうでない方も、これから紹介する言葉に期待して下さい。

アタマ・理性・知識で考える「正しさ」のみならず、ココロ・感性・意識で感じる「美しさ」が古典の価値です。

「正しさ」は往々にして歪み、やがて色褪せます。

日本近代史でも、鎖国政策、富国強兵、皇国史観、八紘一宇、マルクス主義、終身雇用、24時間戦えますか、、など、かつて一斉を風靡した「正しい」考えでも、数十年経つと批判されるものは多いです。

正しさと異なり、「美しさ」は色褪せません。

変わらぬ「不易」と変わる「流行」のバランスを取る不易流行が大事です。その「不易」にあたるのが美しさで、「流行」にあたるのが正しさです。


古典から学ぶ「美しさ」とは

古典から学ぶ「美しさ」とは、分析的に考えると、要するに

  • 積極性(奉仕の精神)
  • 長期的な時間軸・精神的な価値観

です。

普通の人がやらないことを、奉仕の精神を発揮して敢行することに、人は美しさを感じます。

だれでも楽をしたい。だれでも逃げたい。

そういう自分の弱いココロに鑑みて、自分にはできない自己犠牲・利他の精神を発揮している人、自分の弱いココロに打ち克った勝者に、我々は憧れの気持ちとともに美しさを感じます。

また、そういう利他的な行動は、多くの場合、精神的な修養に基づいています。

俗物的な短期的な利益ではなく、精神的で長期的な価値を重視する。

そういう「目に見えない」ものに我々は崇高さと美しさを感じます。
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