世の中、うんざりするほど暗い話ばかりだ。コロナ感染、人種差別、貧困、暴力、経済危機、政治家の不正などだ。世界は、まったく光の見えないトンネルに入り込んでんしまってる。少しは明るい話がないのかと、いつものようにネットでニュースを読んでいたら、イギリスでのスーザンボイルのオーディション参加の記事を目にした。そして、オーディション映像を見た。オーディションに出なければ、誰もスーザンボイルの名を永遠に知る事はなかっただろう。参加時、田舎でひっそり生きてきた、もじゃもじゃ頭の47歳のスーザンが舞台に出てきた時、見ていた聴衆や審査員はここに何しに来たのと思ったに違いない。彼女にすごい才能がある事に誰も気づかなかった。スーザンが「夢破れて」歌い出した時、彼女の美声に会場は静まり返った。え、このおばさん、やるじゃない、詩も彼女の人生を投影するようなものだ。私も思わず、スーザンの美声に引き込まれてしまった。歌い終えた時、会場は拍手の嵐に変わった。私も興奮してこぶしを上げた。久しぶりに感動を味わった。審査委員も開催以来3年間で初めての感動を味わったと、興奮していた。一番、感動したのは、スーザン本人なのだろう。始めて人前で歌を披露して多くの人を感動させたのだから。皮肉にも「夢破れて」を歌って長年の夢を実現させたのだ。スーザンはその後、プロとしてデビュウーした。今もプロ歌手として活動している。スーザンは成功した。しかし、どの世界でも成功者は1%だ。多くの人間は夢を持ちながら夢を実現できないのだ。今、コロナ危機で夢を実現した者さえ、破産、失業、引退の危機に直面している。人生は困難さと葛藤に満ちてる。幸福の女神はなかなか微笑まない。夢破れて去ってゆく人間の後ろ姿を見るのは、つらいものがある。それでも、人は夢なしでは生きてゆけない。1%の成功を目指して、誰だって夢を持つ、夢を語る権利や自由はあるのだ。誰だって成功したい。しかし、成功の美酒を飲めるのは一握りだ。それでもあきらめてはいけない。人生は試す事に意義があるのだ。あきらめずにやり続けていれば、光がさす時が来る。信じる事だ、自分を信じないで誰が信じるのだ。信念は岩盤をも貫通させる。つらい事が多い人生だが、人生は生きるに値する。信じよう!