昨日の夜は、本屋さんでガルシア=マルケスの『百年の孤独』を発見!
大喜びで買って帰りました。
文庫本ではなく単行本。
文庫化されているのかなぁ?
ちょっと高かったので、文庫化されているなら、ショックかも。
その後、部屋の中で岩井三四二の小説『たいがいにせえ』を読んでおりました。
降りかかる無理難題に挑む人々を描いた七つの短編集。
歴史小説であります。
巻頭の『祇園祭に連れてって』は、応仁の乱以来、三十三年も途絶えている祇園御霊絵の山鉾巡業を復活させることを命じられた小役人・三左衛門の物語。
続く『一刻は千年』は、村上水軍で二百石積みの船の航海士を任されている次郎兵衛の恋の悩みの物語。
三番目の『太平寺殿のふしぎな御くわだて』は、海賊襲来の知らせを受けた尼寺の混乱する下働きの女達の物語。
四番目の『信長の逃げ道』は、信長の金ヶ崎退却が題材。信長の退却ルート上にある近江朽木谷の豪族である朽木家の家老・宮川右衛門尉が主人公のお話。
五番目の『バテレン戦は沖を漕ぐ』は、大友宗麟の依頼でルイス・フロイス一行を堺まで送り届けることとなった船頭の仁左衛門が、我が儘放題のフロイスと、バテレン嫌いの海賊衆との間で板挟みになっていくお話。
六番目の『あまのかけ橋ふみならし』は、謀反をおこした荒木村重が自分の城から姿を消した事で混乱する城内の様を、置き去りにされた村重の妻を主人公にして描いた作品。
ラストの『迷惑太閤記』は、小瀬甫庵の「太閤記」に自分の武勲を間違って書かれてしまった笠木儀兵衛の物語。
上からは無茶を言われ、下からは突き上げをくらう。
世界は歴史は英雄といわれる人だけで作られているわけではなく、無茶な注文を、あちらをなだめ、こちらをおだてて、何とか活路を開いていく人がいて何とかなっているのでありますね。
でも、そんな立場に立たされれば大変でありますね。
私だったら、卓袱台のひっくり返しをしてしまうかも。
とても面白い短編集でありました。