昨日の夜は、鯨 統一郎の小説『浦島太郎の真相 恐ろしい八つの昔話』を読んでいました。
舞台は、渋谷の「森へ抜ける道」という名の日本酒バー。
常連客の主人公は同年代の山内と店のマスターの厄年トリオの男3人でお酒を飲みながら馬鹿話をしている。
主人公は馬鹿話からいつも仕事の関係で知る不可解な殺人事件のことを話してしまう。
否、山内とマスターが同じく店の常連客の大学院生・桜川東子さんの気を引く為に主人公に不可解な殺人事件のことを喋るように話を持っていってしまうのだ。
東子さんは不可解な殺人事件を日本のお伽話を例えに出して見事な推理を披露する……。
8つの短編ミステリー集です。
物語の舞台はバーの中だけです。
安楽椅子探偵バージョンですね。
「昔話はなぜ生まれたのか?」と言うお話でもあります。
取り上げられるのは、「浦島太郎」、「桃太郎」、「カチカチ山」、「さるかに合戦」、「一寸法師」、「舌切り雀」、「こぶとり爺さん」、「花咲爺」の8つです。
昔話の由来を考えたり想像したりして妄想するのは私は大好きなので面白かったです。
もちろん私の解釈とは違うのですがそこが面白いです。
各話とも導入部は厄年トリオの3人のお酒を飲みながらの怒涛の昭和の薀蓄合戦。
ここは正直言って私にはちんぷんかんぷんでした。わからん。
でも楽しげに酔っぱらっての会話で面白かったです。