昨日の夜は、映画『カナリア』のDVDを観ていました。
カルト教団・ニルヴァーナの施設で妹と共に暮らしていた光一は、ニルヴァーナがテロ事件を起こして強制捜査が入った後に、児童相談所に預けられていた。
妹は祖父母に引き取られたが、光一は祖父母に引き取りを拒否された。
彼の母親はテロ事件の容疑がかかっていて逃亡している。
ある日、光一は妹がいる東京を目指して児童相談所を脱走した。
彼はその道中である少女と出会う……。
監督は、塩田明彦。
出演者は、石田法嗣、谷村美月、西島秀俊、りょう、つぐみ、甲田益也子、渡辺真起子、水橋研二、戸田昌宏、品川徹、井上雪子、味野和明日架、など。
ロードムービーです。
ニルヴァーナという教団は明らかにあの教団なわけです。
でも物語の主題はあの教団を描くことではないのです。
であるならばここまであからさまにあの教団を描いてしまったらあの教団のイメージをこの映画は無意味に取り込むことになってしまいます。
あの教団の事を描きたいならばこの映画の物語ではなく、別の物語にするかドキュメンタリーにすればよいのです。
主題をきちんと描きたいならきちんと主題を骨格にして肉付けした方が良いです。
しかも薄っぺらい。
進退が極まってどうして良いのか分からなくなった時の怖くて寂しくて心細くて辛い時に人はどのような反応をするのか。この部分でこの映画は首をかしげるところがあります。
そして長い間、恨みを持っていた少年が唐突に悟る……。そして「これからどうするのか?」という問いに無責任な結論……。
狙いは分かるのだけれどもあざといし安易です。
主役の2人の演技は良かったのですが、薄っぺらい台詞がたくさんあって……。
すみません。
げんなりとした映画でありました。
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