潮は驚いた。「人間のガキ! お前変な奴だったよっ。だけどな、すっごく格好いいぜ!!」「イズナ!」追おうとする潮の腕をとらが取った。「あいつはもうダメだ、行くぞ!」「離せ!! 俺はもう嫌なんだよ! 俺と関わって死ぬ奴を見るのわぁッ!!」潮はとらの手を振りほどいた。「潮!」「獣の槍ぃっ! 残りの魂、くれてやるぅううッ!!」槍は激しく発光した。「イズナぁあああっ!!」「ば、馬鹿、来るんじゃねぇ!!」「ぁああああッ!!!」槍を構え、血袴に突っ込んでゆく潮。純は悟の頭を持ち顔を近付け、念を送った! 獣の槍が血袴の胴に命中する。「うおおう、ああッ?! 獣の槍ぃいいッ!!!」血袴は砕け、射し込んできた純の念で滅せられた。イズナの尾を掴んだ潮。念の光が迫る。「逃げ切れねぇ!」「俺を助けるからっ」危ういところで、飛んできたとらが潮を掴まえ、連れて二人とも引き下げた。「ワシも付き合いいいよなぁ」とらはうんざりと呟いた。
程無く、悟は目覚めた。「お兄ちゃん」「純」純はライダースーツは着ていたが、胸元は緩かった。悟に抱き付いて泣く純。「ずっと、声が届いていたよ」「蒼月君が、潮君がとらとお兄ちゃんの中にいてくれたから」「彼らはどこだ?!」「まだ戻ってない」流の応えに、拳を握る悟。「私は嫉妬していたに違いないっ。突け込まれてしまったんだ! こんな私の為に、命まで懸けてくれたのにっ」涙を溢す悟。その涙が地に落ちると、そこから潮達が元の大きさで飛び出してきた!
「あー、疲れた」とらはボヤいた。「潮!」「ただいま、流兄ちゃん」笑って潮を抱え起こす流。「こいつぅ」乱暴に潮の頭を撫でる流。「お兄ちゃん、八つの時、助けて貰ったこと、覚えてる? あの時、叫ぶつもりじゃなかった。ずっと言いたかったの、ありがとうって」悟は純の頭に手を置いた。「ずっと昔から、聞こえてたさ」
7に続く
程無く、悟は目覚めた。「お兄ちゃん」「純」純はライダースーツは着ていたが、胸元は緩かった。悟に抱き付いて泣く純。「ずっと、声が届いていたよ」「蒼月君が、潮君がとらとお兄ちゃんの中にいてくれたから」「彼らはどこだ?!」「まだ戻ってない」流の応えに、拳を握る悟。「私は嫉妬していたに違いないっ。突け込まれてしまったんだ! こんな私の為に、命まで懸けてくれたのにっ」涙を溢す悟。その涙が地に落ちると、そこから潮達が元の大きさで飛び出してきた!
「あー、疲れた」とらはボヤいた。「潮!」「ただいま、流兄ちゃん」笑って潮を抱え起こす流。「こいつぅ」乱暴に潮の頭を撫でる流。「お兄ちゃん、八つの時、助けて貰ったこと、覚えてる? あの時、叫ぶつもりじゃなかった。ずっと言いたかったの、ありがとうって」悟は純の頭に手を置いた。「ずっと昔から、聞こえてたさ」
7に続く