「獣の槍、獣の槍が我を探すわ。白面の者と呼ばれる我を」深海で暗い目をしていた。「長い年月、我はここに眠ってきた」岩壁に張り付くようにしている白面。「だが、目覚めの日は近い。感じるぞ、獣の槍。あの槍が妖怪を殺す度に、俺の体が疼くのだ! 獣の槍を破壊しろっ!」白面は尾から毛とも線虫ともつかないモノを出した。それは目と耳を持つモノに変化し、「獣の槍を探せッ!」白面の命に従い、海面へと浮上して行った。無数に!!
霧立ち込めるフェリーターミナルから出てきた潮は槍をを手に、伸びをした。「ついに来たぜ北海道。長かったなぁ」「おめぇ毎度毎度ロクでもねぇことに首を突っ込むからだ」「うっせーなぁ」軽く憑いてるとらと揉めつつ、宿を探して霧の町へ歩いてゆく潮。その後方に大型バイクが停まり、乗り手が潮達の後ろ姿を見ていた。
そのまま霧の中、歩き続けた潮は町を抜けて月明かりに照らされた平原に出てしまった。「ええ?」「何やってんだ?」呆れるとら。「しょうがねぇだろ?!」「たくっ、どうしようもねぇなぁッ!」また揉めていると、霧の中から学生服姿の短髪の女が現れた。「人か?」潮が女に戸惑っていると、背後からただならぬ妖気を感じた。「発見! 発見ッ!!」自動車並みに大型化し、口を出し、蜘蛛のように変化した白面の使いだった。「潮!」「おうっ!」構える二人。「獣の槍ぃいいッ!!」喰い付いてきた使い魔を槍で受ける潮。「何だ?」正体がわからない潮。と、さっきの女が両手に持った『櫛』に念を込め、使い魔を打ち据えた。頭部が割れる。これにとらは姿を消した。
「金克木! 汝、木気の化生を克す也ッ!」女が気合いと共に櫛を振るうと使い魔は爆散して滅っせられた。「白面の者が放った婢妖か」呟く女。「何? 何だ?」「蒼月潮か?」「そうだけど?」
2に続く
霧立ち込めるフェリーターミナルから出てきた潮は槍をを手に、伸びをした。「ついに来たぜ北海道。長かったなぁ」「おめぇ毎度毎度ロクでもねぇことに首を突っ込むからだ」「うっせーなぁ」軽く憑いてるとらと揉めつつ、宿を探して霧の町へ歩いてゆく潮。その後方に大型バイクが停まり、乗り手が潮達の後ろ姿を見ていた。
そのまま霧の中、歩き続けた潮は町を抜けて月明かりに照らされた平原に出てしまった。「ええ?」「何やってんだ?」呆れるとら。「しょうがねぇだろ?!」「たくっ、どうしようもねぇなぁッ!」また揉めていると、霧の中から学生服姿の短髪の女が現れた。「人か?」潮が女に戸惑っていると、背後からただならぬ妖気を感じた。「発見! 発見ッ!!」自動車並みに大型化し、口を出し、蜘蛛のように変化した白面の使いだった。「潮!」「おうっ!」構える二人。「獣の槍ぃいいッ!!」喰い付いてきた使い魔を槍で受ける潮。「何だ?」正体がわからない潮。と、さっきの女が両手に持った『櫛』に念を込め、使い魔を打ち据えた。頭部が割れる。これにとらは姿を消した。
「金克木! 汝、木気の化生を克す也ッ!」女が気合いと共に櫛を振るうと使い魔は爆散して滅っせられた。「白面の者が放った婢妖か」呟く女。「何? 何だ?」「蒼月潮か?」「そうだけど?」
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