苦しむ潮は半ば獣と化していた。「潮!」呼び掛けるとら。「止せっ! アイツはもう蒼月潮じゃねぇ、『獣』だぜ」警戒するイズナ。潮は吠えた。その頃、光覇明宗総本山の御角の前に淡い光が出現した。和羅達が構えると「よい」と御角は制した。「お懐かしゅう、初代」「初代、この方が」驚く和羅。光は古代中国風の衣と羽衣を纏った女の姿となった。「獣の槍を持つ子が、獣に変わろうとしています」北海道では潮が襲い掛かり「ワシがわかんねぇのかよっ?!」とらを困惑させていた。
これまで『獣』になって人に戻れた者はおらず、御角が潮を救う方法を問うと初代は答えた。「あの『櫛』を使うのです」初代から御角に、御角から潮の母に譲られ、そして今は潮が持つ櫛のことであった。「私は『櫛』を使う少女達の所に向かいます」御角には強い法力僧を集めるよう指示して、初代は去ろうとした。「いつも風のように現れて、去ってしまうのですね」「すまぬのう、いつかゆっくり語り合おうな」初代は消えていった。また総本山には予期したように、紫暮が来ていた。
「あなたの勇気をお貸し下さい」まず勇の元に現れた初代。次に座敷わらしに旅に出ることを予見されていた小夜の前に現れ、編み物をしていた礼子の前に現れ、最後に麻子と真由子の前に現れた。「私はジエメイ。この世に在らぬ者」「真由子そっくり」驚く麻子と、怖がる真由子にジエメイ事情を話した。これまでのことにようやく合点がいった麻子。『櫛』で縁のある女が潮を案じながら梳ることで人に戻すことができる。「来てくれますか」「行くわっ!」叫ぶ真由子。「でもどこに?」麻子に問われ、ジエメイは北海道旭川と答えた。そこへ「乗って!」礼子がタクシーで駆け付けた。
北海道で潮が流達の三日月の結界を破って逃走する中、麻子達はタクシーで空港に向かっていた。
2に続く
これまで『獣』になって人に戻れた者はおらず、御角が潮を救う方法を問うと初代は答えた。「あの『櫛』を使うのです」初代から御角に、御角から潮の母に譲られ、そして今は潮が持つ櫛のことであった。「私は『櫛』を使う少女達の所に向かいます」御角には強い法力僧を集めるよう指示して、初代は去ろうとした。「いつも風のように現れて、去ってしまうのですね」「すまぬのう、いつかゆっくり語り合おうな」初代は消えていった。また総本山には予期したように、紫暮が来ていた。
「あなたの勇気をお貸し下さい」まず勇の元に現れた初代。次に座敷わらしに旅に出ることを予見されていた小夜の前に現れ、編み物をしていた礼子の前に現れ、最後に麻子と真由子の前に現れた。「私はジエメイ。この世に在らぬ者」「真由子そっくり」驚く麻子と、怖がる真由子にジエメイ事情を話した。これまでのことにようやく合点がいった麻子。『櫛』で縁のある女が潮を案じながら梳ることで人に戻すことができる。「来てくれますか」「行くわっ!」叫ぶ真由子。「でもどこに?」麻子に問われ、ジエメイは北海道旭川と答えた。そこへ「乗って!」礼子がタクシーで駆け付けた。
北海道で潮が流達の三日月の結界を破って逃走する中、麻子達はタクシーで空港に向かっていた。
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