月夜、岩山の傍で、15個の石で囲まれた目玉の絵図に痩せた黒衣の男が奇妙な溶液を垂らした。絵図は水の波紋のように揺らめき、燃え上がり、目玉が閉じて開くと瞳の中から眼魔眼魂が二つ現れ2体の素体眼魔と化した。黒衣の男が日本刀と槍の刃を素体に与えると2体はそれぞれ槍眼魔と刀眼魔と化した。黒衣の男は笑った。かつて、同じ岩山の傍で周囲が炎上する中、命尽きようとする天空寺龍が紐を通した武蔵の刀の鍔を幼い息子タケルに託していた。
「父さん」大天空寺の地下の研究室で、昔父から貰った世界偉人録の武蔵の頁を枕に成長したタケルは眠りこけていた。「タケル! 起きてっ!」本を引っ張られ、起こされたタケル。幼馴染みの理系大学生月村アカリだった。「なんだアカリか」「アカリさん、でしょ?」アカリは年上であった。「英雄って、命を燃やして生き切った人達なんだよなぁ」偉人録がお気に入りのタケル。「命というのは概念だから燃えないわっ」武蔵のように強い、ゴーストハンターになりたいと唐突に言い出すタケル。しかしゴーストは見えないらしい。どういうことだよ?「非科学的過ぎ」呆れるアカリ。と、「タケル殿!」御成が呼びに来た。
街では特に理由も無く、普通の人々に見えない刀眼魔が手当たり次第道行く車を切断し、槍眼魔は半笑いで遊園地のアトラクションに伸ばした槍を突き刺し鉄塔にぶつけて、乗っていた人々を潰して炸裂させて皆殺しにしていた。これが原因不明の怪事件として報道されていた。御成はゴーストの仕業と騒ぎ、アカリは無いと否定し、タケルは信じると言ったものの、歯切れは悪かった。ここで、眼魔達に襲われ逃れてきた郵便配達員が小包を届けてきた。消印は10年前、父からだった。タケル達が驚いていると、小包は突然真っ二つにされた!「なんだろうこれ?」引っくり返ったタケルは割れた小包の中から
2に続く
「父さん」大天空寺の地下の研究室で、昔父から貰った世界偉人録の武蔵の頁を枕に成長したタケルは眠りこけていた。「タケル! 起きてっ!」本を引っ張られ、起こされたタケル。幼馴染みの理系大学生月村アカリだった。「なんだアカリか」「アカリさん、でしょ?」アカリは年上であった。「英雄って、命を燃やして生き切った人達なんだよなぁ」偉人録がお気に入りのタケル。「命というのは概念だから燃えないわっ」武蔵のように強い、ゴーストハンターになりたいと唐突に言い出すタケル。しかしゴーストは見えないらしい。どういうことだよ?「非科学的過ぎ」呆れるアカリ。と、「タケル殿!」御成が呼びに来た。
街では特に理由も無く、普通の人々に見えない刀眼魔が手当たり次第道行く車を切断し、槍眼魔は半笑いで遊園地のアトラクションに伸ばした槍を突き刺し鉄塔にぶつけて、乗っていた人々を潰して炸裂させて皆殺しにしていた。これが原因不明の怪事件として報道されていた。御成はゴーストの仕業と騒ぎ、アカリは無いと否定し、タケルは信じると言ったものの、歯切れは悪かった。ここで、眼魔達に襲われ逃れてきた郵便配達員が小包を届けてきた。消印は10年前、父からだった。タケル達が驚いていると、小包は突然真っ二つにされた!「なんだろうこれ?」引っくり返ったタケルは割れた小包の中から
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