清宮は堪えて潤子の体を離した。「ごめんなさい」「いや」力無い潤子。翌日、寺で高嶺が桜庭家の合鍵を見ていると「結局兄さんには1回も勝てなかったなぁ。潤子さんを選ぶと思ったんだけどなぁ。住職になれない俺の電話には業者も出てくりゃしないよ」私服に着替えたが、まだ少し含むところのある様な天音が現れた。「どうしたの? 死んだ人みたいな顔してる」高嶺は立ち去った。ELAでは顔を出した潤子を皆が祝福したが「潤子先生を振ってくれた星川さん様々っていうか」と蘭が口を滑らせ、やや気まずい空気になったりもしていた。夜、桜庭家では元気の無い潤子の事情を知らない母が潤子が蟹の次に好きだというアジフライを山盛り揚げていた。
「限度があるんだよね」潤子がボヤきつつ、訳を話そうとしたところで、高嶺が鍵を返しに来た。潤子と別れたという高嶺の話を冗談だと思う母達だったが「お邪魔しました」高嶺が鍵を置いて去り、潤子が泣いてアジフライを食べ出すと「話着けてくる」父は高嶺の後を追い掛けて行った。高嶺は潤子の父が見当違いの方へ自分を探しに行こうとしていたので思わず「お父さん、お父さん!」と呼び止めてしまった。近くのベンチに座った父と高嶺。
父は自分の半纏を高嶺の遠慮を押して着せて、銭湯の話を始めた。「昔、家族でよく行ってさぁ。俺、男湯でいつも一人ぼっちだった。ちょっと寂しかったんだ。息子がいたらなぁ、なんて、いつもそう思ったりして」俯く高嶺。「なんかごめんね、どうでもいい話して」「いえ」「それじゃ」父はそれ以上は何も言わず、団地に戻って行った。見送るしかない高嶺。その夜の内に、寧々から由希へ、由希から蜂屋へ、蜂屋から女性スタッフへとELA全体に話が伝わり、一同は潤子と高嶺を仲直りさせようと盛り上がった。
結果、仲直り方法の打ち合わせに
2に続く
「限度があるんだよね」潤子がボヤきつつ、訳を話そうとしたところで、高嶺が鍵を返しに来た。潤子と別れたという高嶺の話を冗談だと思う母達だったが「お邪魔しました」高嶺が鍵を置いて去り、潤子が泣いてアジフライを食べ出すと「話着けてくる」父は高嶺の後を追い掛けて行った。高嶺は潤子の父が見当違いの方へ自分を探しに行こうとしていたので思わず「お父さん、お父さん!」と呼び止めてしまった。近くのベンチに座った父と高嶺。
父は自分の半纏を高嶺の遠慮を押して着せて、銭湯の話を始めた。「昔、家族でよく行ってさぁ。俺、男湯でいつも一人ぼっちだった。ちょっと寂しかったんだ。息子がいたらなぁ、なんて、いつもそう思ったりして」俯く高嶺。「なんかごめんね、どうでもいい話して」「いえ」「それじゃ」父はそれ以上は何も言わず、団地に戻って行った。見送るしかない高嶺。その夜の内に、寧々から由希へ、由希から蜂屋へ、蜂屋から女性スタッフへとELA全体に話が伝わり、一同は潤子と高嶺を仲直りさせようと盛り上がった。
結果、仲直り方法の打ち合わせに
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