ルパン三世 ５

相応しい墓に入れてやる」銭形は鍵で牢獄を開けた。中へ入って近付いてゆくと、倒れたルパンの姿が膨張したように見えた。唖然とする銭形。「あああっ？！」銭形は気付いた。それは『絵』だった。「いやぁ、長かったぜ？」開いた戸の外にルパンがいた。「ルパンっ！」「おっと動くな」一瞬で奪っていた銭形の銃を構え、やはり奪った鍵も掲げてみせるルパン。
「やりやがったな？！」ルパンは通常の監獄では脱獄を銭形に全て見破られてしまう為、少しずつ条件を厳しくさせ、最終的に監視カメラのも無い、銭形とサシで向かい合える孤島に自分を移させ、覗き窓の前で会話して背後を隠ししつつ、残した料理を絵の具代わりにして床に覗き窓から見ると立体的に見えるように絵を描き、倒れた自分を銭形が回収しにくるその時を待ち構えていた。「俺に作らせたという訳かっ、脱獄専用の監獄を！！」「どれだけ完璧な監獄だろうと、たった一度だけ扉が開く瞬間がある。囚人が死んだ時」「こんな芝居、いつ思い付いた？」「あの時だよ」『絵みたいだなぁ』連行時、ルパンは言っていた。
「今回ばかりは命懸けだったぜ。まぁ、でもこれでまた刑事が続けられるなぁ、とっつぁん？　ま、ここを出られたらの話だけど」ルパンは銃を構えたまま下がり、笑って牢獄の扉を閉めた。銭形もまた、腹のそこから愉快そうに笑い出すのだった。その後、やつれた銭形は警察によって牢獄から救出され、ルパン脱獄が発覚した。ニクスは案外普通に自宅に戻り、平穏にしながら家族と共にニュースをみて「懲りない男だ」と呟いていた。当座のアジトで静養して回復したルパンはレベッカからネクタイを返されていた。「たくっ、人の金でメシ食いやがって」ソファでボヤく次元。ルパンは資産を没収されていた。「心配しちゃった私の時間返してよ」不二子も来ていた。五ェ門も黙って部屋にいた。
　　　　　６に続く

ルパン三世 ６

「俺様を誰だと思ってるんだ？　例えこの世界が滅んでも、ルパン三世の時代は終わらねぇ」言いつつ、ルパンは青ジャケットを着込んだ。
一方、MI-６の施設から、何者かが逃げ出していた。「ヤツがこの世界に適応してしまえば、世界が変わる！！」ニクスの上官は警戒した。そして、その者はコロッセオの縁に全裸で立っていた。「これが、ローマ」その者は現代の街並みを見詰めていた。
・・・まさかの柱の男、登場っ！　やはり最後は考えることをやめてしまうのか？！　ルパンの波紋修行ターンはあるのかっ？　意外と探索冒険系というよりバトル系のエピで締める感じなのかねぇ。