起床して窓を開けると雨、しかも雨足が強い。
その雨の中、早くも登山グループの姿が見られる。夜行バスで到着しての行動のようだ。
今日はネイチャーガイドの案内で、明神池までの散策が予定されているが、どうなることか ?
*
洋食セットの朝食の他、飲み放題の具沢山の豚汁が美味しかった。
*
天気予報では終日雨とのことだったが、雲が切れて来て近くの山が顔を覗かせるようになったので
雨具を着けて集合場所へ。
我々はレインウェアを用意していたが、準備して来なかった方にはホテルでポンチョを借りること
ができた。
小生は写真を撮るために、ホテルの傘を借りる。
参加者は万一のため、フロントで保険の登録をするという用意周到さに、当然のことながら安心す
る。
今日のネイチャーガイドは『さくら』さんという若い女性と、『レオ』さんという若い男性。
通常1時間で行けるという明神までの梓川左岸のコースを、2時間ほどかけて案内するという。
ガイドは往路のみで、そこから自由行動になるので、帰りのコースなどの説明がある。
*
ホテルを出発すると直ぐに『上高地ビジターセンター』の立派な建物が見えてくる。
その先には小梨平のキャンプ場がある。
初めて上高地へ来たのは昭和30年8月で、ここでキャンプをした時のことが思い出される。
当然ながらその当時とは全く様変わりをしている。
キャンプ場も大きくなり、点々とテントが張られており、また今朝到着した方々がテントを張る
準備をしている姿も見られる。
*
この周辺には花々が目立ち、早速『さくら』さんから説明がある。
[ヤチトリカブト](谷地鳥兜)キンポウゲ科:
猛毒で有名なトリカブトで、沢沿いにかなりの数が咲くという。
[ミヤマセンキュウ](深山川�)セリ科 :
葉がセリのように細かく切れ込みます。
[ゴマナ](胡麻菜)キク科:
上高地の秋を彩る、白いキクの花です。葉がゴマの葉に似ていることが名の由来とされています。
[ソバナ](岨菜)キキョウ科 :
「岨」は切り立った崖という意味です。茎は細く、先の方は蔓状になることがあります。
*

*
その後は林の中の比較的傾斜の緩い道を、『さくら』さんの地形、樹々、草花などなどの説明を聞きながら、のんびりと歩きました。
時折林の中からコマドリやウグイスの囀りが聞こえていましたが、その姿を見ることはできませんでした。
*
2時間ほどで明神館前に着く頃には雨も上がり、ここでガイドのお2人とはお別れです。
数年前からこの仕事に就いたという『さくら』さんの博識ぶりは流石のものでした。
*
レインウエアを脱いで一息入れましたが、下着まで汗まみれになっていました。
それに天気が好転するとは思ってなかったので、ホテルで用意してあった『ランチボックス』を置
いて来たのが悔やまれます。
雨が降っていれば、ここから引き返すことにしていましたが、青空も覗いているので明神池から梓
川の右岸を通ってホテルへ戻ることにしました。
雨が止んだためもあってか。明神館前のお花畑には蝶が多く飛来していました。
1人の男性の手に止まった蝶をカメラに収めさせてもらいました。
*

『さくら』さんが居なくなってしまったので、こ
の初見の蝶の種類が分かりませんでしたが、図鑑
によれば[サカハチチョウ]の夏型と分かりまし
た。
*
梓川に架かる『明神橋』も新しく作り替えられたようで、立派になっていました。
ここから『明神岳・2931m』が見える筈ですが、まだ頂上付近に雲がかかり全容を見ることはできません。
かって、神河内・徳本と呼ばれた明神からの山姿は、元々から穂高岳と称されていましたが、今は知る人もないとは『さくら』さんの説明にあり
ましたが、平成3年5月に来た際には、早朝新雪を被った明神岳の見事な姿を見ることができたことを思い出しました。
*
明神橋を渡ると、この右岸には、ウェストンを北アルプスに案内した猟師の嘉門次が建てた嘉門次小屋があり、その奥には穂高神社の奥宮があり
ます。
奥宮の境内となっている明神池は美しい池として知られています。参拝料(300円)を払って境内に入りました。
*
明神池
河童橋から梓川沿いを上流へ約1時間ほど歩くと、明神岳が間近に迫り、山小屋などの集まる一帯が明神。
この奥まったところにある大小二つの池を称して明神池と呼ぶ。
池畔には穂高神社奥宮が鎮座し、池は穂高神社の神域となっている。(里宮は安曇野市穂高、JR穂高駅前)
梓川の古い流路が明神岳からの崩落砂礫によって堰止められてできた池で、明神岳からの伏流水が常に湧き出てい るため透明度が高い。
池を覗くようにそびえる明神岳、鬱蒼と生い茂る深い森、池を囲む熊笹、湖面に点在する岩など、その考えされつくしたような趣はまるで日本庭
園の様相。
毎年10月8日に行われる例大祭、通称お舟祭りでは平安朝風の飾りをつけた舟が浮かび、一年の山の安全と万物永世安静が祈願される。 【上高地公式ウェブサイト】
*

静かな水面に樹々の緑や山影が映り、まさに日本
庭園の中にいるようだ。
しかし、この頃になると日帰りの団体客が多くな
って、なにやら賑やかな雰囲気になり、どうも落
ち着いて景観を楽しむというような気分になれな
い。
*

後を追われるように池を出ると、『嘉門次小屋』
の前にある[ハンゴンソウ]に止まっている[ア
サギマダラ]を妻が見付ける。
伊良湖岬で渡りの前に見た個体とは異なり、如何
にも生き生きとした個体だ。しばしその姿を追う。
*
その嘉門次小屋も、かっての素朴な建物はそのままだが、その前方の庭に食事処があり、昼時とあ
ってほぼ満席の状態だ。
これも時代の流れというか、こうしたことで生計が保たれているとしたら、あのウェストンを案内
したアルプスの名ガイド、嘉門次さんは何と思っていることだろうか。
庭の前方の薮の陰にひっそりと立っている嘉門次の碑、誰も関心を寄せてはいないようだった。
*

その後は梓川の右岸を河童橋へと戻りましたが、
こちら側はアップダウンが多く、しかも木道が大
部分なので、雨上がりで足元が滑り易く、気を遣
って歩くことになりました。
*

昼前後の時間帯とあって日帰り組の団体客が多く、
また登山グループの行き交う人々で静寂な雰囲気
の中での散策とはなりませんでした。
それでも林の中の所々に流れ込む沢筋があって、
その付近の景観の素晴らしさに足を度々止めるこ
とになりました。
*

かくしてどうにか河童橋まで戻ってきましたが、
穂高連峰は相変わらず頂上部分が雲に隠れており、
明神岳もスッキリとは姿を見せてくれけませんで
した。
*
ようやくホテルへ戻り、汗を流して『ランチボックス』を食べることができたのは、1時を大きく
回っていました。
画像の左はハンバーガー、右にあるのが鳥肉のサンドイッチ、それに下にあるのがリンゴのワイン
漬けで、私には充分な量でした。
*

昼食後、一休みしてから河童橋を渡り、梓川畔の
穂高連峰の絶好の展望場所でのんびりと過すこと
にしました。
木陰を渡る風が心地よく、避暑気分を満喫するこ
とができました。
天候が回復したせいか,一段と観光客の姿が多く
なっていましたが、午後も3時を過ぎる頃から日
帰り組の姿が少なくなり、静かな雰囲気に浸るこ
とができるようになりました。
穂高連峰の全貌が現われるのを期待していました
が、途切れ途切れに稜線が見える程度で終始しました。
*
この間見られたのは[ノコンギク](野紺菊)、野に咲く紺色の菊とのことですが、この時期に多く見られるとのことです。
また[ヒメキマダラヒカゲ]がクマザサの上に止まったところを見掛けました。
勿論初見の蝶でしたが、これも後ほど図鑑で確認しました。タテハチョウ科、ジャノメチョウ亜科とのことです。
さらに河原の石の上に止まった蝶を撮りましたが、大分羽が痛んでいるようにも見えましたが、これは種類の判定ができませんでした。
*


*
夕方5時過ぎになると、ニホンザルの一群が河童橋の針金部分を伝わってキャンプ場の方へ移動するところを見ることができました。
上高地では動物たちに餌を与えることは禁止されていますが、この時間帯になるとキャンプ場で夕食の支度をすることを知っているようで、その
匂いにつられて移動して行くようです。
*

我々も夕食の時間に合わせるようにホテルへ戻る
ことにしましたが、この時間での穂高連峰と焼岳
の姿を記録しておきました。
*
昨日とは全く異なるメニューでの夕食、特に妻のメニューはハモとオマール海老と変わっており、充分満足した内容になっていました。
明日の天候予報も良くないようですが……。
*
8時40分 ホテル(ネイチャーガイドの案内) … 10時30分 明神 10時50分 … 11時00分 明神池 11時20分 … 嘉門次記念碑 … 梓川右岸 …
13時10分 ホテル(昼食)14時00分 … 梓川畔 … 15時30分 5HORN(ホテル喫茶室)16時00分 … 梓川畔 … 17時00分ホテル … 18時00分 夕食
*
過去の記録
・平成3年5月4日
明神橋付近から明神岳

その雨の中、早くも登山グループの姿が見られる。夜行バスで到着しての行動のようだ。
今日はネイチャーガイドの案内で、明神池までの散策が予定されているが、どうなることか ?
*
洋食セットの朝食の他、飲み放題の具沢山の豚汁が美味しかった。
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雨具を着けて集合場所へ。
我々はレインウェアを用意していたが、準備して来なかった方にはホテルでポンチョを借りること
ができた。
小生は写真を撮るために、ホテルの傘を借りる。
参加者は万一のため、フロントで保険の登録をするという用意周到さに、当然のことながら安心す
る。
今日のネイチャーガイドは『さくら』さんという若い女性と、『レオ』さんという若い男性。
通常1時間で行けるという明神までの梓川左岸のコースを、2時間ほどかけて案内するという。
ガイドは往路のみで、そこから自由行動になるので、帰りのコースなどの説明がある。
*

その先には小梨平のキャンプ場がある。
初めて上高地へ来たのは昭和30年8月で、ここでキャンプをした時のことが思い出される。
当然ながらその当時とは全く様変わりをしている。
キャンプ場も大きくなり、点々とテントが張られており、また今朝到着した方々がテントを張る
準備をしている姿も見られる。
*
この周辺には花々が目立ち、早速『さくら』さんから説明がある。
[ヤチトリカブト](谷地鳥兜)キンポウゲ科:
猛毒で有名なトリカブトで、沢沿いにかなりの数が咲くという。
[ミヤマセンキュウ](深山川�)セリ科 :
葉がセリのように細かく切れ込みます。
[ゴマナ](胡麻菜)キク科:
上高地の秋を彩る、白いキクの花です。葉がゴマの葉に似ていることが名の由来とされています。
[ソバナ](岨菜)キキョウ科 :
「岨」は切り立った崖という意味です。茎は細く、先の方は蔓状になることがあります。
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*
その後は林の中の比較的傾斜の緩い道を、『さくら』さんの地形、樹々、草花などなどの説明を聞きながら、のんびりと歩きました。
時折林の中からコマドリやウグイスの囀りが聞こえていましたが、その姿を見ることはできませんでした。
*

数年前からこの仕事に就いたという『さくら』さんの博識ぶりは流石のものでした。
*
レインウエアを脱いで一息入れましたが、下着まで汗まみれになっていました。
それに天気が好転するとは思ってなかったので、ホテルで用意してあった『ランチボックス』を置
いて来たのが悔やまれます。
雨が降っていれば、ここから引き返すことにしていましたが、青空も覗いているので明神池から梓
川の右岸を通ってホテルへ戻ることにしました。
雨が止んだためもあってか。明神館前のお花畑には蝶が多く飛来していました。
1人の男性の手に止まった蝶をカメラに収めさせてもらいました。
*


の初見の蝶の種類が分かりませんでしたが、図鑑
によれば[サカハチチョウ]の夏型と分かりまし
た。
*
梓川に架かる『明神橋』も新しく作り替えられたようで、立派になっていました。
ここから『明神岳・2931m』が見える筈ですが、まだ頂上付近に雲がかかり全容を見ることはできません。
かって、神河内・徳本と呼ばれた明神からの山姿は、元々から穂高岳と称されていましたが、今は知る人もないとは『さくら』さんの説明にあり
ましたが、平成3年5月に来た際には、早朝新雪を被った明神岳の見事な姿を見ることができたことを思い出しました。
*
明神橋を渡ると、この右岸には、ウェストンを北アルプスに案内した猟師の嘉門次が建てた嘉門次小屋があり、その奥には穂高神社の奥宮があり
ます。
奥宮の境内となっている明神池は美しい池として知られています。参拝料(300円)を払って境内に入りました。
*
明神池
河童橋から梓川沿いを上流へ約1時間ほど歩くと、明神岳が間近に迫り、山小屋などの集まる一帯が明神。
この奥まったところにある大小二つの池を称して明神池と呼ぶ。
池畔には穂高神社奥宮が鎮座し、池は穂高神社の神域となっている。(里宮は安曇野市穂高、JR穂高駅前)
梓川の古い流路が明神岳からの崩落砂礫によって堰止められてできた池で、明神岳からの伏流水が常に湧き出てい るため透明度が高い。
池を覗くようにそびえる明神岳、鬱蒼と生い茂る深い森、池を囲む熊笹、湖面に点在する岩など、その考えされつくしたような趣はまるで日本庭
園の様相。
毎年10月8日に行われる例大祭、通称お舟祭りでは平安朝風の飾りをつけた舟が浮かび、一年の山の安全と万物永世安静が祈願される。 【上高地公式ウェブサイト】
*


庭園の中にいるようだ。
しかし、この頃になると日帰りの団体客が多くな
って、なにやら賑やかな雰囲気になり、どうも落
ち着いて景観を楽しむというような気分になれな
い。
*


の前にある[ハンゴンソウ]に止まっている[ア
サギマダラ]を妻が見付ける。
伊良湖岬で渡りの前に見た個体とは異なり、如何
にも生き生きとした個体だ。しばしその姿を追う。
*

ってほぼ満席の状態だ。
これも時代の流れというか、こうしたことで生計が保たれているとしたら、あのウェストンを案内
したアルプスの名ガイド、嘉門次さんは何と思っていることだろうか。
庭の前方の薮の陰にひっそりと立っている嘉門次の碑、誰も関心を寄せてはいないようだった。
*


こちら側はアップダウンが多く、しかも木道が大
部分なので、雨上がりで足元が滑り易く、気を遣
って歩くことになりました。
*


また登山グループの行き交う人々で静寂な雰囲気
の中での散策とはなりませんでした。
それでも林の中の所々に流れ込む沢筋があって、
その付近の景観の素晴らしさに足を度々止めるこ
とになりました。
*


穂高連峰は相変わらず頂上部分が雲に隠れており、
明神岳もスッキリとは姿を見せてくれけませんで
した。
*

回っていました。
画像の左はハンバーガー、右にあるのが鳥肉のサンドイッチ、それに下にあるのがリンゴのワイン
漬けで、私には充分な量でした。
*


穂高連峰の絶好の展望場所でのんびりと過すこと
にしました。
木陰を渡る風が心地よく、避暑気分を満喫するこ
とができました。
天候が回復したせいか,一段と観光客の姿が多く
なっていましたが、午後も3時を過ぎる頃から日
帰り組の姿が少なくなり、静かな雰囲気に浸るこ
とができるようになりました。
穂高連峰の全貌が現われるのを期待していました
が、途切れ途切れに稜線が見える程度で終始しました。
*
この間見られたのは[ノコンギク](野紺菊)、野に咲く紺色の菊とのことですが、この時期に多く見られるとのことです。
また[ヒメキマダラヒカゲ]がクマザサの上に止まったところを見掛けました。
勿論初見の蝶でしたが、これも後ほど図鑑で確認しました。タテハチョウ科、ジャノメチョウ亜科とのことです。
さらに河原の石の上に止まった蝶を撮りましたが、大分羽が痛んでいるようにも見えましたが、これは種類の判定ができませんでした。
*



*
夕方5時過ぎになると、ニホンザルの一群が河童橋の針金部分を伝わってキャンプ場の方へ移動するところを見ることができました。
上高地では動物たちに餌を与えることは禁止されていますが、この時間帯になるとキャンプ場で夕食の支度をすることを知っているようで、その
匂いにつられて移動して行くようです。
*


ことにしましたが、この時間での穂高連峰と焼岳
の姿を記録しておきました。
*
昨日とは全く異なるメニューでの夕食、特に妻のメニューはハモとオマール海老と変わっており、充分満足した内容になっていました。
明日の天候予報も良くないようですが……。
*
8時40分 ホテル(ネイチャーガイドの案内) … 10時30分 明神 10時50分 … 11時00分 明神池 11時20分 … 嘉門次記念碑 … 梓川右岸 …
13時10分 ホテル(昼食)14時00分 … 梓川畔 … 15時30分 5HORN(ホテル喫茶室)16時00分 … 梓川畔 … 17時00分ホテル … 18時00分 夕食
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過去の記録
・平成3年5月4日
明神橋付近から明神岳
