御祖(みおや)哭(な)きつつ求(ま)げば、見得(みう)る即ち、其の木を折(き)きて取り出(い)で活(いか)して、其の子に告げて言(の)りたまはく「汝(いまし)はここに有らば、遂に八十神の為に滅ぼさえなむ」とのりたまひて、【木国(きのくに)】の【大屋毘古神(おほやびこのかみ)】の御所(みもと)に【違(たが)へ】やりたまひき
★木国(きのくに)
紀伊国、和歌山県
材木を多く検出するので木国
★大屋毘古神
家屋の神
須佐之男命の子五十猛神(いたけるのかみ)と同神
出雲と紀伊は関係が深い
★違(たが)へ
禍いを避ける「方違へ」
■大穴牟遅神の母神が、泣きながら捜したところ、木に挟まれた我が子を見つけたので、すぐにその木を裂いて取り出して生きかえらせ、我が子に「おまえは、ここにいれば、しまいには兄弟の神々のために滅ぼされてしまうでしょう」と言われ、すぐに紀伊国の大屋毘古神の所に方角を変えて遣わした