るるの日記

なんでも書きます

古事記 大国主神 再び木に挟まれ殺され生きかえる

2020-12-03 14:20:45 | 日記
御祖(みおや)哭(な)きつつ求(ま)げば、見得(みう)る即ち、其の木を折(き)きて取り出(い)で活(いか)して、其の子に告げて言(の)りたまはく「汝(いまし)はここに有らば、遂に八十神の為に滅ぼさえなむ」とのりたまひて、【木国(きのくに)】の【大屋毘古神(おほやびこのかみ)】の御所(みもと)に【違(たが)へ】やりたまひき

★木国(きのくに)
紀伊国、和歌山県
材木を多く検出するので木国

★大屋毘古神
家屋の神
須佐之男命の子五十猛神(いたけるのかみ)と同神
出雲と紀伊は関係が深い

★違(たが)へ
禍いを避ける「方違へ」

■大穴牟遅神の母神が、泣きながら捜したところ、木に挟まれた我が子を見つけたので、すぐにその木を裂いて取り出して生きかえらせ、我が子に「おまえは、ここにいれば、しまいには兄弟の神々のために滅ぼされてしまうでしょう」と言われ、すぐに紀伊国の大屋毘古神の所に方角を変えて遣わした


古事記 大国主神また殺される

2020-12-03 13:44:03 | 日記
八十神見てまた欺きて山に率(い)て入りて大樹(おおき)を切り伏せ、【茹矢(ひめや)】を其の木に打ち立て、其の中に入らしむる、其の氷目矢(ひめや)を打ち離ちてうち殺しき

★茹矢(ひめや)
つぎの氷目矢も同じで、木の割目にはめ込む楔(くさび)


■兄弟の神々はこれを見て、また大穴牟遅神を騙して山に連れ込んで、大きな木を切り倒し、楔(くさび)をその木に打ちこみ、その割目に入らせたとたんに、その楔を引き抜いて打ち殺してしまった

古事記 大国主神 死んでまた復活する

2020-12-03 12:25:23 | 日記
追ひ下すを取る時、即ち其の石に焼きつかえて死にたまひき。其の【御祖(みおや)】の命哭(みことな)き患(うれ)へて、天(あま)に参上(まいのぼ)りて、神産巣日(かむむすひ)の命を請ひし時、【きさ貝比売(さきがひひめ)】と【蛤貝比売(うむぎひめ)】とを遣はして、【作り】活(い)かさしめたまひき

さき貝比売【きさげ】集めて、【蛤貝比売待ち承けて】、【母(おも)の乳汁(ちしる)と塗りしかば】、麗しき壮夫(おとこ)に成り出で【遊行(あそ)び】たまひき

★御祖(みおや)
刺国若比売
み→尊敬語
母親を尊んで言う

★きさ貝比売
赤貝を人態化した名

★蛤貝比売(うむぎひめ)
蛤を人態化した名

★作り
修理、治療

★きさぎ
削り落とす

★蛤貝比売待ち承けて
貝殻の粉を集めるのを待ち、それを受けとって

★母(おも)の乳汁(ちしる)と塗りしかば
おも→母・乳母
赤貝の殻の粉を、蛤の出す汁で母乳状に溶いて塗る治療法

★遊行(あそ)び
遊行(ゆうぎょう)は法華経にある話。復活した神として出歩く意味

■追い落とした焼石を大穴牟遅神が捕らえると、たちまちにその石に焼きつかれて死んでしまった

これを見てその御母の神の刺国若比売(さしくにわかひめ)は泣き悲しみ、高天原に上っていって、神産巣日神の指図を仰ぐと、すぐにさき貝比売と蛤貝比売(うむぐひめ)とを派遣されて、死んだ大穴牟遅神を治療して復活させられた

その時の様子は、きさ貝比売が赤貝の貝殻を削り落として粉を集め、蛤貝比売がその粉の集まるのを待って受けとって、蛤の汁を溶いて母乳のゃうにして火傷の部分に塗ったので、死んだ大穴牟遅神は再び立派な男になって出歩くようになった



古事記 大国主神 集団いじめされる

2020-12-03 11:19:50 | 日記
八上比売(やがみひめ)、八十神(やそがみ)に答へて言はく
「吾(あ)は汝等(いましたち)の言は聞かじ。大穴牟遅神(おおなむじのかみ)に嫁(あ)はむ」といひき

故、ここに八十神怒りて、大穴牟遅神を殺さまく欲(ほ)り共に議(はか)りて、【伯岐国(ははきのくに)】の手間の山本に至りて云わく
「赤き猪此(いこ)の山に在り。故、われ共に追ひ下されば、汝(なれ)待ち取れ。もし待ち取らずば、必ず汝を殺さむ」
と云ひて、火をもちて猪に似たる大石を焼きて転がし落としき

★伯岐国(ははきのくに)
鳥取県西伯郡会見町天万
米子市の南方で、出雲との境

■八上比売は求婚に来た兄弟の神々に答えて「私はあなた方の言うことは聞きません。大穴牟遅神と結婚しましょう」と言った

これを聞いた兄弟の神々は怒って大穴牟遅神を殺そうと、みなで相談して、伯耆国(ほうきのくに)の手間山の麓に到着し
「赤い猪がこの山にいる。それを我々が一緒に追い落としたら、おまえはそれを持ちかまえて捕まえろ。もし持ちかまえ捕まらなかったなら、必ずおまえを殺してしまうぞ」と言って、火で猪に似た大きな石を焼いてそれを転がし落とした



古事記 大国主神 兎は兎神と成る

2020-12-03 10:05:29 | 日記
大穴牟遅神、其の菟に教へて告りたまはく「今急(と)く此の【水門(みなと)】にいき、【水】をもちて汝が身を洗ふ即ち、其の水門の【蒲(かま)の黄(はな)】を取り敷き散らして、其の上に【輾転(こいまろ)べ】ば、汝が身【本の膚(はだ)】の如必ず差(い)えむ」とのりたまひき

故、教の如くせしに其の身本の如くなりき。此れ【稲羽の素菟】なり。今者(いま)に菟神と謂ふ。故、其の菟、大穴牟遅神に白(まお)さく
「此の八十神は必ず八上比売を得じ。【袋を負はせ】ども汝命(いましみこと)ぞ獲たまはむ」とまをしき

★水門(みなと)
川が海に注ぐ河口
白兎神社のそばには、兎が体を洗ったという不増不滅池がある

★水
淡水

★蒲(かま)の黄(はな)
蒲科の水中、水辺に生える多年草
その花粉が黄色である

★輾転(こいまろ)べば
転がり回る

★本の膚
皮も毛もでなく、皮だけもとに戻った。蒲の花粉が黄色だから、白い毛には連想が及ばない

★稲羽の素菟
毛のない裸の兎
だが、素は白の意味もあるので、やはり白兎か

★袋を負はせ
袋を背負うのは卑しい仕事とされた

■大穴牟遅神は、その兎に「今すぐにこの河口に行き、真水でおまえの体を洗って、そのままその河口の蒲の花粉を採って敷き散らして、その上を転がり回れば、おまえの体はもとの膚のようにきっと直るだろう」と言われた

そこでその教えのようにしたところ、兎の体はもとどおりになった。これが因幡の素兎である。今に至るまでこの兎を兎神といっている

その兎は大穴牟遅神に、「この大勢の兄弟の神々は八上比売を妻に得られないでしょう。袋を負って卑しい役目をしておられますが、あなた様が必ず得られるでしょう」