るるの日記

なんでも書きます

古事記 大国主神 🐰因果応報・兎は鮫を騙していた

2020-12-03 09:17:14 | 日記
故、痛み苦しみて泣き伏せれば、最後(いやはて)に来たりし大穴牟遅神、其の菟を見て「何のゆえにか汝は泣き伏せる」と言りたまひしに、菟答へて言(まお)さく
「僕(あれ)【唹岐(おき)の島】に在りて、此の地(ところ)に度(わた)らまく欲りすれども、度らむ【因】(よし)無かりき。
故、海の【わに】を欺きて言はく、
『吾と汝と競べて、【族(うがら)】の多き少きを計(かぞ)へてむ。
故、汝は其の族の在りの随に悉に率て来て、此の島より気多の前まで皆列(な)み伏し度れ。吾其の上を踏みて走りつつ【読み】度らむ。是に吾が族といづれか多きを知らむ』

かく言ひしかば、欺かえて列み伏せりし時、吾其の上を踏みて読み度り来て、今地に下りむとせし時、吾云わく『汝は我に欺かえつ』と言ひおはる即ち、最端(いやはし)に伏せりしわに、我を捕らへて悉に我が【衣服】を剥ぎき。

これによりて泣き患(うれ)へしかば、先に行きし八十神の【命】もちて、『海塩を浴み風に当たり伏せ』とおしへ告(の)りき。故、教の如くなしかば、我が身悉に傷(そこな)はえつ」とまをしき

★唹岐の島
隠岐島か?
沖の島か?
白兎海岸には同名の兎の形をした小島がある

★因
手段

★わに
鰐鮫
出雲沿岸や北九州の玄界灘沿岸では、今もサメの大型のものをワニとよんでいる

★族(うがら)
同族、親族

★読み
数える

★衣服(きもの)
兎の毛皮を衣類に見立てた

★命
おことば

■痛み苦しんで泣き伏していると、神々の最後に来た大穴牟遅神が、その兎を見て「どうして、おまえは泣き伏しているのか」と言うと、兎は答えて

「私は唹岐の島におりまして、この本土に渡りたいと望みましたけれど、渡る手段がありませんでした
そこで海の鮫を騙して

『私とおまえと競争して、どちらの同族が多いか数えよう。おまえは、同族のありったけを連れてきて、この島から気多の岬まで、みんなを伏し並べよ。そうしたら私がその上を踏んで走りながら数えて渡ろう。こうして私の同族と、おまえたちの同族とどちらが多いか知ることにしよう』と言いました

鮫は騙され並び伏していた時に、私はその上を踏んで数え渡って、今まさに地上に下りようとした時、私が『おまえは私に騙されたのだ』と、言い終わらないうちに、一番端に伏していた鮫が私を捕らえて、私の毛の着物を剥ぎとりました

こうゆう事情で泣き悲しんでいたところ、先に行きました大勢の神々が言葉をかけ、『海水を浴び風に当たって横たわっておれ』と教えてくれました。それでその教えのようにしましたところ、私の体はすっかり傷つけられてしまいました」と申し上げた



古事記 大国主神 意地悪な大国主神の兄弟神🐰嘘つき

2020-12-03 08:17:30 | 日記
【気多(けた)】の前に到りし時、裸の菟(うさぎ)伏せりき。ここに八十神、其の菟に謂ひて云(の)らく「汝がせむは、この海塩(うしほ)を浴(あ)み、風の吹くに当たりて、【高山の尾】の上に伏せれ」とのりき。故、其の菟、八十神の教に従ひて伏しき。其の塩の乾くまにまに、其の身の皮ことごとに風に吹きさかえき

★気多
因幡国気多郡
鳥取市の白兎海岸に気多岬という地があって、その背後の丘に白兎神社がある

★高山の尾
山の小高い所、峰
身干山という伝説地がある

■気多の岬に着いた時、裸の兎が横たわっていた。これを見た兄弟の神々はその兎に
「おまえがすることは、この海水を浴び、風にあたって、高い山の頂に横たわっておれ」と言った

その兎は神々の教えに従って山の頂に横たわった。すると体に浴びた海水が乾くに従って、体の皮膚はすっかり風に吹かれてひび割れた

古事記 大国主神 大穴牟遅神の頃 兄弟の従者だった

2020-12-03 07:52:45 | 日記
大国主神の【兄弟(あにおと)】、【八十神坐(やそがみま)】しき。しかれども皆国は大国主神に【避り】まつりき

避りしゆえは、其の八十神、各(おのもおのも)、【稲羽】の【八上比売(やがみひめ)】を【婚(よば)はむ】心有りて、共に稲羽に行きし時、大穴牟遅神(おほなむぢのかみ)に袋を負(おほ)せ、従者(ともびと)として率(い)てゆきき。

★兄弟
異腹の兄弟

★八十
多数

★避り
辞退

★稲羽
因幡国
鳥取県東部

★八上比売
因幡国八上郡(鳥取県八頭郡)の地による名

★婚(よば)はむ
妻問う=求婚

■大国主神の兄弟には、大勢の神々がいた。けれどその神々はみな自分の国を治めるのを辞退し、大国主神に譲られた

辞退した理由は
兄弟の神々は、それぞれ因幡の八上比売に求婚しようとする考えがあって、一緒に因幡に行った時、大穴牟遅神(大国主神)に旅行用の袋をかつがせ、従者として連れて行った