♦️天つ神の豊穣霊たる邇邇芸命が、国つ神の娘と結婚して、日向第二代の日継の御子を生むというのがこの聖婚物語の主題
邇邇芸命(大和朝廷)の主権が、薩南にまで及び、土豪隼人の娘との結婚によってその土豪を服従させたという国家的、政治的構成
【「吾が妊(はら)める子、もし国つ神の子ならば、産む時辛くあらじ。もし天つ神の御子ならば、辛くあらむ」】とまをして、【戸無き八尋殿(やひろどの)】を作りて、其の殿の内に入り、土をもちて塗り塞ぎて、産む時に方(あた)りて、火をもちて其の殿につきて産みき。【其の火の盛に燃ゆる時】に生める子の名は
※【火照命】(ほでりのみこと・【隼人】の阿多君の祖)
※【火須勢理命】(ほすせりのみこと)
※【火遠理命】(ほをりのみこと)
亦の名は天津日高日子穂穂手見命
(あまつひこひこほほでみのみこと
)
★吾が妊める子~辛くあらむ
佐久夜毘売の誓生(うけいうみ)の言葉
★戸無き八尋殿(やひろどの)
戸のない広い御殿
産殿
★其の火の盛に燃ゆる時に
この句は三柱全部にかかる
火の勢いの進む三段階の中から三柱が現れた
★火照命(ほでりのみこと)
※火が明るく照った時に生まれた神
※穂照命→邇邇芸命が稲穂の霊格であったように、三柱の子のホも稲の穂が原義
★隼人(はやと)
はやひととも読む
※南九州に住んだ部族
※阿多隼人・日向隼人・大隅隼人・薩摩隼人などがある
※大和朝廷からは異民族視されていた
※阿多隼人は鹿児島県川辺郡・加世田市・日置郡にわたって支配した
★火須勢理命(ほすせりのみこと)
※火が燃え進む時に生まれた神
※穂の実りが進むが原義
★火遠理命(ほをりのみこと)
※火勢いが弱まった時に生まれた神
※稲穂が折れたわむほどに実る意
別名・天津日高日子穂穂手見命
(あまつひこひこほほでみのみこと)
※ほほで→炎が出る
※み→稲穂を出す霊
■佐久夜毘売は答えて
「私が身ごもった子が、もし国つ神の子であるならば、出産の時、その子は無事でないでしょう。もし天つ神の御子ならば、無事に生まれるでしょう」と誓生(うけいうみ)の言葉を申して、出入口のない広い産殿を造って、その御殿にこもり、それを土ですっかり塗り塞いで、出産の時は火をその産殿につけて子を生んだ
火が盛んに燃える時に生んだこの名は
火照命
火須勢理命
火遠理命
別名・天津日高日子穂穂手見命
である