るるの日記

なんでも書きます

古事記 天宇受売命!小刀でナマコの口を裂く!💦

2020-12-10 09:25:06 | 日記
猿田毘古神を送りて、【還り到りて】、悉(ことごと)に【鰭(はた)の広物、鰭の狭物】を追ひあつめて「汝は天つ神の御子に【仕へ奉らむや】」と問言(とひ)し時、諸の魚皆「仕へ奉らむ」とまおす中に
【海鼠(こ)】まおさざりき

天宇受売命「海鼠のこの口、つひに答へぬ口」と謂ひて、紐小刀もちてその口をきさき

故、今に海鼠の口きくるなり。これをもちて【御世島】の【速贄(はやにへ)】献る時、猿女君等に給ふなり

★還り到りて
本拠の伊勢

★鰭(はた)の広物、鰭の狭物
ヒレの広い魚と狭い魚
大小の魚

★仕へ奉らむや
御供え物の魚として奉仕するか

★海鼠
なまこ
なまこが取り上げられたのは、その異様な形態に対する特別な関心と、宮廷に貢納、珍重されたことによる

★御世島
志摩


★速贄(はやにへ)
はや→季節の初期
にへ→神に献上する食料品。この場合は海産物
志摩を御饌(みけ)つ国と呼ぶ


■天宇受売命は猿田毘古神をその鎮座すべき地に送って、伊勢国に帰りつくと、すぐ大小の魚をすべて集めて「おまえたちは天つ神の御子に御饌料(みけしろ)として仕えるか」と尋ねた

多くの魚は皆「お仕えしましょう」と言ったが、その中でナマコだけは何も言わなかった。それを見た天宇受命は「ナマコの口は、とうとう何も答えない口だ」と言って、紐小刀でその口を裂いてしまった
これによって、今に至るまでナマコの口は裂けているのである。

こうゆう次第で歴代、志摩から初物の御饌料(みけしろ)を朝廷に貢進する時には、猿女たちに下されるのである

古事記 猿田毘古神 海に溺れ三御魂が顕れる

2020-12-10 08:37:32 | 日記
その猿田毘古神、★【阿耶訶(あざか)】に坐す時、漁為(すなどりし)て、ひらぶ貝にその手を咋(く)ひ合(あは)さえて、海塩(うしほ)に沈み溺れましき。その底に沈み居まする時の名を★【底度久御魂(そこどくみたま)】と謂ひ、その海水(うしほ)の★【つぶたつ時の名を都夫多都御魂(つぶたつみたま)】と謂ひ、その★【あわさく時の名を阿和佐久御魂(あわさくみたま)】と謂ふ

★阿耶訶(あざか)
三重県松阪市に大阿坂・小阿坂の地名があり、ここに阿耶加神社がある

★底度久御魂(そこどくみたま)
底着く御魂
どく→到着する

★つぶたつ時の名を都夫多都御
(つぶたつみたま)
泡粒が生じる時の、泡立つ御魂

★あわさく時の名を阿和佐久御魂
(あわさくみたま)
泡が水面で裂ける時の、泡裂ける御魂

■猿田毘古神は、伊勢の阿耶訶にいらっしゃる時、漁をして、ひらぶ貝にその手をはさまれて、海水に溺れた。
海底に沈んでいる時の名を
底度久御魂という
海水がぶつぶつと泡立つ時の名を
都夫多都御魂という
その泡が水面で割れる時の名を
阿和佐久御魂という

♦️溺れて三霊魂が現れるのは、水中鎮魂と、漁労に関した呪的舞の行事で、伊勢・志摩の海人族によって伝承
伊耶那岐命の禊の際、三柱の海神二組が水中から現れたというのも、同型の話し



古事記 天宇受売命の女の子孫が猿田毘古神という男神の名を継ぐ

2020-12-10 07:50:24 | 日記
是をもちて猿女君等、その猿田毘古の男神の名を負ひて、女を猿女君と呼ぶ事これなり

♦️天宇受売命は猿田毘古神を、鎮座すべき地に送り、かつ猿田毘古神の名を負うことを命じられ、これを縁に天宇受売命の女の子孫を猿女君と呼ぶことになる

女であるのに男神の名を名のらねばならないのは、天宇受売命が猿田毘古神の実体を明らかにしてしまったため猿田毘古神と結婚しなければならなくなり、天上の女神の子孫が地上の男神の名を名のることになった

古事記の誦習者「稗田阿礼」は猿女君氏の一族である

古事記 邇邇芸命、天宇受売命に猿田毘古神との結婚を勧める

2020-12-10 07:26:23 | 日記
ここに天宇受売命(あめのうずめのみこと)に詔りたまはく

「この御前に立ちて仕へ奉りし猿田毘古大神は専ら顕はし申せし汝(いまし)送り奉れ。亦その神の御名は、汝負ひて仕へ奉れ」

とのりたまひき

■邇邇芸命は天宇受売命に言った
「私の先導役として奉仕してくれた猿田毘古大神は、その正体をすっかり明らかにしてくれた。おまえは送ってあげなさい。そしてその神の名前はおまえが継いで、今後もお仕えしなさい」