■中坊公平先生の直言は、何度も大和ハウスグループの危機を救った
※「大和団地の様子がおかしい。至急対策が必要だ」とオーナーに最初に進言したのは中坊先生だ
※オーナーの長男で、当時の大和ハウス工業社長・石橋信康さんに諫言したこともある。業績不振もあり、オーナーは社長交代を決断したが、父親だけに言い出せない。代わって中坊先生がオーナーの意思を伝えに行った
※私が大和ハウス工業社長になる時、オーナーは中坊先生に、「監査役として役員会で厳しく発言し、樋口の代わりに嫌われ役を引き受けてやってくれ」と頼んだ
■役員会では、中坊先生からは「少々きつく言いますが、あなたを支えるためと解釈してください」と事前通告を受けた
OBの役員からは「大変らしいな」と声をかけられた。誰かがOBに泣きついたなと察した
石橋オーナーの名代で、中坊先生がきつい発言をしていることを、他の役員は知らなかった。誰が好きこのんでこんな嫌われ役を引き受けてくれるだろう。中坊先生にとっても石橋オーナーは絶対の存在だった
■2005年4月5日本社で開いた永年勤続者表彰式。監査役を退かれる中坊先生も特別に表彰した。表彰状を読み上げているうちに、過去の色々な出来事を思いだし言葉が出なくなった。社員の前で涙を流したのはあれが最初で最後だ