るるの日記

なんでも書きます

樋口武男・嫌われ役を引き受けてくださった中坊公平先生

2021-12-22 15:13:01 | 日記
■中坊公平先生の直言は、何度も大和ハウスグループの危機を救った
※「大和団地の様子がおかしい。至急対策が必要だ」とオーナーに最初に進言したのは中坊先生だ

※オーナーの長男で、当時の大和ハウス工業社長・石橋信康さんに諫言したこともある。業績不振もあり、オーナーは社長交代を決断したが、父親だけに言い出せない。代わって中坊先生がオーナーの意思を伝えに行った

※私が大和ハウス工業社長になる時、オーナーは中坊先生に、「監査役として役員会で厳しく発言し、樋口の代わりに嫌われ役を引き受けてやってくれ」と頼んだ

■役員会では、中坊先生からは「少々きつく言いますが、あなたを支えるためと解釈してください」と事前通告を受けた
OBの役員からは「大変らしいな」と声をかけられた。誰かがOBに泣きついたなと察した

石橋オーナーの名代で、中坊先生がきつい発言をしていることを、他の役員は知らなかった。誰が好きこのんでこんな嫌われ役を引き受けてくれるだろう。中坊先生にとっても石橋オーナーは絶対の存在だった

■2005年4月5日本社で開いた永年勤続者表彰式。監査役を退かれる中坊先生も特別に表彰した。表彰状を読み上げているうちに、過去の色々な出来事を思いだし言葉が出なくなった。社員の前で涙を流したのはあれが最初で最後だ





樋口武男・初対面の中坊公平先生に石橋オーナーは言う「弁護士なのに苦労していなくて、人を救えるのか?一番いい苦労は留置場や。入ったことあるか?」中坊先生「はい」

2021-12-22 14:46:52 | 日記
私と同じように毎月石橋山荘に通っていたのが、1963年に大和ハウス工業の顧問弁護士になり、1999年~2005年は監査役を務めていただいた中坊公平先生だ

石橋オーナーは、初対面の中坊先生を近くの定食屋に連れて行き、色々と質問をした。オーナーは「人の苦しみを解決するのが弁護士なのに、おまえは全然苦労をしていない。そんなことで困っている人を救えるのか?」と指摘された

中坊先生が
「どういう苦労をすればいいでしょう?」と尋ねると、オーナーは
「一番いいのは留置場や。入ったことあるか?」と言うと、先生は
「あります、戦時中に米の買い出しに行き、経済警察に見つかって没収されました。頭にきてこれも持っていけ!と、麦をぶちまけまして、公務執行妨害で捕まりました。もう二度としません」とこたえた
オーナーは、「格好ええやないか」と言って笑い、2人の長い付き合いが始まった

ある会食で小渕恵三首相が中坊先生に「あなたはずいぶん変わっているが、誰から教育を受けましたか」と尋ねた。中坊先生は
「能登で療養中の大和ハウス工業創業者、石橋信夫さんです」と答えた
数日後山荘にいる石橋オーナーに、首相からお見舞の電話がかかってきたのに、石橋オーナーは首相に税制改正の注文をつけた、、と先生は笑っていた

樋口武男・石橋オーナー、石川県・能登で療養生活を送る「身内にも外部にも一切借りはないからな」

2021-12-22 14:19:56 | 日記
大阪駅を午前8時42分に出発する特急サンダーバードに乗ると、石橋信夫オーナーが療養生活を送る石川県・能登の石橋山荘に昼12時15分に着く
1999年から4年間、私は毎月、山荘に通った。役員会の直前に経営報告をしていた

報告を終えるとオーナーは、「言わなあかんことを全部言うておくからな」と前置きして猛烈な勢いで話し始める。軍隊時代、会社経営、親戚付き合いにまで及んだ

2人の役員会は、応接室と食堂を往復しながら続いた。最後は寝室で、オーナーはベッド、私は介護人用のベッドで延長戦に臨む。最長で午前3時半まで話しこんだこともある
オーナーの「もう寝よか」の言葉でようやく、打ち止めになった

ある夜オーナーは「身内にも外部にも一切借りはないからな」と、きっぱり言いきった。オーナーが亡くなられた後「生前にお約束をいただいた者ですが、、」という電話がかかってきた。仕事を回して欲しいという。私が「証拠を見せてください」と言うと、ぷっつりと切れた
オーナーは「会社は公器」という信念を貫いた本当に身きるいな人だった

オーナーが聴覚を失った最後の2年間のやりとりは筆談だった。段ボール箱いっぱいの、オーナーとのやり取りを記したメモは、今も本社ビルにある私の執務室に残してある

オーナーは、「本社のわしの部屋はしばらくそのままにしておいてくれるか?」と言った。紙に大きな字で「オーナーの部屋は永久保存します」と書いた。オーナーは満足そうなやうなずいて、「わしの部屋は君が使ってくれたらええ」と言った。1年間はそのままにしておき、その後はありがたく使わせていただいている

樋口武男・36歳社員を姫路支店住宅営業所長ら、富山支店長へ引き上げた〈人には旬がある〉

2021-12-22 13:46:58 | 日記
支店長公募制度で面接をしていた。36歳の社員に目がとまった。オーラを感じたとでもいおうか、、
姫路支店の住宅営業所長だった社員を、富山支店長に引き上げた
人には旬がある。そのタイミングを彼は掴んだのだ。運は努力しない者には絶対めぐってこない。会社のどこかでダイヤモンドの原石が、掘り出されるのを今か、今かと待っている。職場で能力をもて余してはいないだろうか。毎日私は前途有為の若者を求めている

樋口武男・石橋オーナー「組織だけ変えても、人を替えなかったら意味ないで」

2021-12-22 13:31:59 | 日記
■私は石橋オーナーに言った「事業部制を廃して、支店制に改めます。人材を育てるためです。支店長に権限を持たせないと、経営の勉強にならんのです」

石橋オーナーは
「そこまで言うならやったらええやないか。樋口君、組織だけを変えても、人を替えなかったら意味ないで」と厳しい口調で告げた
まさにその通りだった

■2004年4月から敷いた支店制で
支店長の権限を大幅に強化して
自分で決断するように即した

その後1年半の間に旧態依然で状況が改善しなかった支店長21人を交代させた。支店長が異動したところは総じて成績が良くなった

各支店内にあった事業別の営業所は、社長直轄で全責任を負う支店長の指揮下に入った

■改革意識を唱え組織を改めても
人が替わらなければ経営スピードは上がらない