Sbagliando si impara. (間違うことで人は学ぶ。)

イタリア語の勉強に、nonna ひとりでフィレンツェへ。自分のための記録。

万引き家族

2018年06月23日 | 日記

前評判が非常に良い「万引き家族」を是非映画館で見たいと同じ思いの
お友だちとご一緒しました。




最初は男性と男の子が、絶妙に万引きして行く場面が続き、しかもその万引きは
ゲームでもしているかのようでした。
また、買い忘れたかの如く「シャンプー剤を忘れた。」とか、そのシャンプー剤の
銘柄さえも指定。このように、万引きが日常生活の糧になっている「万引き家族」。


なかなか、その家族の関係性が全く分からないまま進んでいきます。

毎夜寒い中、アパートの通路に座り込んでいる五歳の女の子を連れ帰る。
この子は両親から虐待を受けていた。
その夜から、家族の一員に。

ここまでのストーリーでは、恵まれない人たちが集まり、お互いに家族として絆を強め、
ありのままに生活しているのかと思ってました。

いつも万引きをしていた駄菓子屋で男の子祥太と女の子が万引きをしてお店を出ようとした時、駄菓子屋のおじさんにお菓子と共に「妹にだけは万引きをさせるな。」と声を掛けられた。
その役者が柄本明でただそれだけの台詞に感情が溢れていました。

その事で祥太は考え始め、成り切り父に「万引きは悪いことなのか」と聞く。
答えは「お店に並んでいる品物は誰のものでもない。お店が潰れなければセーフ。」

後半は祥太が万引きでわざと捕まる事から、その家族の意外な関係性等も分かってきた。

大人はみんな、意識しているかどうかは別として、計算尽くで家族に
なっていたという事も感じた。
子どもは絆を信じ、おとなを信じ、ひたむきに家族となっていたと思う。

施設から学校へ通う祥太には、明るい未来を感じましたが・・。

本当の家族(biological family)でさえ、完全に分かり合えることは難しい。

分かり合える事が出来なくても、相手のことを守り、理解しようとすることが
本当の愛、家族と言えるのではないでしょうか。


ラストシーン
女の子は元の虐待両親の元へ。
その自宅アパートの廊下の塀の上に顔を覗かせて何かを・・・。

役者はそれぞれ本当に良い味を間違いなく演じていました。
特に女の子と祥太の役を演じた子役には賞賛
自然体で不安(かなしみ)と純粋さが充分感じられました。

前評判が良すぎて、過剰な期待を寄せすぎたためか期待ほどでもなかったけれど。