郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

八坂(長野県大町市)への援農の旅−3

2020年11月20日 | 日記

午後の仕事は、Hさんの集落・笹尾地区のお堂で、数珠回し用の数珠の紐の取り替え。

今年、彼女の当番で気になっていたのだそうだ。

大数珠回しと聞いて、八坂の村でもやっているんだとびっくりした。

 

10年ほど前「うつし世のしじまに」というドキュメンタリー映画で、民家の部屋で、78人が輪になって、念仏らしきものを唱えながら数珠回しする場面を見た。

この映画は、川崎市麻生区、新興住宅地に点在する昔ながらの農家、旧住民が今なお守り続ける念仏講、神社、お寺を中心に営まれる村人の暮らしを撮った映画だった。

 

神社、お寺は農作業と結びついた守護神であり、神社の行事が村の暮らしにうめ込まれていて、村人のつながりを結びなおし、ハレの場をつくり、ともに汗を流し、楽しみ、村のコミュティを作り上げるということがよく分かった。

 

だから、福島原発事故で「ふるさと喪失」の悲しみ、中高年、老人にとっては、二度と取り戻すことはできない命の根源が失われ根無し草にされる、穏やかに死んで行けない辛さなのだと思います。

 

もちろん、村のしがらみがうっとうしくて、閉塞感が耐え難く故郷を捨てる人もいるでしょう。

昔東葛支部で、千葉ニュータウンをフィールドしたとき、案内してくれた印西の老共産党員、元町議さんが「村で暮らしていて叫びだしたくなるような孤独を感じるんですよ」と語っていた。

村八分って言葉もあるし決していいことばかりではないけれど。

 

家に帰って、ネットで見たら、茨城県牛久の大数珠回しの動画がありました。本堂でお坊さんがお経を唱えた後、子どもたちも混ざって、ハイハイという感じでかなりのスピードでにぎやかに楽しそうに回していました。

連帯感とか一体感が生まれるようでした。

思いがけず伝統の数珠の修理ができて、面白かったです。

(つづく)

-Ka.M-

 


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