憂う雨

みどり

いまいちばん、目にハッとする色
ほかとはちょっとちがう、輝きを持つ色

モンドリアンは緑がいっとう嫌いだったらしい
なんてことを、雨したたるトタンの下で
ぐつぐつ煮ながら

思うのは私

みどり
したたる雨かはわからないが
トン トン と

定期的な音を立てている

やっぱり待ち時間

街で暮らすのは
じつは、待ち時間の繰り返しに挟まらているのかって

それはけっこうな確信をもって、いえることだろう。

電車で
バスで
人を
時間を

探し続ける時間でもあるだろう

服を
靴を
本を

探し続ける時間は待ち続ける時間に挟まれていて、待ち続ける時間は探し続ける時間に挟まれている

そうしてぼくらは隣の住民に挟まれながら暮らしている

コーヒーをわかす

1日数杯のコーヒーを飲むことを常としている
この習慣をはじめてしばらく経つ

なので街にでかけると、コーヒー休憩ののちまたコーヒーを飲み出すので、周りはおどろく。

こちらは癖なので、そこではじめて気がつく

妙な習慣の、奇妙な継続
カフェイン中毒というものなのだろうか
カフェイン中毒ってほんとうにあるのだろうか

だとすると私はタバコも吸うし酒も飲む

カフェイン中毒かつアルコール中毒かつニコチン中毒
じつに救い難いではないか。

よしきめた。
私は今後

ブラックニッカしかのまないであろう。

雨の傘忘れ

傘忘れたぞい
雨だぞい

すきをみて脱出するかいな
傘さして自転車にはもう乗れないぞい
危ないからね

危ないと気づいてから、おくびょうになったのかしら

危ないと知ったから、もうしないでおこうと決める力をえた
と思いたい。