たきび

焚き火をした。
数年前まで、火を怖がっていたくせに
「うまいね」
といわれるほど、焚き火がうまくなった。
うまいらしい。

つみあがっては崩れていく材木や木っ端
やがて中では炎は青くなる。

そのあとは、一晩燃え続けて、ひとすくいほどの灰になる。
まっしろなものは、もともとの状態から
へったのだろうか、ふえたのだろうか。

スピーク

ことばは親から教わる
語調や、抑揚、語尾。
笑い方や泣き方まで。

そのあと友だちにおそわる
自分の好きなことばを真似し
じぶんだけのことばをつくっていく。

だから、誰にも似ていないものができるし
というか、完成されるということはまずないのだろう。
毎日、かたときもはなれずに、身について回るものだから。

やがて衰えると、ことばも変化していく。

げんをはりたい

リサイクルショップの楽器コーナーに並ぶギター
ところせましとちんれつされている楽器
ギターの弦をぜーんぶ張替えたい

ほこりをはらい
ワックスをかけたい
もう使えないギターは捨てたい
燃やせばいい燃料になるのだ
乾燥しきったギターだからこそ、よく燃えるというもの

きれいになったギターを再び
ちんれつしたい。

メルセデスベンツ１項

オーロード　欲しいのはメルセデスベンツ
みんなはポルシェ　好きだって言うから
友だちっていつもかなしいものね
そう、ロード　欲しいのはメルセデスベンツ

あぁロード　欲しいのはカラーＴＶ
電話で、フォーダラーでって、そう言うでしょう？
朝の３時まで待っているから
お願い　欲しいのよ　カラーＴＶ

オーロード　欲しいのは夜の街
本気で頼んでいるのに　返事はまだ？
愛しているって言って　次のときまでに
オーロード　飲みましょう　夜のカフェで

オーロード　欲しいのはメルセデスベンツ
みんなはポルシェ　好きだって言うから
友だちっていつもかなしいものね
そう、ロード　欲しいのはメルセデスベンツ