淡路で公開講座があり、F先生の講座を受講しました。
植物を殖やす方法は、種子を蒔くこと、挿し木をすること以外に植物組織培養の方法もあります。
植物は、全能性といって、細胞があらゆる細胞に分化でき、完全な個体を形成できる能力を持っています。
動物とは異なっている点ですが、この能力を応用して、植物の器官や組織を切り離して、人為的な環境下で培養することを学びます。
通常は、培地の作成、オートクレーブ滅菌、無菌作業の工程を経るのですが、今回は、eVipというキットを使って、有菌下での実習です。
1)レックスベゴニア(シユウカイドウ科)の葉片培養
あらかじめ培地で処理した葉片を1㎝程度角に切り取り、シャーレに入れて、密閉
2)シラン(ラン科)の無菌播種
種子に胚乳を持たないラン科の植物は、通常ラン菌の力を借りて栄養分の供給を受けて発芽するのですが、ハイポネクス培地にシランの極々小さな種を播種
3)シランの継代(つぎだい)
シランの培養中の個体を大きな培養容器への植替え
4)カーネーション(ナデシコ科)の茎頂培養
茎頂部分にはウイルス感染が生じないという特性を応用、茎頂部分を顕微鏡を使いながら切り取り、培地への置床
(以下、講座資料による)
この作業は、できるだけ太いカーネーションの茎を選ぶのがポイントですが、それでも葉を順々に取り除き、最後は針などで幼葉を除去する過程は、視力の衰えからか大変難しいものでした。
挿し木でうまくいかない場合の奥の手がこの組織培養なので、周りの植物でも試してみたいと考えています。